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レバノン料理屋にて羊のタルタルステーキにしびれながら「食の安全」を考える
ワシントン出張記録7
今日はワシントン動物園があるウッドリーパーク地区にて、1人昼飯。狙っていたアフガン料理屋が閉まっていたのでこちらにしました。
ここもいまのDCを語るうえで欠かせない活気に満ち満ちた場所です。雰囲気を知るにはこちらをどうぞ。
https://www.airbnb.jp/locations/washington-dc/woodley-park
12時に予約なしで入店。おや、意外にも広い店内。(ここやアダムズモーガン地区ではわりと小箱が多い)全員男性の店員さんたちが笑顔で迎えてくれました。
壁際にある二人席のテーブルに案内されました。アメリカではカップルシートはあんまりなくて、これは居心地がよろしいです。
実は入店するまえにお店の前にあったメニュ―を拝見して決めていました。
Kibbeh Nayehレバノン風羊のタルタルステーキ $13
を注文。予想通り、店員さんから「生肉だけど大丈夫わかってんの?」という警告が。はいはいわかってますよ。
それにあわせて、レバノン産の赤ワインをグラスで IXSIR Altitudes, Batroun - 2010 $10
Altitudes(高度)という名前からもわかるこの標高1000メートルの高原で造られたこのワイン、雑味がなくフルーティで飲みやすいです。
まず運ばれてきたのはクマージュという中が空洞の円形の薄いパン。
レバノンのワインは初めてですがおいしいですねえ。ところで、中東のイスラム教国であるレバノンがお酒を生産しているのは?
これには二つのパターンがありまして、たとえばトルコではビールやウイスキーなど作っていますけど、それは「まあ、それはそれで、ね」みたいな(真面目にいうと、伝統的な原理主義イスラム教では固く禁じられているはずの飲酒や酒造が近代化の進展に伴って相対的に許容されるようになった)もの。
もう一つは、レバノンがこれにあたりますが、実はイスラム教国といってもたいていの場合他宗教の信徒がいるので、そのような非イスラムの方たちが作っている。レバノンにはベッカー高原という高地があり、そこにはキリスト教徒(マロン派)が多数住んでいて、肥沃な土地を利用してブドウの栽培とワインの醸造を行っているのです。
さて、運ばれてきました。キッベとは、ブルグール(bulgur)という砕いた麦にひき肉を合わせたものを使う料理、そのなかでも生のまま食べるキッビ・ナッイーェなるものがいまここに。まあいわゆる前菜(メッゼ)のひとつ。
一目で最上質とわかるつやつやしたバラ色のラム肉ミンチ。オリーブオイル、ミントの葉、玉ねぎ。一口食べるとほのかににんにくの香り。いやあ、いいですねえ。牛肉と違って生の肉質がおだやかなので、卵黄はいりませんね。
『生の肉なんて、なんて野蛮なんでしょう、ありえない。第一あぶないじゃない』という方もいらっしゃいましょう。
たしかに加熱しないので肉にいる菌類は生きたまま私の体内に入ってきます。でもさ、人間の体には数千兆(もっとかな)くらいの雑菌が既にいてますがな。生の肉を食べて死んだ人、今年いまのとこ日本でもアメリカでもゼロ。交通事故死者、安全な日本でも年間4000はくだらない。だからって車乗るのやめないでしょう、とまではいいませんが。
安全ってなんだろうと時々考えます。私が子供のころ香港に行くときは啓徳空港というところに降り立たなければならなかった。これが札付きの危ない空港とされていて、素人がみても難しい、山が切り立っていて、まわりにもビルがたち、着陸直前に凄い角度でバンクをとって曲がらないといけない。
さて、この危険空港での事故数は?ゼロです。理由は簡単、1危険な空港だとパイロットたちは知っているのできわめて慎重に、緊張を維持してランディングする。
2 航空会社はこの空港のために、香港路線にはベテランのすぐれたパイロットをあてる。実際にJALなどのいわゆる「引退飛行」、退職するパイロットの最後のフライトは香港と決まっていました。
何が言いたいかといいますと、だれだって生肉はお腹をこわす可能性があるから、腕のいい調理人が慎重に丁寧につくってくれるだろう、ということなんです。以前富山の焼肉チェーンでユッケを食べさせて死者が出た事件、あれはそういう配慮を欠いていたことが一つの原因でした。あと、一皿290円のチェーン店のユッケをお年寄りに食べさせてはいけません。
あ、それよりも私が生肉系を頂く理由はほかにありまして。
① 栄養が豊富。加熱していないためビタミン類が壊されることがまったくない。エスキモーが生肉を常食していますが、彼らはほんと病気しないらしいですね。
② アメリカの肉料理はどうしてもポーションが過剰なまでにでかい。が、生肉だとさすがに大盛りは来ないで、写真程度のおだやかな盛りになります。
むしゃむしゃとむさぼり食っているとオーナーらしき中年の男性が「どう、おいしい?それにしてもキッビ・ナッイーェなんてよく知ってたね。うちの看板料理の一つなんだがアメリカ人はなかなか注文してくれなくて」
いや、つい先ほどお店の前のメニュ―見て知りました。私は生肉大好きですし、日本人は鶏、鹿、馬、牛、なんでも生でいただきますよ。羊は初めてですけど
「へえーそうなんだ。うれしいねえ。私も日本大好きだよ」
そうなんです、レバノンは中東でも屈指の親日国として有名。ワインが足りなくなったので彼にお勧めを聞いて
Château Ksara, "Reserve Du Couvent," Bekaa Valley - 2013 $9
カベルネ・シラー配合の豊かな赤。木の香り、長い余韻。
気が付くと店の前にある屋外テーブルは満席、店内にも近くのホテル宿泊客らしきグループがいくつか。やはり人気店なのですね。
ごちそうさまでした。
BGM レバノンの民族音楽(と思われる)、かと思うと重厚なクラシック音楽が時々。
トイレ 店の奥に男女別なく個室3、洋式
お店看板
レバノン産赤ワイン
レバノンのパン、クマージュ
クマージュは中味空洞です
ラム肉のタルタル、つややかで美しい・・・
ものをぐちゃぐちゃにして食うのもまた快感
広い店内
アウトドア席はいつの間にか満席でした。
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kasuganomichi
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| 店名 |
Lebanese Taverna Washington, DC
|
|---|---|
| ジャンル | 中東料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
(+1) 2022658681 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 |
アメリカ2641 Connecticut Avenue NW, Washington DC, 20008 |
| 交通手段 |
地下鉄レッドラインWoodley Park-Zoo駅から徒歩0分 |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算(口コミ集計) |
|
| 支払い方法 |
カード可 |
| 席数 |
150席 |
|---|---|
| 個室 |
有 (30人以上可) |
| 貸切 |
可 |
| 禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
| 駐車場 |
有 |
| 空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり、スポーツ観戦可 |
| ドリンク | ワインあり、ワインにこだわる |
|---|
| 利用シーン |
|
|---|---|
| お子様連れ |
子供可 |
| ホームページ | |
| 公式アカウント | |
| 初投稿者 | |
| 最近の編集者 |
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4.0[ 料理・味4.0 | サービス4.1 | 雰囲気4.0 | CP3.9 | 酒・ドリンク4.0 ]が私の評価です。
連れと軽くお食事を宿近くで。ということで私が行った事があるレバノン料理店です。
けっこうにぎわっております。ランチでいただいた、ラム肉のタルタル Kibbeh Nayeh 14 が目当てです。あとはオリーブの葉のサラダ。
これにパンと赤ワインで十分でしょう。
イスラム圏ですが、いいワインがあるんです。イスラムでもお酒を飲む場合、「まあ、そりゃ、適当にね、そういうのも近代化の一つってやつで・・・」というごにょごにょ派(典型例がトルコ)もありますが、レバノンなどは峡谷や高地で葡萄の栽培に適したところにれっきとしたキリスト教徒が集住していて、自然にワインなどを醸造している必然派があるんですよね。当然良い酒は後者にありがち。
選んだのは Chateau Kefraya, Les Bretches, Bekaa Valley 2016 31ドル
Cinsault, Syrah, Cabernet Sauvignon, Grenache, Tempranillo, Mourvedre, Carignan
ベッカー峡谷というのは良いブドウが取れるそうです。
相変わらずここのタルタルはうまい。ローカルチェーンで他店でも食べたけどここのが一番しっくりきます。ソースもうまいし肉の処理も適切なようです。
繁盛してるわりにサービスもにこやかで気持ちいい。
ごちそうさまでした。