ボストンと言えばサミュエルなアダムス。 : Sam Adams Boston Taproom

私が1978年に初めて訪れた「ファニュエルホール」は、米国が英国の植民地だった時代に建てられた歴史的建造物であると同時に、全米初のフェスティバルマーケットプレイスとして1976年に再開発オープンしたばかりの大人気複合商業施設開業でもあり、人の熱気と店の活気でそれはもう唸りを上げてフル回転するダイナモの如し。その10年後にも再訪、しかし2022年春に訪れた際には様相が以前とはやや異なっていました。

行き交う人の数も以前に比して少なく、閉まっている店もチラホラ。もしかすると一時は大ブームとなったにも関わらず今や廃墟と化したサンディエゴのホートンプラザの後を追っているのか……と心配にもなりましたが、どうやら COVID-19 による大打撃からまだ立ち直り切れていないということの様です。
ほっと一安心する一方、この２年間が人々の生活にもたらしたダメージを改めて実感せずにはおれません。

皆さんご承知のとおりボストンは独立戦争の主舞台であり、その独立を主導した一人、サミュエル・アダムスももちろんこの歴史的建造物で演説などを行なっています。サミュエル・アダムス？ そう、「あの」サミュエル・アダムスです。
ファニュエルホールの真ん前には彼の銅像が建てられており、その銅像の真横に Samuel Adams Top Room があります。

アメリカ最大のクラフトビールブルワリー「サミュエル・アダムス（SA）」の名は、少しでもアメリカのビールを知っている方であれば誰もがご存じでしょう。そんなSAが2020年１月にオープンした新タップルームは、タップルームというその名から想像するよりかなり大規模。１階＋半地下（メインビアホール）＋屋上席という３層構成の建物まるまる一棟で、合わせて1,400平米もあります。

2022年４月末の水曜日17:07に入店し、まだ空き席も多かったもっとも広い半地下スペース（メインビアホール）へ。
そこには六人程度が座れるベンチシートタイプのテーブル席が８つくらいと、１階と半地下階の高低差を利用した階段席があり、我々はその階段席に陣取ります。多少なりともフロアを見下ろせるので、テーブル席より気持ちいいです。

カウンターでバーテンダー相手に例の如く悩み、礼の如く試飲させてもらいますーー一般的な米国の酒が飲めるお店では、悩めばほぼ例外なく試飲させてくれます。
そして試飲の結果としてこの日選んだのが以下３点。

●#14: The Dark Matter（アルコール度数4.8%、8ドル／16oz）。
　これがこの日飲んだ３種類の中で一番美味しかった。でもニューイングランドタイプなので、西海岸派の私はやはりIPAらしさをあまり感じません。
●#20: The House Blend（5.2%、8ドル／16oz）。
　文字どおりブレンドビールです。コーヒーかキャラメルを強く感じました。
●The Last Boss（8.1%、9ドル／12oz）。
　インペリアルサワー。アメリカではサワービールが流行っていますが、このサワーは爽快さを超える酸っぱさ。単なる酸味を超えたこの不思議な酸っぱさは、投入されているブラックベリーとブルーベリーに起因しているのでしょう。

タップに繋げられている20種の内の３種を飲んだわけですが、各々の味の違いが半端なく、タップルームの楽しさ爆発です (^^)。

食べ物（つまみ）
●Cheesy Tots（9ドル）。
ダイスサイズに切った芋を揚げ、そこにチーズをかけたもの。
●Eastern Standard Pretzels（12ドル）。
　めちゃくちゃ塩っぱいプレッツェル。チーズとマスタード、二種のディップが付いてきます。

食べ物はビールとは別のカウンターでオーダーし、渡されたビーパーが鳴動したら取りに行きます。写真をご覧いただければ分かると思いますが、これ全部食べたら二人でももう何も入りません。どころか全部平らげるのは不可能なので（笑、退店時に一部廃棄しました。

最後にどのタップルームにも併設せれている売店スペースに寄り、友人への土産としてテイスターグラス（約160cc テイスティンググラス）を２つ（2ドル × 2）購入し、18:33退店。
その頃にはほぼ満席になっていました。

土産代を除いた会計総額は54.6ドル／二人。ご馳走様でした。
最後に、（店の存在すら知らなかったくせに）ボストンに来たらやっぱり SA に寄らないとね、と謳ってみます（笑。