古き良き西欧の伝統に裏打ちされている確かなレストラン : Sir Anthony Van Dijck

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5.0

¥10,000~¥14,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0

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2016/10訪問1回目

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¥10,000~¥14,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。

古き良き西欧の伝統に裏打ちされている確かなレストラン

日本の子供なら誰もが知っている物語の舞台になったここアントワープ。街のシンボルであるノートルダム大聖堂から徒歩数分、うっかり見落としそうな裏路地にある400年前に建てられた建物の一角にそのレストランは、ひっそりと佇んでいる。

初めてここを訪れた当時、この時日本へ帰国してから知ったのだが、ミシュランの二つ星レストランだったのだが、そなような事情も露知らず予約なしでファミレスに行く感覚で訪れたのだが、ドアを開けた瞬間に二つ星レストランの格というものであろうか、若い私の無知さもあい交わってとんでもない所へ来てしまったという思いが頭をよぎった。レセプションの方も私を見るなり少し驚いた様子であったが、席が空いていたので通してもらった。メニューを渡され見たところ、全部フランス語。もう頭が真っ白になってしまった。その時にメートルの方が英語で優しく話しかけてきて、先ずは何がお好きですかという質問から始まりメートルと片言の英語でやり取りした後に私のメニューが決まった。フォアグラの前菜、牛フィレ肉のステーキ、デセール、コーヒーと続いた。最初はとんでもない所に来てしまったと思ったのだが食事が進むにつれその不安がほぐれ、コーヒーを飲んでいる時には不思議と美味しかった、楽しかったという思いと充実した満足感でいっぱいだった。お店を出る際、シェフの見送りがあり片言の英語で二言三言話した後、近くのバーでベルギービール一杯を飲みに行きませんかと赤いビールを飲みに連れて行ってもらった。この後、翌日のディナーでもお邪魔させてもらい、シェフの偉大さと優しさに完全に魅了された。

それから時は流れ90年代後半にはミシュランの星を返上した事を知ったが、私のこのレストランに対する想いと敬意は変わらなかった。それどころか、欧州へ行く度にどんなことがってもここアントワープを訪れい、このレストランに必ず足を運んだ。

そして今回も夜と翌日の昼に数年ぶりに訪れた。レストランのドアを開けると、以前と全く変わりがない良き伝統と歴史を感じさせる雰囲気が漂う。初日の夜は、メートルの方に迎えられた。お店の中は平日にもかかわらず8割方埋まり中には日本人のグループも見受けられ、時間が経つとほぼ満席状態になった。席に着くなり案内して頂いたメートルの方に先ずシェフに会いたいとお願いしたところ、シェフは今ミーティングでお店を出ていてしばらくしたら戻ってまいりますので、その時お呼びいたしますとの事。キールロワイヤルを飲み私のテーブル担当のギャルソンヌと相談しながら今夜のメニューを選ぶ。ギャルソンヌのサゼッションを聞いているとあれもこれもと目移りした。メニューにしようかアラカルトにしようかと悩んだが、しっかり食べたかったのでアラカルトにした。

前菜・・・スモークサーモン Sir Anthony Van Dijck風

お皿の中心にほうれん草のソテーの上に厚切りのものを細かく刻んだスモークサーモンが円形に整えられ、左に厚切りのスモークサーモンが2切れ、右にはタルタル風のソースとキャビアが添えられていた。まずは厚切りのスモークサーモンから。生臭さとは全く無縁でこれは完全に私好みのスモークサーモン。今までのスモークサーモンとは次元が違う。次に細かくなっているスモークサーモンとほうれん草のソテー。これもまたとても美味しく、冷めたほうれん草のソテーとスモークサーモンの相性が最高に良い。またソースを付けキャビアと一緒に食べてもさらに美味しさが増し、キャビアのアクセントがとても良くて楽しい。パンとの相性も最高に良く、これを全部食べるのにパンを2回もお変わりしたほど。ここSir Anthony Van Dijckはシーフードを使ったフレンチにも定評があると聞いていたが、それは今日でも衰えがないどころか未だに進化していると思えた。

前菜を食べ終えたところでメートルの方がやって来て、シェフが戻られたのでお会いになりますかとの事。返事は、勿論YES。そしてその案内の途中、メートルが私に話しかけてきた。98年にいらっしゃいましたよね?と、サッカーW杯フランス大会の日本戦を見に来た際の98年に訪れた際の私の服装まで覚えていてくれていた。いやー、すごい記憶力。私はこのメートルの方に接客された事をすっかり忘れていた。今回はキッチンの中まで案内され、そこにお会いしたかったシェフが立っていて、私の顔を見るなり笑顔で私の名前で呼びかけていた。私もシェフに会えて非常に嬉しかった。と、同時に欧州で一番好きな街ここアントワープには、確かに私の足跡が確実にある事を自覚できた。

メイン・・・鹿のロースト

柔らかい、とにかく柔らかくて食べ易いように仕上がっている。肉の臭みも全く感じられない。このソースは何かと尋ねることを失念してしまった。赤ワインをメインにしているのは分かったが、すごくまろやかでワインの酸味がほとんどなく、鹿肉にも凄くマッチしていた。また付け合わせのジャガイモはクロケット風に揚げられ、これもまた良いアクセントになっていた。さらにこの時グラスで赤のワインを頂いたのだが、このお皿にぴったりマッチ。お酒の味があまり分かっていない私でもこれがマリアージュというものかと思えた程とても相性の良いワインだった。肉や付け合わせを全部頂いた後に残ったソースはパンに付けて頂いた。気が付けば、このお皿を完食するためにパンを2回もお代わりしてしまった。

デセール・・・ヴァニラアイス チョコレートソース添え

これは、ギャルソンヌの強いサゼッションでオーダー。説明によるとベルギーで一番美味しいチョコレートをソースに使っているとの事でとてもわくわくしていた。まずは、ヴァニラだけ食べても品の良いヴァニラアイスの味が広がる。次にいよいよチョコレートソースをかけてみる。うわー、凄い!1+1が5にも6にもなったような高揚感が沸いてくる。スィーツ好きの私には堪らないデセールになった。これなら、きっとチョコレートパフェにすればすごいことになるなと思った。ヴァニラアイスを食べ終えてもソースはかなり残っていたので、ギャルソンヌに頼んでパンを一切れだけ頂きこのチョコレートソースをかけて食べてみた。予想通り、今まで食べて一番美味しいチョコレートパンになった事は言うまでもない。

〆にダブル・エスプレッソを飲み、メートルがもう一杯如何ですかと勧めてきたので計二杯頂き、翌日のランチの予約を入れてタクシーを呼んでホテルに帰った。

翌日のランチもメインを鴨にしてあとは同じ物ものをオーダー。ランチタイムはメートルの方はおらず、女性のマネージャーさんが接客をされていた。ランチを終え退店する際、その女性マネージャーとお話をする事ができた。この女性マネージャーは実はシェフのお嬢さんであり、メートルはそのお嬢さんのご主人さんで接客やマネージメントの仕事の他、調理もできるシェフだった事を知って驚いた。またここアントワープへ来る直前にベルギー国王夫妻が日本を訪れその話で盛り上がり、楽しいレストランのひと時を過ごした。今度来たときは、メートルのスペシャリティでも食べたいなと思っていた。


盛り付けは全体的に見た目の派手さはかなり控えめだが、以前と全く変わりのない味の実力だけは確かにある。お店の雰囲気もミシュランの星を返上してから若干カジュアルになった気もするが、レストランとしての私の評価は初めてここを訪れてきた時以来、全く変わりがない。


美味しいフレンチならパリでという方が多いけれど、もしベルギーを訪れてもフレンチが食べたいという方であれば、ここアントワープのレストランSir Anthony Van Dijckを強く勧めたい。

蛇 足・・・ここアントワープへは是非鉄道でお越しを。アントワープ・セントラル駅に降り立ったた瞬間、そこはもう世界遺産の内部なんですよ!

  • Sir Anthony Van Dijck -
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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
Sir Anthony Van Dijck
ジャンル フレンチ、ヨーロッパ料理
予約・
お問い合わせ

(+32) 32316170

予約可否

予約可

住所

ベルギーOude Koornmarkt 16, Antwerpen 2000

営業時間
  • ■営業時間
    12:00~13:30(L.O.) 18:00~23:00(L.O.21:30)

    ■定休日
    日曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
支払い方法

カード可

(VISA、Master)

席・設備

禁煙・喫煙 全席禁煙
駐車場

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、オープンテラスあり

メニュー

ドリンク

ワインあり、ワインにこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

サービス

ソムリエがいる

ホームページ

http://www.siranthonyvandijck.be/

初投稿者

やまゆきやまゆき(34)

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