杭州：西湖そばの人気レストランでお安く郷土料理 : 知味観 味荘

日本であらかじめ調べていたら、
「地球の歩き方」で一番上に紹介されていた。
http://www.arukikata.co.jp/city/HGH/gourmet_1.html

宿泊してるホテルのコンシェルジェに尋ねたら、
杭州郷土料理を楽しむなら
と教えてくれたのもやはりここだった。

夕方、タクシーを呼んでもらって
一人で向かう。

店の予約はできないが、
行けばたぶんすぐ座れると思うと言われる。

さっきのコンシェルジェが運転手に
中国語で行先を伝える
（タクシーは英語・日本語は通じない、クレジットカードも使えない）。

30分ほどで着くのだが、
途中の交通量はすごく、
クラクションの鳴らしあい、
みんなかっ飛ばすのでシートベルトは必須である。

不思議なのは20分ほど走ったところで、
若い女性が前の助手席にいきなり乗ってきたこと、
なんだぁと思っていたら、車が停まり、
運転手がここだと指差す。

28元（500円くらい）払って車を降り、
薄暗い駐車場を進むと左手奥に2階建てのレストラン。
外に「味荘」の看板があった。

中に入るとスタッフはたくさんいるのだが
誰も私に見向きもしない。

レジらしき前で
1人だと指を一本立てると
案の定中国語で話しかけられる
（私の顔は上海顔らしく中国では中国語で話しかけられるケースが多い）。

俺は日本人だ、
中国人じゃないと言うが首を傾げられるだけ。

箸で食べる仕草と指一本でようやく通じる。
入ってすぐの4人テーブルに案内される。

漢字が一杯書かれた紙と鉛筆、
シュリンクパックされた皿・レンゲ・コップと
消毒済と書かれた白ビニールに入った箸が置いて行かれる。

通りかかるスタッフに
英語メニューか日本語メニューがあるか？
と聞くがそれ自体通じない。

ようやく片言の英語ができるウェイトレスがやってきて
その旨伝えると写真入りメニュー本を持って来てくれた。
が、それも中国語のみなので写真と漢字から類推するしかない。

かなりの時間を費やして、
注文票に「葱油花蛤」19元（350円くらい）、
「香干肉絲」19元（350円くらい）、
「宋嫂魚羹」18元（320円くらい）
にチェックを入れる。

テーブル番号と人数も入れ、
ウェイトレスにビールはどれっ？
と聞くが通じないので
身振り手振りをしたらようやく通じる。

で、「哈啤純生」10元（180円くらい）
にチェックし注文票を渡す。

私の中では
ハマグリ炒め、
干し豆腐と豚肉の細切り炒め、
魚のスープ
を頼んだつもり。

すると坊主頭の若いウェイターがやってきて
注文票の「哈啤純生」を指差して
何か喋るが全く分からない。
あきらめて彼は戻る。

しばらくして
彼が瓶を持って戻ってきた。
また喋るが何を言ってるかはわからないが、
彼の熱意が通じる。

「哈啤純生」は切れてるんで
こっちのビールでいいか？と言うことだとわかった。
笑顔で私は頷くとそのビール瓶を置いて行った。

まもなく「香干肉絲」が届く。
届くたびに注文票控にボールペンで横線を入れるので
どれが来たかわかる。
これはピンポン！
干し豆腐と豚肉と黄ニラの細切り炒めである。

これがあっさり塩味で実に美味しかった。
豆腐は塩抜きしてあり、
黄ニラ、豚肉とさらっと炒められている。

ビールはシンハー、青島ビール系のあっさり味。
「葱油花蛤」と「宋嫂魚羹」が一緒に届く。

「葱油花蛤」は予想に反し、
モツ系の肉に包丁で切り込みが入れられ、
醤油色のスープ、唐辛子が散らされている。

「宋嫂魚羹」はパッと見、フカヒレ風スープ、
まぁ当たっているか。

モツはどうやらハツである。
これが実に柔らかく癖もなくさっぱりしている。
ネギと生姜がのせられているのもいい。
醤油色のスープは黒酢、強くはない。
唐辛子も散らされてるが辛くはない。
見た目より非常にさっぱりあっさりした味付け。

魚スープはフカヒレのようなものは
春雨だろうか、エノキや魚の白身が入っている。
後からピリ辛の味がやってくる仕立て。

おじさんにご馳走様と指でバッテンを作り、
クレジットカードを見せるとテーブルにカード決済機を持ってくる。
暗証番号を入れるがエラーになる。
別のカードを出せ、と言うので出すがそっちもエラー。

おじさんがレジに戻ってスタッフと話をすると
私が呼ばれる。
レジでもう一度カード決済をトライするとうまくいった。
お代は104元（1,900円くらい）であった。

そのおじさんにタクシーを捕まえたいと
ホテルから持ってきたタクシーカードを見せる。

そしたらおじさん、私を店の外まで連れて行き、
あそこだと指を指す。

その先は道路、自分で拾えということ。
トライするが捕まらない。
一旦店に戻り2階のトイレに行き、
女性スタッフにタクシーをつかまえたいというと、やはり道で捕まえろ。

また戻るが全然つかまらない。
駐車場のおじさんに
このホテルまで行きたいがタクシーがつかまらないというと、
OK俺が連れてってやる、
100元（1,800円）出せ、という。

正規の3.5倍！　
おいおいボッてるじゃないかと
自分でタクシーを捕まえることにする。
真剣度合いが増したか、
客を乗せたタクシーも停まってくれ
ホテルのタクシーカードを見せると方向が違うと首を振る。

ここでようやく行きの若い女性の謎が解けた。
ここではタクシーがつかまらないので
相乗りが常習化しているのである。
後日確認したが、
それぞれからあるべき料金を取るので運ちゃんはいい儲け。

タクシーを捕まえようとして20分、
ようやく空車が捕まった。
ホッとして後部座席に乗り込む。

すぐには車を出さない。
身振り手振りで50元（900円くらい）なら行ってやるという。
これ以上は捕まえる気力も交渉する気力もなく、頷いた。

ほんとなんとか無事ホテルに着いて、
レストラン思ったよりちょっと高かったなとレシートを見返すと
「葱油花蛤」19元（350円くらい）ではなく「葱油腰花」48元（860円くらい）に、
ビールは少し高い「千島湖原生」18元（320円くらい）、
そして消毒代「消毒餐具」1元（20円くらい）で104元（1,900円くらい）。

まぁそれでも安いからまぁいいか。
美味しかったが
何かといい経験をさせてもらった。