デンマーク　ボーンホルム島の恵みを : KADEAU Copenhagen

久々のデンマークです。

今回は、北欧の2つ星、3つ星レストランを巡る

旅。　計画を始めたときから、ワクワクが止まりま

せん。

まず、第一店目。

コペンハーゲンの路地に佇む２つ星レストラン。

実は、ルーツは、バルト海にあるボーンホルム島です。

今でも、夏は、島のレストランも営業します。

島で夏場に収穫された野菜や魚介類を、

燻製や酢漬けにしたボトルが、

入り口付近に、ずらりと並べられています。

そして、その横で、

「うちのレストランのストーリーをご存知ですか？」

といって、成り立ちについて説明があります。

その後、オープンキッチンを通り、

テーブルに。

オーナーの一人である、rasmus kofoedさんが、

とても人懐っこく、ボーンホルム島のこと、

そこでの生活のこと、日本の素材のこと、など、

熱く語ってくれました。

ボーンホルム島への愛を感じますし、

素晴らしいホスピタリティです。

現在、キッチンには23名が働き、

うち1名が日本人。　


コースは、3300クローネ。

（22円換算で、72600円ほど）

この日は、ノンアルペアリング

1200クローネ、もお願いしました。


この日、最も印象に残ったお料理は、

ラベンダーでスモークされたサーモン。

こう書くと、なんだかフツーですが、

その身質の得も言われぬふっくらとした

仕上がりはこれまで体験したことがありません。


では、コースの内容です。

＊はペアリング

１，ドライトマト

　　「サラダです」といって登場しましたが、
　　どう見ても、想像するサラダの見た目では
　　ないです。
　　ドライトマトの中には、ラングスティーヌが
　　射こまれ、マリネされたグースベリー、
　　カリン、
　　エルダーフラワーと。

　　＊ケシと洋梨のドリンク

２，貝と烏賊

　　クラッシュした氷を敷き詰めた器に、
　　3品が。
　　・帆立貝　（queen scallop)
カシスのジュレと
　　・トリ貝とヘーゼルナッツ
　　　とっても小さなトリ貝ですが、
　　　味は濃厚。
　　・マホガニークラムと洋梨
　　　ミツバチの花粉
　　　スノーグラスオイルで。

　　さらに、磨かれた石の上に、
　　烏賊が。
　　デンマーク産で、わずかに火入れされていま
　　す。

　　＊北海道産昆布を24時間浸潤させたものと
　　　アンゼリカのドリンク

３，牡蠣とキャベツ
　
　　キャベツで包んだ牡蠣に、
　　牡蠣の出汁とバターミルクソース

　　このバターミルクソースが、
　　あまりにも優しく、包み込まれます。

　　＊ケシと洋梨のドリンク
　　　かなりケシがよく出ました。

４，自家製ハム

　　これも、石にのって登場。

　　塩漬けにして洗った桜葉に、
　　ボーンホルム島の自家製鶏肉のハム、
　　生の海老、無花果、
　　チーズ、ベリー類、コリアンダーの
　　ペーストを。
　　手でとって、かじります。
　　桜の香りが鼻腔をくずぐります。
桜餅の餡なしを食べている気分。
　　ちなみに、コペンハーゲンも、
　　桜が満開でした。

　　＊カリンをコールドで抽出したジュースに、
　　　グースベリージュースを。
　　　タンニンがなく、滑らか。

５，生エビ
　　
　　ストロベリートマトのドライ、
　　カリン、
　　Ｗクリームとオイルで。

　　エビの甘さがとても印象的。

６，薪焼のリークとキャビア
　　スモークサーモン

　　薪焼したリークを円形に並べ、
　　中心にはオシェトラキャビアを。
　　バターミルクソースで。

　　ボードに、艶々に光るサーモンが。
　　ノルウェー産で、島の燻製室で、
　　コールドスモークされたもの。
　　皮目と表面の間に、フォークを入れ、
　　中身をほぐし取ってくれます。
　　そのふんわりとした身質。
　　未体験ゾーンです。
　　サーモンの身を盛りつけ、
　　その上に、オニオンとピクルスの花を。
　　バターソースで。

　　別皿に、サーモンの表面、
　　発酵胡瓜、ホワイトアスパラガスのピクルス。
　　このピクルスが、とてもぬか漬け的。

　　＊蜜蜂の花粉とアップルジュース
　　　スゴイ量の花粉が入っていました。
　　　なんだか、とても元気になりそう。

７，ホースマッセル　ワッフル
　　根菜

　　日本語ですと、蝦夷雲雀貝という
　　ムール貝です。
　　南瓜とその種のピクルス、クリーム
　　蜜蜂の花粉で和えたもの。
　　酸味が効いています。
　　ワッフルと。
　
　　根菜は、
　　人参、生ビーツ、キャンディビーツ
　　それぞれ、セミドライして、薪焼きし、
　　ボーンホルムのブロンズフェンネル、
　　スポットパイン、蜜蜂の花粉、
　　海老烏賊の出汁、イースト、バターミルクで
　　調理したもの。
　　見た目、ナムルに見えます。
　　根菜の甘みが湧き出ます。
　　
　　＊ローストして発酵させた大麦
　　　ミラベルジュース、
　　　米麹のドリンク

９，マイタケ　パイ
　　デンマーク産の豚肉

　　麦の穂先をたくさん刺して、
　　マイタケ　パイが登場。
　　パイごと手に取ると、
　　下には、なんとナプキンが
　　セットされている、という
　　細かい気配り。

　　別皿に、
　　デンマーク産豚肉の背ロースの薪焼。
　　3週間ドライエイジングしてあり、
　　弾力がスゴイです。
　　ピンクのいい焼き色。

　　ガルニは、ラムソンという行者ニンニクのような
　　野菜と、チキンガルムで調理したもの。
　　カリンの蜂蜜漬けとフレッシュレモングラス
　　ブラックウォルナッツ
　　ソースは、豚の出汁とブラウンバター

　　＊スローベリー、ブラックベリー、
　　　ローワンシルク（オレンジベリー）、
　　　ティー

10、フルーツの盛り合わせ
　
　　　といわれると、フツーですが、
　　　もちろんこれもフツーではありません。

　　　ボーンホルム島の野草や野生果実を
　　　発酵させたり、ジュースにしたり、
　　　缶詰にしたもの。
　　　発酵させたグースベリージュース、
　　　ブラックカラントオイルで。

　　　これらの酸味で、最後の豚料理の脂を
　　　しめる、という意味あい。

　　　＊プラムとローズヒップ

11、ブルーベリージュースで煮込んだ昆布
　　豚の脂を溶かしたファッジ
　　ピクルス　4種
　　・スプラスウッド
　　・パインコーン
　　・スコットパイン
　　に、生クリーム

　　甘酸っぱいお味です。

　　ここで、期待していた松ぼっくりが
　　ようやく、登場。
　　想像していたのとは、まったく違い、
　　柔らかい新芽のような部位のピクルスです。

12、くるみのタルト

　　　タルト生地にも、くるみが使用されて
　　　います。
　　　くるみのフィリング
　　　フレッシュなくるみのスライス
　　　クリームチーズで、
　　　砂糖不使用。


ボーンホルムの豊かさを知るコースでした。

酸の使い方がとてもテクニカルかつ

優しく、個性が際立ちます。

今度は、ボーンホルムに伺ってみたいものです。