オロットという田舎の荘厳な館でいただく大地の息吹 : Les Cols

この日は、ジローナに宿泊でした。

この夜のレストランをどこにするか、バルセロナ在住の知り合いに尋ねたところ、こちらを紹介され、日本にいる間に、ネットで予約していました。

女性シェフで、２つ星です。

ジローナから車で１時間ほど西に行ったオロートという片田舎にあります。

車のナビが住所を読み込みきれず、高速を降りてから迷ってしまいました。　夜９時。田舎ゆえ、歩いている人もいず。　困っていると、スーパーがまさに

お店を閉めようとしていました。　すかさず、飛び込んで、「もう閉店だから」とか言っているお店の人に、「いえいえ、そうではなく、このお店、

知りませんか？」　と。　相手はスペイン語、私は英語。　でも、なんとかなるものです。　ここをまっすぐ行けばあるから、と言って、目印らしきものも

教えてくれました。　高速を降りてすぐだったのですが、路地の中にあります。　看板があったので、なんとかたどり着けました。

レストランは、大農園主の館のような荘厳な一軒家。　

エントランスを入ると、「ようこそ」と言って、まずは、ツアーが始まりました。　ワインセラー、個室を見せてもらってから、ゴールドの壁とゴールドの

長～～いテーブルのある部屋を通り抜けて、テラスへ。　テラスの外は、広大な庭。　庭の奥に行くと、この館の全貌がわかります。　そして、敷地の中に

は、別棟もあり、結婚式のパーティが開催されていました。

テラス席で食前酒でもいかがですか？　と言われましたが、なにせもう９時をまわった時刻。　早速食事を始めたいと告げ、先ほどの金色の食卓に。

３０名くらいが座れる長い長いテーブルに、各カップルが向き合って着席。　隣りとは、２，３席離してくれているので、違和感はありません。

コースは、「garden & henhouse」と、「summer&nature」の２つ。　いずれも、２０皿ほどあり、どちらも、８５ユーロ。

この２０皿が、かなりゆっくりなペースででてくるので、食べ終わったころには、夜中の１時半になっていました。　苦笑

近くの農場で採れた野菜、豆などを中心に構成され、伝統的な料理をベースにしてあったり、手をかけすぎず、しかし、こだわりのある料理でした。

着席すると、「BUCKWHEAT」と書かれたシートが置かれています。　このエリアは、ガローチャ郡と言われるところで、そば粉の産地。　郷土料理が

そば粉粥なのだそうで、そういった説明が書かれています。　テーブルの傍らには、大きなそば粉のシートが。　カヴァのお供です。　

さて、コースの内容。　今回は、「summer&nature」にしました。

cava nature les cols mont-ferrant カヴァは、コースについています。

home-made sausage from Olot オロート村のソーセージ

buckwheat crust そば粉のクリスピーなシート。　ポリポリ割りながらいただきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「大地、水、穀物　　　食物の必須」、と書き添えられていて、思い入れの深さが伺えます。

flower canape 花のカナッペ

buckwheat blin　　　　　　　　　　　　　　　　　　そば粉のブリニ

spaghetti, smoked broth とろみのあるスープに、そば粉とセロリで作ったスパゲティが。

green beans in a charcoal tempura 油紙のような大きな紙に包まれていて、開けると真っ黒な物体が。　炭でコートした緑の豆の天ぷら

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　です。　ロメスコという、ナッツと赤パプリカのソースで。

white beans from Santa Pau　　　　　　　　　　　　サンタ・パウ産の白い豆。　大豆の煮ものといった感じ。

an autumn prelude 「秋の前奏曲」というネーミング。ロマンティックです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　野生きのこのロワイヤルでした。　生と調理したもの。

fresh egg 採りたての新鮮卵。　マヨネーズと鮪と。　　from henhouse と書かれています。

stewed potato じゃが芋なのですが、お肉のような味付けと食感に。　ユーカリのオイルとガーリックで。

burnt white aubergine 焼いた白なすです。　蜂蜜とカカオで。

rice with squid お米とイカ。　軽いアリオリで。　　

salt cod and brandade 塩ダラのブランダード。　山に田舎では、塩漬けした魚料理がいつも供されます、と書いてありま
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　す。　　ピルピル、野生きのこ、レーズン、唐辛子オイル、ベーコン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピルピルは、たっぷりのオリーブオイルとにんにくでゆっくり素材を煮込む料理です。

platillo プラティージョは、お皿というような意味らしいですが、伝統料理が供されました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鴨、ポークリブ、ベーコン、肉団子、野生きのこを煮込んだもの。　

catalan cheese カタランチーズ３種。自家製ジャム添え。　昔のガローチャを思いだして。

wild mushroom ここで、また野生きのこ。　orgeat といわれるアーモンドシロップ、ヘーゼルナッツ添え

frozen cottage cheese 羊のミルクのフローズンカッテージチーズです。　　バジル添え

volcanic landscape 直訳すると、火山的景観。　イナゴマメ、ラタフィア（スイートワイン？）、そば粉で

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作ったお菓子。　真っ黒で溶岩のような感じ。

buckwheat and corn biscuits そば粉とコーンのビスケット

コーヒーとともに。

ワインは、赤ワインをグラスで。

お土産に、分厚い板チョコと、Els Hostalets d'en Bas のバゲットが用意されました。

食べ終わって夜中の１時過ぎ。　１２時を過ぎたころから、お客さん全員が、眠そうになってきました。　

私も途中でこっくり。

帰りぎわに、キッチンを見せてくれました。　もうすっかりきれいに片付いていました。　料理人は６名だそうです。　

すてきな館で、大変オリジナリティ豊かな、大地の恵みを感じさせるお料理の数々をいただきました。

注１：　サービスの方で、英語が堪能の方が少なかったため、詳しく説明を聞けなかったものもあります。

注２：　店内の照明が暗めなため、写真のピントがむずかしく、ピンボケご容赦ください。