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「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら
| 店名 |
Los Caracoles
|
|---|---|
| ジャンル | スペイン料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
(+34) 933012041 |
| 予約可否 | |
| 住所 |
スペインc/.Escudelleres, 14 | Barcelona |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算(口コミ集計) |
|
| 支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) |
| 駐車場 |
無 |
|---|---|
| 空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い |
| 利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
|---|---|
| ロケーション | 一軒家レストラン |
| ホームページ | |
| オープン日 |
1835年 |
| 初投稿者 | |
| 最近の編集者 |
|
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25年前、空港に降り立つ私を迎えたのは、バルセロナの抜けるような青空と鮮烈な陽光が作る
陰影のコントラスト。
何処までも深い青空は、私を不安にさせる程の蒼さだった。
まさに蒼穹と云うに相応しい。
初めてのスペイン・バルセロナ。
ガウディや旧市街の佇まいは、天才の狂気と歴史の重みを感じさせる。
そのイメージにツーリストの私は圧倒された。
蒼い空と鮮烈な陽光は、モデルニスモ様式の建物と路地に深い陰影を生み落とす。
ある路地を歩いていた時、私の目前で老人が車に跳ねられてしまった。
強い日差しと影の狭間に蹲る、額に血を流した老人。
救急車で運ばれるまで付添った私は、漠然とした昏い感情に包まれる。
その時「スペインの光と影」と云う言葉を感覚的に理解した。
旧市街の路上で暫し茫然とした私は、旅行者を値踏みする掏摸やジプシー達の視線を避ける様に
手近の店に飛び込んだ。
「落ち着かなくては…」
初めて訪れる文化圏、そのメタファーの奔流に私は飲み込まれてしまったようだ。
流れに逆らっては、いけない。
現地の日常に溶け込むように身を任せよう。
店の名前は『Los Caracoles』
歴史を感じさせる佇まい。
吹き抜けを中心に客席が入り組む複雑な店内。
案内された席は、吹き抜けからオープンキッチンが見下ろせる。
当時は、石炭を使った古めかしい大きなオーブンコンロ台にコックが群がり、忙しく調理をしていた。
その喧騒が、店内に活気を与えている。
どうやら、面白い店に私は飛び込んだようだ。
後に知った事だが、世界的に有名な店との事。
観光客だけでは無く、地元の人達にも愛されているようだ。
カウンターで珈琲とパンの軽食を手早く済ませる女性や勤め人、ワインとタパスで日常をやり過ごす初老の男達、
様々な人々で賑わっている。
この後にシエスタを控える人々の昼食は、1日の内でメインの食事となるらしい。
日本のランチ感覚とは、全く異なる食事のようだ。
私も件の例えに倣う事にした。
● CAVA
カヴァは、この時に初めて呑んだ。
銘柄は記憶にないが、昏い感覚を振り払うように呑んだ覚えがある。
シャンパーニュやスプマンテと異なるライトボディの爽やかさが、バルセロナの乾燥した空気で渇いた喉に心地良い。
● Jamón ibérico de bellota
今でこそ、日本で簡単に手に入るハモンだが、当時は輸入禁止だった。
現在、日本に輸入されているのは、柔らかなハモンセラーノが主流。
この時に食べたハモン・イベリコ・デ・ベジョータは、赤身が多くて味が深い。
中でもパレータと呼ばれる前脚の部分は、より脂肪が少ない硬目の食感で塩分も強いが、さらに味わい深い。
カヴァやワインと相性が非常に良い。
日本のバルでは、滅多にお目にかかれない。
● Sopa de pescado
海の幸のスープ。
イタリア・フランスにも同様な品が有る。
これは、シチュー的な素朴な一品。
サフラン風味の独特な味わいが癖になる。
● 1/2 pollo a last con patatas
名物料理の一つ。
店の外壁にバーベキュー炉があり、ローストチキンを焼いている。
スペインの鶏は日本のブロイラーと違い、総じて身がしまっている。
少し塩気が強いが、味わい深い。
● Crema catalana
このデザートには、衝撃を受けた。
一言で言うならば、“ 焼プリン”。
クレームブリュレと似ているが、調理法は違うらしい。
焼いたカラメルを割ると、暖かいプリンが顔を出す。
カラメルの苦味を含んだ濃い甘味と、淡白でトロリとしたプリンの味わいが素晴らしい。
後日、クレマカタラーナについて調べたら、プリンは冷やすのが一般的らしい。
この店独自の調理法なのかもしれない。
すっかり満腹になり、店を出る頃には私の緊張も緩み、次第に周囲に溶け込んでいくのが感じられる。
その後、酔いを覚ます為に海岸まで歩き、砂浜で地中海を眺めていた。
周りには、愛を語る恋人達。
ギターを弾きながら歌う老人。
大きな犬と戯れる子供達の嬌声。
ぐったりと寝てしまった酔っ払い。
まるで、フェリーニの古い映画のワンシーン。
どうやら、街はシエスタに入ったようだ。
観光の予定も有ったけど、この穏やかな時を今は楽しみたい。
私も、この蒼空の下で微睡むのも悪くない…
さあ、起きたら何処に行こうかな?
後記
バルセロナ…
この旅は私にとって忘れ得ぬ思いとなり、その後数度に渡り再訪する事となった。
その都度『Los Caracoles』にも訪れている。
バルセロナも含め、スペイン料理は塩分が強いが、この店も例外では無い。
日本的な味覚から云えば、味が濃く塩気が強い。
料理と共にCAVAやワインを愉しむ事により、かの地の料理は完結すると私は考える。
この他にもパエリア・カタツムリ・ムール貝・各種アヒージョ等の名物料理があり、独特な味わいが癖になる。
その素晴らしい佇まいと共に、また訪れたいと願っている店である。
最近、この店のHPが充実している。
店内や料理情報等、そちらも一覧される事をお薦めしたい。