スペイン最年少で３つ星に輝いたシェフ : Azurmendi

レビュー１０００本目をこちらにすることができて、幸せです。

サンセバスチャンを基点に、ヌエバ・コシーナをめぐる旅。　印象に残ったレストランのひとつがこちらでした。

サンセバスチャンから車で１時間弱。　小高い丘の中腹にある広大な敷地にあります。

小さな村を見下ろす絶好のロケーション。　真っ青に晴れ渡った初秋の空。　涼しいそよ風。　「幸せ」がここにあります。

駐車場はレストランの少し上のほうにあり、早めについたので、レストラン上部のほうにある、菜園やハウスのハーブ畑を見学させていただきました。

採りたての野菜やハーブを使用できるようになっています。

階段を下って、レストラン棟へ。　ガラス貼りのモダーンな造りです。時間きっちりにドアがオープン。

入店すると、そこは、大木が植わった広々とした天井の高いロビー。　ベンチに案内されました。　

まずは、チャコリを。

すると、ほどなく、ピクニックバスケットが運ばれてきます。　すてきな演出です。

バスケットを開けると、３点のアミューズが。

自家製アンチョビのミルフィーユ

バスクのパンの上には、雲丹とキャビア

カイピリンニャとチャコリをカカオバターでフローズンした緑の球体　（一口で）

食べ終わると、今度は、キッチンに案内されます。　　スタンドテーブルが壁際に用意されていて、今度はここでまたアミューズ。

これまた、斬新な演出。

ここで供されたのは、ハイビスカスを基調としたカクテルと、ハイドレートしたきのこの葉。　

キッチンの説明もありました。　右から順番に、前菜、魚、肉、パン、デザートなどカテゴリーごとに台が分かれています。　料理人もたくさんいました。

日本人も一人発見。

さて、いよいよ、レストラン本体に。

大きなガラス貼りの窓から、村が一望できます。　　ラッキーにも窓辺の席に。

のどかな風景です。

コースは、クラシック　１４５ユーロ、　アダラック　１７５ユーロ。　　後者にしました。

Frozen Olive and vermouth 凍らせたオリーブ（仕掛けがあります）。　オリーブの枝も、黒オリーブと砂糖でできていて食べられます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シトラス、シナモン、ベルモットのカクテルが一緒に。

Egg from our hens, cooked inside out and truffled 黄身に見えますが、中に、コンソメとトリュフが。　

Oyster, tartar and gelee 牡蠣のジュのゼリー、牡蠣、リンゴ、オニオンが添えてあります。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　皿の脇には、牡蠣殻が添えられ、その中には、アネモネの天ぷら。

Natural Spider crab, emulsion and infusion スパイダークラブという蟹です。　スープ皿には、鮮やかな赤の雲丹のソース、そして、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　皿の淵に、蟹身。　エディブルフラワーで美しく演出。

Tomato and eel トマトをいろいろな食べ方で、鰻と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　トマトとペッパーアイスクリームも別皿で。

Roasted lobster out of the shell on herb oil and chives

ハーブとチャイブのソースに、ロブスターのロースト。　上部のコルネの中もロブスターです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カンタブリック海産のロブスターだそうで、初めていただきました。

Artichokes and pesto アーティチョークとペスト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アーティチョークとペストと、イディアサバルという地元のチーズでピュレ状にしてあります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　チーズのコクとよくマッチして、美味。

Stewed wheat with farmhouse milk emulsion and ox tail

牛テールと、採りたてミルクで煮込んだ小麦のピュレ

Roasted red mullet on vine shoots, fried eggs and the broth of the bones

ひめじのロースト、ぶどうの根、フライドエッグ、皿の脇の別カップに骨のブロス

Foie gras, spring onion and cherries フォアグラなのですが、なんとフライで。　ちょっとフォアグラのまったり感がなく、これだけがちょっと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザンネンでした。

Coconut and passion ココナッツプリン

Cheese, red fruits and mint ブルーチーズケーキ、ラズベリーソルベ

Sheep milk and black olives 黒オリーブのパウダーとゼリー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ココアでできている葉のグラデーションが芸術的

Petits fours 手の彫刻にピンチョスのコーンチョコを持たせて。　ホワイトチョコ、ピンクペッパー、ヨーグルトマシュマロ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とのこと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オレンジ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　キャラメルマカロン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オレンジリキュールのチョコ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　チョコレート
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クッキー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マンゴーキャンディ

パンは、ミルクパンとホワイトブレッド

ワインは、チャコリで、Ｇ２２　ゴルカ・イザギーレ　を。　セラティア１００％です。　芳醇な香り。

コーヒー

１時から食べ始め、食べ終わったのは、４時半。

食後、シェフが挨拶に来てくださいました。　本当に若いシェフ。　エネコ・アッチャさんです。　バスク出身。

７月に日本に来ていたそうで、「次郎」やら「壬生」やら京都にも行ったとのこと。　日本にはインスパイアされたことがたくさんあるので、

エントランスの企画も今度いろいろ変えるかも、と満面の笑顔でおっしゃっていました。　

コースの企画は随所で驚かせてくれましたが、けして奇を衒わず、料理の旨さに集中していることに感心しました。

そうそう、キッチンでは、頻繁に、料理人全員による「や～～」とか「お～～」とか掛け声がかかっていました。　「noma」でもそうでしたが。

　キッチンに活気を帯びさせるため、かな？

お腹いっぱいですが、フシギとすっきりした心地よさ。　

ちなみに、こちらは、ランチ主体の営業で、夜は週２日だけだそうです。　やはり、この眺望を見ない手はないです。

若いシェフ、期待の星の今後がますます楽しみです。