シェフの天才ぶりを存分に堪能 : Astrance

今回のコペンハーゲン、パリ、リヨン食べ歩きは、ディナーはすべて決めていましたが、ランチは比較的フリーにしていました。

しかし、やはりこちらだけはどうしても行きたくなり、かなり間際で予約を入れましたが、あっさりと席を確保できました。

ホテルからタクシーで１２時よりちょっと早めに到着。　まだシェフのブリーフィング中とのことで、近くを散策しました。　初秋のおだやかな日差しが降り注ぎ、

なんとも美しいパリです。　街路樹の上に、エッフェル塔の先が覗いています。

さて、１２時。　

ドアを空け、奥から２番目の席に案内されました。　広くない店内ですが、中２Ｆもあります。

ランチは、７０、１５０、２３０ユーロの３コースです。　この日は、もちろんディナーも予約済みなので、１５０ユーロのコースにしました。

１、アミューズ　　　　　　アーモンドとグリーンアップルのプラリネ、　セップクリームのせブレッド

２、フォアグラとグリーンアップルのミルフィーユ　　　　パリマッシュルームを細く切ったものの間に、フォアグラとグリーンアップルが重ねられています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　レモンクリームとヘゼルナッツオイル、セップのパウダーがあしらわれています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　繊細そのもの。　感動です。

３、海老と季節野菜　　　　　　　　　　　　　　　　　　醤油とガーリックを入れたコンソメで、ちょっと甘めの味付け。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ジンジャーとバジルの春巻き風をそえて。

４、まとう鯛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　タマリンドとグレープのソース、　酢漬けの野菜。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メートルが、「チョンドリーです」と言って持ってきました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私が、「チョンドリーって？」と聞き返すと、　メートル　「う～～ん、　日本人のお客さんがいますので、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本語を聞いてきます。」と言って、聞きに行きました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「マトウダイ、だそうです」　とのこと。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私、「あ～～、サンピエトロね」　というと、メートル、「なんだ、フランス語でも、サンペトロです」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　爆笑。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私、ダイバーなので、かなりの魚の英語名は知っているつもりでしたが、チョンドリーは？？でした。（その後、読者の方からご連絡があり、John dory だとご指摘いただきました。ここに訂正させていただきます。　）


５、豚　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドルドーニュ産の豚を１０時間コンフィにし、パルメザンクリームとセップを添えて。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは人生で食べた豚の中で最も美味でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メートルに、「日本だと、豚には、プラチナポークとか、アグー豚とか産地の名前がつくけれど、これは？」と言う

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と、「う～～～ん、ジョージとかアキラとか？」　爆笑。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その後、ドルドーニュでどのように育てられているのか、詳しく説明してくれました。

６、鳩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これまた、人生で食べた鳩の中で、最も美味でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブラジルペッパー、茄子、味噌を添えてあります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　別皿に、レバーと足、レタスを添えて。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私　「これは格別に美味」　とメートルに伝えると、　「あ、これ、　そこのトロカデロ村で獲れたんですよ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と大真面目な顔で言います。　２秒後、ニヤリとして、今度は本当に鳩の薀蓄を話してくれました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こういうウイットがさすが、３つ星のサービス陣。　心から楽しませてくれようとしています。

７、デセール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１、ヴァニラアイスクリーム　　まわりに温かいマッシュポテト

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２、チリ、レモングラス、ジンジャーなどのスパイシーソルベ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３、ブラックベリー、無花果とメレンゲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　４、アールグレイのソルベ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５、焼き菓子

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　６、ジャスミン入りエッグノッグ


結論から言いますが、この１３日間食べ歩きで、料理の味としては、こちらがベスト１でした。

天才です。

メートルが、「キシダを知っていますか？」　というので、

「もちろん、カンテサンスには何度も行ってますよ」と答えると、

「私も、日本にはこれまで３回行きました」とのお返事。　　

サービス陣のサービスもとてもこなれていて、ユーモアのセンスも抜群。　実に快適な時間でした。

ぜひ再訪したいものです。