『パリまで来てひらまつかよ。』『三ツ星には行かないポリシーですので。』 : Restaurant Hiramatsu

滞在５日目になりました。

この辺から、地下鉄の路線もおぼろげながらだいたい見当がついてきて。何も分からない東洋人旅行者からは一歩抜け出してきたような。

そもそも、今回の旅行のコンセプトは東京のミシュランの店に何回も行くのはめんどくさいから、パリでまとめて行ってしまえというあらっぽいものです。パリに６泊しましたが、まさか毎日の６店行くのはきついので、４軒予約しての出撃です。これが★レストランの３軒目。お店は、レストランＨＩＲＡＭＡＴＳＵ。そんなにムキニなって毎度毎度ミシュランで食べたい信奉者でもないですし。

でも知らない国の田舎でレストランを予約するときに、ミシュランガイドブックって本当に役立ちますね。それがそもそもミシュランガイドのファンクションなんですが。イタリアでも香港でも非常に効率よくウマイメシにありつけたのも、ガイドのお蔭です。

ただ一点だけジブンルールがありまして、三ツ星の予約は自らはしません。高くて旨いは当然だからです。行ったことがある、という経歴ホールドにも興味がありませんし。経歴ホールダーが興味のありそうな、日本人初の二つ星レストランとか言うのもなんだか恥ずかしくて。今回の旅行の前に、当然ミシュランから４軒選ぶためによさそうな店には予約メールを出しましたが、かなりの確率で満席でした。ちょっと遅すぎたのかな。

さてひらまつ。あまりに有名です。ミシュラン取得は２００２年。日本でのビジネス大成功は周知の通りです。パリの店が１０月にオープンして、１１月にあったミシュラン審査を通ってという開店１ヶ月で★獲得は神話になってます。

博多のアンさんが気に入った天神のＡＳＯももちろんＨＩＲＡＭＡＴＳＵグループ。今回の注目は、東京のＨＩＲＡＭＡＴＳＵとどう違うの？とかも。

ミシュランのお店と言えども、地下鉄で行きます。おひとり様１．７€。食事はフルコースで。あとでお会計をしたらお酒も入って二人でおよそ４００€でした。

店は凱旋門の近く。この日は３月にしては珍しい大雪で、行くかどうか迷ったくらい。でも、アポを取ってますので行けるなら行こうと。無事に店につき、席へと案内されます。ゆったりとしたテーブルの配置。調度品。意匠。すべて高級感あふれてますね。雪のせいでしょうか。お客さんは少なくて、アメリカ人のグループ客だけがわいわい騒いでいる、静かな食事でした。

アミューズブーシュは３種類。例によって名前が分からず、何者であるかは正確には特定できませんが。魚やチキンをジュレ、ゼリー、ムースでいただきます。クジェールだけは分かりやすいんだもん。

スープはアスパラガスで、チーズクリームが合わせられています。アスパラは、初物、であるとレストランケイでは言っておりました。シーフードレストランで、アスパラの料理はありませんかと尋ねたところ、今は季節ではない、だって。ここにはあるって言うことは、☆のレストランってすごい。

オードブルは、キャビア、スカラップ、雲丹という豪華ラインナップをチキンジュレで食べるもの。直前に生クリームを合わせます。
重厚でオーソドックスな料理が続きます。

最初のメインは、手長海老のカダイフ巻き。パリンコでうまい。あまりに手長海老が太いのでお聞きしたら、白身魚と合わせているんだとか。サクサクの食感はいいし、これ今日一だったかも。フォアグラがとろんとろんで、こんなの初めて。まったく別物みたいです。うなぎはちょっと燻製してました。どうせなら蒲焼で、って無理かな。

マトウダイも脂がのっていて旨し。お供は、アスパラ、ムール貝、サフランソース。

肉は鴨肉。お供は、トリュフとアンチョビ。う～ん。レストランケイで食べた鴨肉が断然おいしかった。この鴨肉は従来の鴨肉の旨さ。さらに食感と味に進化を持たせたケイがすごい、と。

これ以降はデザート。

デザートだけでもおなか一杯になる感じでいっぱい出てきます。

メレンゲの中には洋梨コンポート入りクリーム。アイスとキャラメルソース。圧巻は、トリュフチョコ、マカロン、カヌレのそろい踏み。

料理は東京のスタイルと同じで重厚な感じ。手長海老やまとうだいはさすがのうまさでした。

やはりフランスの伝統料理に慣れている人にとっては至極新鮮な料理なのかなって思いました。

今回訪問したレストランでは、断然雰囲気がいいですね。さわやかな高級感があります。毎日は食べれませんが、がっつりディナー、というときには候補店でしょう。

実はこの日も飛び込みでいろんな店に行ってるんですが。２０１３年には海外版がありませんでしたので、住所や店名を現地でしっかり記録することもしませんから、残念ながらそういうローカルの店の紹介が出来ません。

何が言いたいのかって言いますと、日本で後付で分かるような店ばかりにいってるんじゃないよ、って言うことです。６泊で食べ歩きの旅行をしてきて、こういう店しか紹介できないのは誠に残念です。旅行はもっと立体的な楽しさがあったんですよ。