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フランケン・スタイル
1645時、中央駅前ちかくの宿にチェックイン。
荷物を解き、持ってきたものを適切と思われる場所に配備し、13時間飛行機で放っておいて、午後の影どころか「素浪人参る」みたいになってしまった髭をあたり、1730時、ロビー集合。
時差ぼけ解消のためにもサンダウナーの晩酌は、通常通りやっておいた方が良いでしょう、という合理なんだか、単に飲みたいだけなのかわからない小理屈をひねり出し、とはいえ初日だから、宿の近くが無難であろうと訪問。
典型的ドイツ食べ飲み屋。
Restaurantほどの格というか重みはなく、GaststätteとかWirtscraftとかのカテゴリで括られる、気安い店。
同じドイツ語圏でも墺太利とかにいくとLokalという風に呼ばれるかもしれず、日本語だと居酒屋、或いはもっとパーソナルな感じで「縄のれん」という事になるかもしれない。
つまりがわたくし共天狗物産諜報室海外破壊工作班(仮のメンバーには、最も居心地がいいところ。
店のなかにこんぬつわ、と入っていくと、無表情な店主と思しき老紳士と女将さんらしい女性の二人だけでそこそこ席数のある店を回している。
見えない厨房に一人か二人、バーカウンタに酒を専門に作る係はおらず、店主ないし女将が注文を取り、自らグラスに酒を注ぎ、御菜を運び、勘定もする、という、まさに「家族経営」な店、そのもの。
こういうところで接遇がどう、料理や酒の提供の速さがどうの、というのは間違っている、とまでは申さぬものの、決して適切ではない、というか、野暮ったいマネである、というのが合理であり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©︎副島隆彦)である事、いうを待たぬ。
好きにお座り、と顎で示された食卓に向かい、椅子に腰を下ろし、人数分一挙に「どん! 」と放り出されたメニュを手に取り、脳内ドイツ語/英語変換、或いは/及び、記憶に蓄積されたドイツ居酒屋料理の知識を総動員して品書きの「解読」にこれ、努める。
(ちなみにこちら、独/日併記のヤパニーシュ・スペッシャル・メニュも用意されているが、日本語による「超訳」のお陰でイメージが湧きにくいし、何より単価が載っていないから、検討には不適切。)
Gaststätteではヘーフェ・ヴァイツェン(Hefe Weizen)に決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、ヘーフェとは酵母のことであり、これが冠されているものは「無濾過」を意味し、ヴァイツェンとヴァイスビアの違いは、後者がバイエルン州特有の呼称であり、ヘッセ州当地においては、前者の呼び方が適切であり… と、#知ってることを全部いう してると、いいねは押してくれても、実際はレビューを読んでくれてはいない、奇特な「仮面読者」な皆様には蛇足以外の何物でもないから黙っている。
そう思いながら、なんとかの一つ覚えでシュニッツェル、ヴルスト合い盛り、シュヴァインスハクセを取ると、先程まで無表情だった店主、ニヤリとして
「なんだお前ら、ドイツ料理好きなのか。ならウチのスペシャリテにポークのクックド・ショルダーもあるゼ! 」
と、英語で指導が入り、言われたからにはそれも注文してみると、脂気より肉の旨味、甘味に勝るSchweineschulter Braten im Backofen、つまり、豚の肩肉オーブン焼き、は白ビールに極めて調和し調子が上がり、瞬く間に50clのタンブラーが空になり、お代わりを所望し、何気なく付け合わせのKartoffelbrei(マッシュドポテト)にフォークを出すと、芋自体の滋養、ここに生クリームが含有されたことによるコクと香りが素晴らしく、さすが店の親父が言うことは間違いねえなと、感心しつつ、美味い美味いとさらにヘファ・ヴァイツェンのタンブラーを重ね、全てを平らげ、腹ぱんぱんになったところで勘定書きを持ってこされると、VAT、奉仕料込みで、五人で€108という値段に、なにここ、すげーサービスいーじゃん! と、普段、上げ膳据え膳、スウェーデン食わぬは侠のハジ! 的客あしらいに囲まれている向きにはわかりにくいかもしれないが、慣れるとしみじみと感じることの出来るフランケン・ホスピタリティに、大いに満足しない、事もない。
こんぬつわ。
店内。
そしてこうなる。ヘファヴァイツェン!
シュバインシュニッツェル。
ソーセージプラター。
シュバインスハクセ!
シュバイネショールター・ブラーテン・イム・バッコフェン。Schweineschulter braten im backofen豚の肩肉をオーブンの中で焼いた、つまり、ローストポーク。
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ムササビヒンソー
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| 店名 |
Baseler Eck
|
|---|---|
| ジャンル | ドイツ料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
(+49) 069252439 |
| 予約可否 | |
| 住所 |
ドイツBaseler Platz 7, 60329 Frankfurt am Main |
| 営業時間 | |
| 予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
※訪問時点の為替レート換算での金額になります。 利用金額分布を見る |
| 利用シーン |
家族・子供と | デート | 一人で入りやすい | 知人・友人と こんな時によく使われます。 |
|---|---|
| 初投稿者 |
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さて、四年ぶりのフランクフルト。
宿に荷物を解き、「いつも通り」に中央駅から程近いこちらへ。
無濾過上面発酵のヴァイツェンビア片手にニュルンベルガー・ヴルスト、そしてシュヴァイネ・ハクセと総じて茶色い御菜を身体に入れると、やあ帰ってきたねと舌が喜び、胃袋がググッと反応し、コロナの㌧ネルは長かったねと、改めて感慨深くない、事もない。
それにしても本邦通貨の競争力低下は目を覆わんばかりではある、トホホ。
尚、具体的な御菜の詳細は、別掲の写真ないし、写真のコメント欄に当たって頂きたい。