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シリーズ「座って食う」 好き嫌いは食ってから
インジェラのセット一式
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シヌモノビンボー
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| 店名 |
Ambassel
|
|---|---|
| ジャンル | アフリカ料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
(+49) 06960607260 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 |
ドイツDeutschherrnufer 29-31, 60594 Frankfurt am Main, Hessen, Deutschland |
| 営業時間 | |
| 予算(口コミ集計) |
|
| 支払い方法 |
カード可 (VISA) |
| 駐車場 |
無 |
|---|
| 利用シーン |
|
|---|---|
| ロケーション | 一軒家レストラン |
| ドレスコード | カジュアル |
| 初投稿者 |
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検索エンジンにエチオピア料理という文字を入れるや
「インジェラ まずい」
だの
「インジェラ 雑巾」
だのとひどい選択候補が並ぶ。
ああ、本邦人も異文化に対しては偏見と決めつけの罠から自由になっておらず、若いころニッポンにやってきて
「一番の苦痛はナマのイカを食わされた事だ」
とぬけぬけと語った、ダイアナ妃の前の旦那と大差ねえな、と暗然とするばかりの今日この頃である。
しかし、まずいだゾーキン味だのと言われれば言われるほど、
「ふうむ、そんなにひでーなら、これは話のタネに一丁食べに行ってみましょうか」
と、野次馬根性をめらめらと燃え上がらせるのが、極東の脳が煮えた、しかし好奇心ばかりが無駄に肥大した後期中年者たるオトウサンの基本姿勢であるのは原理原則であり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©副島隆彦)である事、言うを待たぬ。
と、いう訳でマイン川を渡り、ザクセンハウゼン地区に降り立ち、川沿いの小道に怪しく(は、なく、ごくフツーに)建っている、エチオピア菜を標榜しているレストランというかバールというかインビスのような小体で薄暗い店に飛び込み、ナニはなくともなピルスを0.5Lグラスでとり、メニューを見てもよくわからないから、とりあえずインジェラとそれで包むお菜を適切に持ってきてチョーよ、と、我ながら甚だ頼りない注文をする。
待つことしばし。
藁で編まれた大きな器にひよこ豆だのお野菜だの子羊の煮たのだのがちょいちょいと盛られて運ばれて来、同時にくだんのインジェラも一人当たり三枚から四枚くらい用意される。
インジェラを手に取ってみる。
と、ゾーキンというよりは生焼けのシンガポール・マックスウェル・ホッカセンターのロティ・プラタというか、加熱温度が低すぎ、又薄く延ばすためのトンボがないためにポッテリとしてしまった自家製ガレットみたいな生地。
味もそば粉のガレットというか、焼いたそばがき? のような調子で、決して舌や鼻腔に違和感を覚えるようなニオイもせず、ご案内の「ちょいちょいお菜」を海苔巻きよろしくくるくるとやってみると、天上の美味、佳菜とは申さぬまでも、素朴で悪くないネ、と、いった感じ。
食感や味わいはまるで異なるが、信州の「おやき」を頬張った時のような気分、といった表現が近いか。
いいじゃんいいじゃん、もちょっと食っちゃおうかな、と、同行者が口々につぶやき、じゃあお菜も残ってるからインジェラ追加!
…と、急に腹が膨れてくる。
そもそもインジェラというやつ、粉を水で溶き、発酵させてから焼き上げる、との事であるが、出来上がった後も発酵が続いているのか、食道を通り抜け、胃袋に収まると、ものすごく膨張する様子。
あ、なるほどね、これならやせた土地でもすぐ腹いっぱいになるという、生活の知恵なのかしらん? などと今度はふぅふぅ言いながら又勝手な事を言い合い、おかわりを必死に、飲み込むように片付け、勘定を済ませ席を立つ。
滞在時間は一時間もなかったか? ちょっと毛色の変わった、しかし安直で「費用対ナミナミ」に重きを置く、なんていう目的(なんてのがあるのかしら? )の会食には悪くないかもしれない。
尚、具体的なお菜の詳細は、別掲のシャシンないしシャシンのコメント欄に当たっていただきたい。