しっかりおいしい點心と普洱茶でリーズナブルに本格飲茶 : 景逸軒

尖沙咀周辺のメインエリアから少し離れたところにある大箱のレストラン。
オープンの11:00～15:00までは飲茶を中心とした営業です。

アクセスのよい大箱なので、ウェディングや宴会利用がメインの造りで、
天井が高く、明るく広々とした空間で、卓も大きくゆったりとしています。

香港で飲食に携わっている友人のアテンドで、ピーク時を過ぎたランチタイムに入店。
日本人や観光客のいない店内で、現地の作法とルールに則って飲茶をいただきました。

こちらの注文は、オーダーシートにチェックして渡す方式。
シートは蒸料理、包、ご飯もの、腸粉、野菜料理、デザートなどのカテゴリー分けされており、
それぞれ中国語に英語が併記されています。
料金は、特・大・中の3つに区分されています(一部メニューは料金表記あり)。

席に着くと、オーダーシートを渡され、その場でお茶の注文を聞かれます。
特にメニューを渡されなかったのですが、おそらくいろいろな中国茶があるようです。
ここは點心と相性がよい「普洱茶」をお願いしました。

洗杯用のボウルが用意されていたので、
ポットのお茶で、湯のみ・お椀・レンゲ・箸などをすすぎ、準備完了。
あとは運ばれてくる点心を食べ、お茶を飲み、飲茶を満喫するのみです。

セッティングされた食器の一般的な使い方は、
・お椀…料理を取って食べる取り皿的な役割。
・湯のみ…日本と同じくお茶を飲む。
・平皿…骨やカスなど置く。NGではないが基本的には取り皿にはしない。
・お箸①…取り箸（この店では鉄箸でした）
・お箸②…食事用の箸（この店ではプラ箸でした）
なんだとか。あくまで一説ですが。


景逸軒蝦餃皇・特
エビ蒸餃子。プリプリとしたエビの食感と、新鮮なエビの旨みと甘みが詰まっています。
旨みのあるスープをたっぷりと含んでいるので、そのまま何もつけずにいただきます。
とてもおいしい蒸し餃子でした。

蟹籽燒賣皇・大
ポークシュウマイに蟹の卵をトッピングしたちょっと豪華なシュウマイです。
肉感たっぷりの旨いシュウマイに、プチプチした蟹の卵がたっぷり。
口に入れると肉汁とスープがだくだくとあふれ出てきます。
醤油も用意されていましたが、これも何も付けないほうがおいしい感じでした。

醬皇蒸鳳爪・中
鶏モミジ(足)の蒸したもの。ピリ辛のオリジナルソースがなかなかいいお味です。
大きくて太い足にはゼラチン質の肉がたっぷりと付いていて、食べごたえがあります。
香港のレストランの業界情報によると、立派なモミジで人気なのは日本産なんだとか。

蔥花蝦米腸・大
干海老と玉ネギの腸粉、點心メニューの定番のひとつです。
もちもちした米粉の皮を一口大に巻いた腸粉が10個。けっこうおなかに溜まります。
甘めの醤油ベースのソースは別添えです。

家郷煎醸虎皮椒・中
英語表記は「Pan-fried Green Chillies with Egg」。
大きな万願寺唐辛子のような野菜に、魚のすり身のような、でん粉のダマのような、
モチモチした何かを詰めて、パン粉のようなものをまぶして揚げ焼きにしたようなもの。
全体的に"ようなもの"で構成されているので、味も"ピーマンの○○詰めのようなもの"のような味。
これはしっかりと醤油を付けていただきました。

蒜蓉蝦春巻・中
ニンニク入りエビ春巻。ニンニクは控えめながらほどよく効いています。
バリッとした香ばしい皮の中にはエビがたっぷり。餡もおいしいので、
何もつけずにそのままで十分旨いです。

老爺子古方馬拉糕・中
馬拉糕(マーラーカオ)は、中華風蒸しケーキ。
この店の表記的には「昔ながらの中華風蒸しケーキ」といったところでしょうか。
きめが細かく、すこしもっちりとしていて、ふんわりとした甘さが口に広がります。
ちなみに「馬拉＝マレーシア」「糕＝ケーキ」なのだそうです。

燕麥奶黄包・中
オートミール生地のカスタードまん。蒸したてはカスタードが激アツなので要注意。
カスタードのやさしい甘みと生地の風味がおいしい。

飲茶の定番普洱茶は、カビくさいとか泥くさいとか言われますが、
油分の吸収をおだやかにして、消化促進作用があるなんていう効能はさておき、
この風味が料理のあと味をリセットするし、慣れるとクセになります。
3～4人くらいまでなら、1つのポットでお湯を4・5回継ぎ足しても十分出ます。

エビ餃子やシュウマイ、モミジ、揚げ春巻などのおいしい點心を、
計8品おなか一杯食べて、200HKD(＝約2,900円)もいかないなんて、かなりリーズナブル。
飲茶のお作法も習うことができて、なかなか有意義な食事でした。

※1HKD＝約14.4円 (2017年4月)