行列必至の超人気店。香港B級グルメ「燒味」専門店 : Kam's Roast Goose

香港のB級グルメ代表のひとつ、燒味飯の専門店。『ミシュランガイド香港・マカオ』2015～2020で連続一つ星を獲得している有名なレストランです。

燒味飯とは、店先にぶら下がっているローストした豚、鶏、ガチョウなどをぶつ切りにして、ごはんの上に豪快にのせ、タレをかけて食べるというシンプルな肉メシのこと。
このお店の燒味は、あまたある燒味飯の店とは一線を画する味わいがあり、地元香港人はもちろん、観光客や外国人にも大人気。通常は行列の絶えない超人気店です。

30席ほどの店内での食事はもちろん、テイクアウトもOK。時間がない時などには便利です。

燒鵝雙拼飯 (密汁叉燒)・＄６２
Roast Goose Combo on Rice (BBQ Pork)
看板メニューである燒鵝(ローストグース)と、チャーシュー、蒸し鶏、油鷄、ローストポーク、リブ、腸詰などから好きなものを1品選べる燒味飯。
メニューにはありませんが、燒鵝は上身と下身を選んでオーダーすることも可能。英語がうまく伝わらない場合は広東語でのオーダーしなければならないので上級者向けですが…。
今回はテイクアウトだったのでパリッとした食感のものはやめて、燒鵝と叉燒の雙拼飯をオーダー。辛子と甘ダレは大めに入れてもらいました。

燒鵝は、下身で注文。しっとりと肉厚で旨みが濃く、かみしめるほどに肉汁がにじみ出てきます。
皮にも旨みがあり、皮下の脂も甘味があっておいしい。クセはないけれども上品すぎない食べ応えのある燒鵝。さすが看板メニュー。

蜜汁叉燒は、釜焼きならではの香ばしさのある一品。ほどよく締りのあるバラチャーシューは旨みが強く、麦芽糖を使ったほんのりと甘いタレが絶妙。つややかな照りが食欲をそそります。

ごはんは香米飯。日本のお米と異なり水分控えめでつぶ感が楽しめます。ローストのタレとも相性抜群。量は一般的なお店と比べるとやや少なめ(＝日本人にはちょうどよい量)。シンプルに茹でただけの芥藍がいい箸休めです。


テイクアウトなのでお店の本領発揮とは言えませんが、それでもやっぱりおいしい甘牌燒鵝の燒味。燒味を食べ慣れていて味にもうるさい香港人がわざわざ並ぶだけのことはあります。

※18時以降はサービス料別途10％

≪MICHELIN Guide’s Point Of View≫
The Kam family name is synonymous with their famous roast goose restaurant. This little place is owned by the third generation of the family and he wisely hired his father’s former chef to ensure the goose is as crisp and succulent as ever. There’s also suckling pig, goose neck and head, and goose blood pudding available. With only 30 seats, don’t be surprised to see a queue.

香港庶民の味「燒味」の専門店。70年以上続く老舗広東料理「鏞記」の三代目・甘崇轅氏が2014年にオープンし、開業後わずか4ヵ月で『ミシュランガイド香港・マカオ』の一つ星を獲得。以降2015～2020で6年連続一つ星を獲得し続けている有名なレストランです。

燒味飯とは、ローストした豚、鶏、グース(ガチョウ)などをぶつ切りにして、ごはんの上に豪快にのせ、タレをかけて食べるというシンプルな肉メシのこと。
このお店の燒味は、あまたある燒味飯の店とは一線を画する本格的な味わいがあり、地元香港人はもちろん、観光客や外国人にも大人気。通常は行列の絶えない超人気店です。

店先には見るからにおいしそうな、燒鵝(ローストグース)、蜜汁叉燒(釜焼きチャーシュー)、燒腩(ローストポーク)、切鷄(蒸し鶏)、油鷄(油をかけて焼き上げた鶏)が吊るしてあり、目移りしてしまいます。

シンプルでモダンな雰囲気の店内は、ゆったりとした配置のテーブルで30席ほど。照明や書もおしゃれで、価格以上の雰囲気があります。

看板メニューはもちろんローストグース。広東省東莞市虎門の「黒棕鵝」と呼ばれる5kg前後のガチョウを厳選。そのくらいのサイズのグースはたっぷりと脂肪を蓄えていて、じっくり焼き上げることでよい香りを放つのだとか。
メニューは、燒味飯、焼味粉麵、臘味飯、前菜・小皿料理など。ランチにはお得なセット、外賣(テイクアウト)もあります。

訪問時はピークタイムを外した上にCOVID-19による影響下でもあり、いつもは行列の絶えないお店にもかかわらずお客さんはゼロ。おかげでサービスもよく、時間外にもかかわらずランチ利用OKという好待遇でした。


甘牌燒鵝拼燒味飯・＄７４
看板メニューである燒鵝と、叉燒、切鷄、油鷄、燒腩、燒排骨、紅腸、燻蹄から1品選べる二点盛りの燒味飯。※燒鵝と鷄はオプションで上身と下身を選んでオーダーすることも可能です。
これに前菜(4品から選択)とドリンクがセットになったお得なメニューです。
燒味はスタッフさんのおすすめに従って燒腩でお願いしました。

燒鵝は、つやつやとして香ばしい皮、甘味があっておいしい皮下の脂、ふっくらとしていて肉汁があふれる食べ応えのある燒鵝。さすが看板メニュー。
そのままで十分においしいのですが、アクセントで自家製特製梅ソースにつけてみるのもおすすめ。燒鵝の脂をさっぱりまろやかにしてくれます。

燒腩は、皮つき豚バラ肉のローストポーク。3回に分けてじっくりとローストされ、皮をカリッとクリスピーに。しっとりとした赤身、とろりとした脂身それぞれの旨みが三位一体になって口いっぱいに広がります。脂っこさも臭みもないハイレベルな一品。
自家製マスタードソースの酸味のある辛さもよく合います。

ごはんは香米飯。日本のお米と異なり、水分控えめでお米のつぶ感が楽しめます。ローストのタレとの相性は抜群。

前菜は、涼拌海蜇(醤油、酢、ゴマ油でマリネされたキュウリとキクラゲの冷製)を選択。さっぱりとしたおいしい前菜です。
他の選択肢は、ピータン、香醋雲耳(キクラゲの酢の物)、滷水豆腐(木綿と絹ごしの中間くらいのかたさの豆腐に醤油ダレで味を付けた冷製)でした。


丁寧に手間暇かけて焼き上げられた本格派の燒味が庶民的な価格で堪能できます。種類が豊富でどれもがおいしいので、毎回オーダーに迷ってしまうほど。燒味を食べ慣れていて味にもうるさい香港人がわざわざ並ぶだけのことはあります。


※上庄 (胸・上背・上翼)：肉厚・甘香・油脂少
　下庄 (腩・下背・髀/腿)：濃味・嫩滑・肥美