日本の食材を縦横無尽に駆使し、発想力が素晴らしい物語のような料理 : Tate Dining Room & Bar

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4.1

¥30,000~¥39,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。
  • 料理・味4.1
  • サービス-
  • 雰囲気4.0
  • CP-
  • 酒・ドリンク4.0
2018/12訪問1回目

4.1

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¥30,000~¥39,9991人訪問時点の為替レート換算での金額になります。

日本の食材を縦横無尽に駆使し、発想力が素晴らしい物語のような料理

「été」の庄司夏子シェフが(おそらく初めて)コラボをしたのが、こちら「TATE」のVicky Lauシェフ、2015年にAsia's 50 Best RestaurantsのBest Female Chefに選出されたことで国際的に有名です。もともとデザイナーだったのが料理への夢を捨てきれずにフランスで修行した、という経歴の持ち主です。レストランとしては2014年の開業以来ミシュランの星を連続して獲得しています。

この美人シェフ二人によるコラボの2日間の席はさすがにアナウンスからあっと言う間に埋まってしまったそうですが、普段はそこまでではないようです。今回は、公式HPの予約フォームから約1ヶ月前に問い合わせ、席数が30席程度と多いこともあり、ハイシーズンにも関わらずまだ席はありました。当日は若いカップルを中心とした客層で満席でした。

仮予約を知らせるメールにはデポジットについて記載されています。予約日の一週間前までにクレジットカードで一人あたり500HK$を支払って予約確定です。キャンセルしてもこのデポジットは戻ってきませんが、ノーショウ防止のためにはいい制度と思います。香港の新しいレストランではこういった対策を取っているところが多く、日本より進んでいると思います。

営業は夜のみ、1,780HK$のおまかせコースです。これにワインペアリング6杯780HK$を加え、35HK$の水飲み放題が付き、サービス料10%が加算されて日本円では40,000円弱となりました。

全体的な印象としては、イノベーティブというジャンルながらもしっかりとしたフレンチ、Edible stories(食せる物語)と称して8章からなる叙事詩を提供する、という設定のとおり、コースは爽やかなお皿から濃厚なお皿へ段々と盛り上がるまさにストーリーのような素晴らしい構成でした。個々の料理も調理、味付け、素材いずれも秀逸で大満足でした。特に、日本の食材が随所に使われていて、それらの縦横無尽な使われ方が日本人より上手ではないかと思えるほどの板についた自然さ、そして発想の豊かさ、数少ないわたくしの経験からではありますが、ある意味衝撃を受けました。日本人客の訪問は少ないようですが、日本人の舌にも合う、いやむしろ日本人こそが食して日本の食材を見つめ直す、そんな機会を持つためにももっと日本人客が増えるといいな、と感じました。

ペアリングのワインは、マッチングの妙よりも、いずれも単体としての美味しさに満足しました。

店内はおしゃれながらも肩肘張らない感じで、大勢の若いホールのスタッフは爽やかな対応で居心地がよかったです。シェフは客の前には姿を見せないらしく、そのことは少々残念ではありました。

コースとワインペアリングの内容、そして各お皿の印象などは以下のとおりです。

☆自家製海藻バターを添えた発酵生地パン
まあ普通のパンですが、異国の地ではこういう違和感のないスタートがホッとします。

☆第1章、中国山芋に捧ぐ叙事詩、中国山芋、オセトラキャビアの繊細なタッチでゴマ油の香りを添えてスモークした鰻とともに
まずは見た目が素敵です。キャビアの食感は素晴らしく、鰻の濃厚な味わいがアクセントになっていたものの、全体としてはおとなしい印象です。コース全体の中の位置付けとしてはいいと思います。

☆第2章、鮑に捧ぐ叙事詩、赤鮑のカルパッチョ、マリネしたレタスと新鮮なハーブのサラダ
見た目では鮑とはわからないです。薄いことによりいただいているうち段々とうまみを感じてきて、ストーリーが盛り上がる流れとなってきます。

☆自家製発酵豆腐バターとブリオッシュ
このバターがまさに豆腐で面白いのです。ブリオッシュもややサクサク感があり美味しいです。

☆第3章、金柑に捧ぐ叙事詩、熟成させた金柑のグルノーブル風ソース添えの暖かいホタテ
ここからとっても美味しいお皿が連続して物語が展開していきます。ホタテの素材、そして食感のいい仕上げにまずはホッとさせられます。添えられた素晴らしいソースはバターベースで熟成感がある感じ、どことなく金華ハムのようなニュアンスも感じられ、香港の方々には馴染みのありそうな味わいです。

☆第4章、オリーブに捧ぐ叙事詩、西洋オリーブの葉、ウルシ?ジャムを添えた金目鯛、魚の骨とオリーブのソース
金目鯛のややソフトに仕上がっている食感、そして素材の良さが一つ前のホタテの料理同様に感じられます。火入れと素材はとにかくいいですね。ソースもやはり素晴らしいもので、オリーブの香りのあとに金目鯛の骨から抽出した出汁のようなニュアンスで奥深さを感じます。この香りと味の組み合わせに奇をてらっていないながらも独創性を感じました。

☆第5章、甲殻類に捧ぐ叙事詩、カリッと揚げた桜エビを添えたタリオリーニ、ロブスターの出汁のソース
メニュー名を見て、桜エビが合うのだろうかとやや不安を感じましたが全くの杞憂でして、むしろロブスターの出汁のソースが桜エビとこんなに合うのかと思えるほどの素晴らしいマッチング、このシェフの発想の豊かさかと思うのですが、他のお皿も含めて日本でもありそうなのにここで初めて経験する料理ばかりです。

☆第6章、フランス産鳩に捧ぐ叙事詩、ブレス産鳩のエトフェ、発酵マスタードグリーンとぶどうのコンフィを添えて
鳩のジュを使ったソースにほのかにスパイスを加えているようでして、かなり癖があるジビエのようなニュアンスを感じさせるやはり発想力が素晴らしいお皿です。グッとスタイルを変えてきてストーリーを展開させているお皿なのに、安定感のある調理や素材でコースの中では全く違和感を感じません。ただ、鳩が苦手な方も多いようで、他のテーブルでは内容の変更も見られました。

☆菊豆腐スープのデザート
トマトの味がするスープです。豆腐は全体的に柔らかい日本風の豆腐が用いられていて、ここではデザートへのつなぎの爽やかさを演出しています。

☆第7章、赤い果実に捧ぐ叙事詩、ラズベリーのソルベと金木犀ホワイトチョコレートムースを添えたクリスピーヨーグルトメレンゲ
全体的にはラズベリーが支配する濃厚さながらも、酸味のバランスがよい味付けで様々な食感とともに楽しめます。

☆第8章、祝祭に捧ぐ叙事詩、小菓子
様々な味と食感の小菓子でキレイに物語がエンディングとなります。

Sour Dough with House Seaweed Butter
I. ODE TO CHINESE YAM
Chinese Yam escorted with Smoked Eel, aroma of Sesame Oil with a delicate touch of Ossetra Caviar
II. ODE TO ABALONE
Red Abalone Carpaccio with Marinated Celtuce and Fresh Herb Salad
Brioche with House Fermented Tofu Butter
III. ODE TO KUMQUAT
Warm Sea Scallop accompanied by Aged Kumquat Grenobloise-Style Sauce
IV. ODE TO OLIVE
Alfonsino Fish escorted with Fish Bone Olive Sauce, Eastern Olive Leaf and Dracontomelon Jam
V. ODE TO CRUSTACEAN
Tagliolini cooked in Lobster Broth with Crispy Sakura Shrimp
VI. ODE TO PIGEON FROM FRANCE Pigeon ‘’ Au Sang ‘’ with
fermented mustard green and Grape confit
Pre-dessert of Chrysanthemum Tofu Soup
VII. ODE TO RED FRUIT
Crispy Yogurt Meringue with Raspberry Sorbet, Osmanthus White Chocolate Mousse
VIII. ODE TO FESTIVE Mignardise

I. Vilmart & Cie Brut Grand Cellier, Champagne, NV (100ml)
III. Domaine Lebrun Pouilly-Fume Loire Valley, 2015 (100ml)
IV. Clos Venturi Cuvee 1769, Corsica, 2017 (100ml)
V. Alain Voge, Saint-Peray Fleur De Crussol, Rhone Valley, 2014 (100ml)
VI. Domaine Gauby Vieilles Vignes, Côtes du Roussillon, 2013 (100ml)
VII. Yves Cuilleron Roussilliere Rouge Doux, Rhone Valley, 2016 (50ml)

  • Tate Dining Room & Bar - 自家製海藻バターを添えた発酵生地パン

    自家製海藻バターを添えた発酵生地パン

  • Tate Dining Room & Bar - 中国山芋、オセトラキャビアの繊細なタッチでゴマ油の香りを添えてスモークした鰻とともに

    中国山芋、オセトラキャビアの繊細なタッチでゴマ油の香りを添えてスモークした鰻とともに

  • Tate Dining Room & Bar - 赤鮑のカルパッチョ、マリネしたレタスと新鮮なハーブのサラダ

    赤鮑のカルパッチョ、マリネしたレタスと新鮮なハーブのサラダ

  • Tate Dining Room & Bar - 自家製発酵豆腐バターとブリオッシュ

    自家製発酵豆腐バターとブリオッシュ

  • Tate Dining Room & Bar - 熟成させた金柑のグルノーブル風ソース添えの暖かいホタテ

    熟成させた金柑のグルノーブル風ソース添えの暖かいホタテ

  • Tate Dining Room & Bar - 西洋オリーブの葉、ウルシ?ジャムを添えた金目鯛、魚の骨とオリーブのソース

    西洋オリーブの葉、ウルシ?ジャムを添えた金目鯛、魚の骨とオリーブのソース

  • Tate Dining Room & Bar - カリッと揚げた桜エビを添えたタリオリーニ、ロブスターの出汁のソース

    カリッと揚げた桜エビを添えたタリオリーニ、ロブスターの出汁のソース

  • Tate Dining Room & Bar - ブレス産鳩のエトフェ、発酵マスタードグリーンとぶどうのコンフィを添えて

    ブレス産鳩のエトフェ、発酵マスタードグリーンとぶどうのコンフィを添えて

  • Tate Dining Room & Bar - 菊豆腐スープのデザート

    菊豆腐スープのデザート

  • Tate Dining Room & Bar - ラズベリーのソルベと金木犀ホワイトチョコレートムースを添えたクリスピーヨーグルトメレンゲ

    ラズベリーのソルベと金木犀ホワイトチョコレートムースを添えたクリスピーヨーグルトメレンゲ

  • Tate Dining Room & Bar - 小菓子

    小菓子

  • Tate Dining Room & Bar - 烏龍茶

    烏龍茶

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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
Tate Dining Room & Bar
ジャンル イノベーティブ
予約・
お問い合わせ

(+852) 25552172

予約可否

予約可

住所

香港210 Hollywood Road, Sheung Wan

このお店は「59 Elgin Street, Central」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

移転前の店舗情報を見る

交通手段

港鐵(MTR)西營盤駅A1出口から徒歩6分
上環駅A2出口から徒歩9分
トラム 82W 修打蘭街 Sutherland Street,17E 皇后街 Queen Street 停留所から徒歩5分
バス 4X(交易廣場), 91(鴨脷洲邨),101,104(堅尼地城總站) 帝后華庭; 皇后大道西停留所から徒歩3分

営業時間
  • ■営業時間
    19:00-23:00

    ■定休日
    日曜

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
支払い方法

カード可

(VISA、Master、AMEX)

サービス料・
チャージ

10%サービス料

席・設備

貸切

(20人~50人可)

禁煙・喫煙 全席禁煙
空間・設備

オシャレな空間、無料Wi-Fiあり

メニュー

ドリンク

ワインあり

特徴・関連情報

利用シーン

サービス

複数言語メニューあり(英語)

ホームページ

http://www.tate.com.hk/

公式アカウント
オープン日

2012年7月17日

備考

住所の漢字表記は
「中環荷李活道210號地下及1樓」です。

初投稿者

さむそいぽさむそいぽ(322)

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