名店の気概を確認したワイン持ち込みお夜食＠呉松街 : Kam Shan Seafood Restaurant Kowloon

少し前の写真を追加しました。

話は11月、サイトウミートオーク・ハウスさんでも触れた、伊勢丹のワイン祭にさかのぼります。いろんな国のワインを試飲しながら何本か購入したのですが、あるところで、アルザスのリースリングを連れが試飲して、「これ、おいしいけどどの料理にも合わない気がします」とお店の方（ソムリエ）に申し上げたら「いえいえ、こいつには中華で決まりですよ」とのこと。
私も試飲して、なるほどねえとうなりました。で、購入して香港に持っていくことに。

これまでに訪問しておいしかったところ、シーフードが充実しているところ、そして今時ワイン持ち込み料金（コルケージ）が無料のところ。ホテルにも手伝ってもらってのリサーチの結果は、金山海鮮酒家と和記海鮮飯店。連れが選んだのがこちらでした。これまで一体何度ここで食べたかわかりませんが、けっこう久しぶりです。

今日は、すでにかなり食べての夜更け、香港人のいう「宵夜」（しういえ＝軽いお夜食）という状況。

私の戦略は、連れが食べたがっているシャコ、大きいのを2尾。あとはもう一品プラス野菜で〆る。

というわけで、席につくと同時にバッグから白ワインを取り出してテーブルにどんと置きます。そして、店の外の生簀でシャコをじっくりと吟味。中くらいだと68ドル、でっかいのは200ドル。大きいの2尾を指さして購入。すでに400ドル飛んでいます。やや贅沢ですがせっかくの香港、ここは気を大きくもって。

テーブルに戻り、炸墨魚餅（イカ団子フライ）と、蒜炒豆苗（豆苗ガーリック炒め）を注文しました。

まず、椒鹽瀬尿蝦（大）がやってきました。
ハサミが2個添えられています。過去に経験がないわけではありませんが、だいぶ前の話ですし、ちょっと戸惑っていると、初老のボーイさんが老練な手つきでやさしく捌き方を教えてくださいました。要は、固い部分には箸を使って、固くないところはハサミを入れて、ということのようです。さっそくとりかかります。
ただ、連れは実は甲殻類アレルギー、手で触れるとかぶれるのです。ということで、連れがある程度手を使わないで食べ、無理なところは私が捌いてあげます。シャコというもの、鮨ネタでもあまり好みませんが、ここのはやっぱりおいしい。・・ってこの料理をよそで食べることはあまりないので比較したうえではないけど、とにかく塩加減が絶妙です。薄い皮も食べちゃいます。
そして、こちら、以前新同樂で間違ったことを申し上げたかもしれませんが、ちゃあんとウエットティシューと巨大なフィンガーボウルを用意してくださいました。さらに、さきほどのボーイさん、気を利かせて、持ち込みなのにバケツ（サンミゲルライト）いっぱいの氷でワインを冷やしてくれますではありませんか。うれしいなあ。

さらに、イカ団子フライ。弾力がすごい。ぷりぷり、とかぶりぶり、とかいう表現を越えた弾け具合。お味もしっかりついて、ワインがあっという間になくなりそうです。

Pierre Sparr Alusace Gewurztraminer 2012
ジャスミン・ライチのような香りが口に広がる。たしかに中華・シーフードによくあうワインで正解。

そこで、連れがビールを（ブルーガール・藍妹）という安いブランドで。私が残りのワインを。
豆苗もシンプルですがストレートにおいしい。そして、予定外でしたが、連れがもう少しご飯ものも食べると言い出したので、瑤柱蛋白炒飯を。

干し貝柱、菜心の茎、ニンニクなどを卵白で炒めたチャーハンです。香港独特の料理といってよろしいでしょう。これがまた、ビールとワインにぴったし。あ、久しぶりにビールももらっちゃいました。

最近少し値が高くなったとか、駐在日本人の間でもよろしくない噂があったりしたのですが、やはりここは相変わらずの名店です。

１　硬派の男子校ノリのサービス
２　しっかりした調理技術
３　注意すれば値段はある程度抑えられる。持ち込みワインは2本まで無料。3本目から1本につき50ドルときわめてリーズナブル。
４　深夜までしっかり営業（日付を越えて営業していると言いつつ、客足が引くと10時頃閉める店は香港では多い）


トイレ　男女別。中国式前方後円墳型大便器を見たければどうぞ。
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(2015年2月）再訪しましたので写真および料理の記述を加えました。評価少し上げました。
予約して4名で入店。
椒鹽白飯魚　シラウオフライに塩胡椒で味付け。バターフライ（牛油白飯魚）よりさっぱりして食べやすい。
招牌雲英雞　ハーフサイズ　砂肝の部分がまたおいしい。
瀨尿蝦王 　　シャコ、せっかくここに来たからには、やはり頼んでしまう。店の前の生簀から慎重に吟味して選ぶ。
陳皮蒸鮑魚　トコブシ蒸し物。これはまあ、ふつう。
瑤柱琵琶豆腐　揚げ豆腐はたっぷりの野菜と貝柱の餡に隠れています。ボリュームたっぷり
鼓椒炒蟶子　　マテ貝豆鼓と胡椒炒め、これは前回も頼んだ。うまいねえ。

4名で割ったら期待以上に安かった。シャコも無茶苦茶でかいの頼まなければこれくらいで収まるものですね。

ごちそうさまでした。


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「有名かつ無名のシーフード料理店」
2012年8月の訪問、少し古いです。

九龍サイドの繁華街にひそむ、海鮮の名レストラン。
ガイドブックでは掲載率低い（相変わらず地球の歩き方も無視）が、ネットでは超有名という不思議な店。
入口には、赤地に白いペイントで

晩飯宵夜　　ディナーでもお夜食でも
生猛海鮮　　シーフードは新鮮そのもの
時令小菜　　季節にあったお料理
豐倹随意　　贅沢派も渋ちんもOKです
名厨主理　　うちのコックは一流でっせ
精研小炒　　ちょっとした炒め物が絶妙
四季煲仔　　年中土鍋料理やってます


とある。これだけでかなりの吸引力ありますね。

今日は日本から2名の友人とともに、連れと合わせて4名でテーブルを囲みます。
予約済みだが、ここはそれでも待たされることあり。いつでも混み合っています。今回はするっと入れました。

白ワイン（NZ　オイスター・ベイ　ソーヴィニヨン・ブラン）を持ち込み。（持ち込み料なし、ただしコップで飲むことになります）。おっちゃん店員、愛想よくワインオープナーを持ってきてくれますが、このワイン、スクリューなんだよね。
おたがい苦笑。

窩貼鮮蝦小棠菜（エビと野菜の揚げ物）
鼓椒炒蟶子（マテ貝豆鼓と胡椒炒め）
炸蠔（カキの天ぷら　4個）
燒乳鴿（小鳩のロースト　２羽）
豉油皇鵝腸（ガチョウの腸の醤油炒め）

たいていの場合こちらの名物のシャコ（椒鹽瀨尿中蝦）とか、白魚（牛油白飯魚）も頼むのですが、今回はパスして、そのかわりに、こちらは意外に肉系もうまいので、ハトとガチョウをオーダーに含めました。

駐在日本人にも熱い支持があるようで、いい意味で日本人のあしらいも慣れています。
サービスはオール中年男性、白いシャツと黒いズボンで決めています。

エビはさくさくした歯ざわりが最高。
マテ貝は日本ではなかなか食べられないが、美味しいうえに割と安い。
カキは少し衣がウェットで残念、しかしカキ自体は新鮮で旨み強し。
ハトのローストは派手さはないが安定したうまさ。
ガチョウの腸　今回のヒット。独特の歯応えで非常に美味。

お代はしめて５５０HK$。（ただ最近とくに大きなシャコは高くなってやや不評が聞かれます）
初訪問の友人たちは仰天しております。

こういう瞬間、好き。