スパイスは控えめ・薄味ですが、「出汁」の存在を感じる味わいで、多くの日本人の口に合う料理だと思います : Kemangi

　GWの 某社観光ツアーで 立ち寄った
　インドネシア料理・香港海鮮料理の店です。
　シックでモダンな 入り口を潜ると
　店頭の水槽には いかにも高級そうなハタ科の魚・オコゼ・伊勢海老…
　日本にはいない？カラフルな渡り蟹・蝦蛄の仲間…
　その他 名前も分からない魚…などが泳いでいます〽
　　まあ「竜宮城」とまで は言いませんが、 ちょっとした水族館状態です（笑）
　（興味のある方は、写真の最後にこれらのお魚たちの画像を纏めておきましたのでご覧下さい）
　店内も 明るく、清潔感が際立っています

　しっかりサービス料10％を取りますので、やはり バリ島でも中〜高級店の部類でしょうか

　写真付きの「本日のセットメニュー」の説明書き がテーブルごとに置かれており
　持ち帰りは出来ませんが、日本語とインドネシア語で料理名が記されています
　「食べロガー」には有り難い（笑）
　日本語を話せるスタッフがおり、料理の注文は日本語でもOKです

　今回頂いたのは、インドネシア料理の大皿料理でした

●Soto Ayam（インドネシア風チキンスープ）◎
　具はトマト・葱・キャベツ千切りのみでシンプルですが
　チキンベースのブイヨンは さっぱりとした繊細な旨味が染み入るようで 滋味深い
　ヌーベルシノアによくありそうな上品な「清湯」で、スパイスの存在は ほとんど感じません

●Perkedel Tagung（トウモロコシの天麩羅）
　トウモロコシの他に葱などの野菜も入っている様です
　衣は天麩羅というより、唐揚げに近い感じです

●Urab（温野菜）
　白菜・青菜・人参・隠元・カリフラワーなど
　茹で上がりは適度にしんなりしています
　ココナッツミルクが隠し味で入ったチキンスープで茹でているようですが
　円やかで優しい味わいです♡

●Martaback Sayur Bumbu Asam Manis（野菜入りオムレツの甘酢ソースかけ）
　白菜や葱が入っているようで、中はサクサクしていますが
　外側の玉子は「お好み焼き」に近い それなりに ふわっとした食感で 悪くない
　甘酢ソースは 酸味・甘味は 穏やかでかつ円やかなテイストで 私好みでした
　
●Sate Lillit Ikan（バリ風魚のつくね串焼き）◎
　表面は僅かに焦げ目をつけてあり、ちょっと香ばしいが、中はミディアムレアの焼き上がり
　食感は柔らかく、口当たりはパサ付かずしっとりしています
　味付けはシンプルな薄塩で、魚自体の旨味が活きています
　そのまま何もつけないでも十分美味ですが、お好みで海老風味のチリソースを付けて頂けます
　この海老風味のチリソースが ただ単に辛い豆板醤でなく、海老腸の旨味が凝縮した絶品☆でお奨めです！
　
●Cha Sayuran Kemangi（野菜炒め）
　菠薐草と豆モヤシの炒め
　中華料理に比べて、油は少なめで諄くなく、薄味なのにも好感を持ちましたが
　野菜はしんなりし過ぎて、やや貧相かな…

●Semur Sapi（インドネシア風牛肉の煮付け）◎
　牛肉は脂身の少ない腿肉でしょうか？
　おそらく低温でじっくり長時間煮込んだのでしょう
　わずかに表面が 毛羽立ちざらついた口当たりではありますが、
　非常に柔らかく♡、パサ付いた感じはありません
　赤身の牛肉らしい旨味も それなりに堪能出来ました

　これまで海外の中華／アジア料理の炒め物で頂いた牛肉は 概して
　まるで食感はゴムみたいに固く・パサ付いた物が多く
　食後の実感として満足したことは 正直なところ あまりありませんでした…
　しかし当店の牛肉は そんな個人的な偏見を取り払ってくれるのに十分なものでした
　少なくとも この調理法の料理であれば、必要十分な肉質の牛肉でしょう

　味付けは醤油はどちらかと言えば薄口で、かなり甘めな部類ですが、
　海外にありがちな 砂糖の甘味がストレートに立った下品な感じの ひたすら甘い味付けではなく
　上品に纏めてあるのは 高級店らしく？さすがです
　
●Ayam Kremes（クリスピーチキン）
　正に衣はパリパリ♪
　鶏肉は 身が少なくややオイリーですが、決して油が諄くありません
　『バンタン』ビール が進みます（笑）

●Mie Goreng（インドネシア風焼きそば）◎　
　写真を取り損ねてしまいましたが…
　麺は中太の断面が丸い中華麺（日本のラーメンに習えば「多加水麵」の部類でしょうか）
　前日までジャワ島で頂いてきた、平縮れ麵ではありません
　粉っぽくなく、もっちりしていますが、コシも十分です

　やはり特筆すべきは「ケチャップマニス」ベースのソースでしょうか？
　塩気は薄味ですが、甘味はしっとりとしてコクを感じるものでした
　具は青菜・パプリカ・しっとりした食感の細切りの鶏肉など

●Nasi Putih（白飯）△
　米は長粒米で、やはりパサパサ・もっさりして粉っぽい口当たり…
　ナシゴレンや炒飯 なら兎も角、やはり白飯は日本米に限りますね…

●Buah Campur（季節のフルーツ盛り合わせ）
　この日はマンゴー・スイカ・パイナップルの3種でした
　高級店の割りには、果物の質は まあ普通のレベル・凡庸だと思います
　特にスイカは 日本のものに比べて甘味が絶対的に足りない印象です…

●『ビンタンビール』は大瓶で 70000 Rp.＋サービス料10％でしたが、
　平均的な日本のビールと比較すると、
　酸味に比べ より微かな甘味・コクを感じるタイプで 個人的には好み♡
　酸化・カラメルっぽさ などの劣化も感じられず、鮮度管理も十分
　この日は37℃まで気温が上がりましたが、グラスは凍らせた物を出してくれましたし
　サービス料に十分値しますね

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　一般に当店に限らず、インドネシア料理はタイ料理などと比べて
　良くも悪くも 薄味で、スパイスも 周辺国に比べて あまり使っておらず
　必要なら、後からお好みでサンバルや唐辛子を追加できる店が多く
　辛味が苦手な 日本人の口にも 概ね合うと思います

　特に 当店の料理は
　今回 私が頂いた料理の中には 高級食材こそ含まれていませんでしたが
（もちろん もっと予算を弾めば、水槽を泳ぐ 高級そうな活魚・海老・蟹も食べられますが…）
　素材は 吟味されている印象で、
　味付けも 輪郭がハッキリした どぎつい味では 決してなく
　化調に頼らない「出汁」の存在をしっかりと感じ、バランスが良く完成度が高い

　デンパサールの「ングラライ国際空港」からも近く、
　　バリ島旅行の際には、お奨めです！