初物ポルチーニで大歓迎を受けた北イタリア、ピエモンテ州カネッリにある一つ星レストランSan Marco. : San Marco

香港編がもう少し残ってますが、ここで中断していたイタリア編に戻ります。

旅行は５月２８日から６月５日まででした。ほとんどミラノでうろついていましたが、ピエモンテ州には１泊でドライブ旅行。イタリア、フランスは行くならやはり田舎ですね。

ピエモンテ州の情報がほとんどありません。とりあえず車でしか移動できませんのでマップは買って。そのうちに、むか～～しのブルータスにピエモンテ特集があったことを発見し。その本をネットで買って急速に旅の計画が具体的なりました。

レンタカーをミラノ市内で借りると、エスケープも大変ですし、リターンも大変です。難問は一方通行の多いこと。少し前にフランスのリオンで降りてプロバンスをめぐりながら１０日間かけてミラノに入ったことがあります。ホテルの近くに来ているのに一通で行き着きません。しょうがなくて荷物を降ろしてホテルを探しすぐに見つかりました。行き方をホテルマンに聞いて車に戻ったら、駐車違反の切符が。の思い出がありますから、空港まで行って借りました。

いろいろあって。ミラノから最初の目的地のカネッリまでは、今調べると２００ｋｍ弱でしたね。途中の田舎の景色は目をみはるばかりです。来てよかった感はいつまでも何回も同行のマイレビュアーさんと話しながらドライブ。

カネッリに近くになって田舎の一本道で突如検問がありました。前後には車が走ってない田舎道で。国際ライセンスを渡すと、道の反対側に行ったシュリフ人はずっとずっと免許書を見ながら話してます。生まれて初めて日本発行の、いやどんな国で発行された国際免許も見たことがないと思われるほど、何回もひっくり返しひっくり返し。

こっちに来て尋問せいや、と思ったくらい。黙って渡して行けと言うから、もう。San　Marcoに行くんやけどどう行くのって訊いてやりましたわ。知ってるけどね。やっぱり会話ですよ、会話。どこに行っても会話すれば悪いことはおきへん。

とうとうカネッリまで来ちゃいました。

ミラノから車で２時間半。途中までの高速料金が８．５€。

お店の前の市内無料駐車場に車を止めて、店の前のあるベンチで１０分ほど休憩。

開店１５分前に店に入るとマネージャーが出てきて、ようこそ！サンマルコへ。

このサンマルコ。ミシュラン２０１３でもしっかりと☆をキープしました。めでたし。

アイスブレークトークをしながら着席。このひなびた中世の街並みが残るカネッリにこういうセンスあるレストランがあるなんて、奇跡です。ファミリーでやっていて、もう４０年の歴史があるとか。マネージャーはあまりイタリア人らしくない？慎みがあります。あとで分かりますがルーマニア人でした。マネージャーが最初に持ってきた大きなキノコ。今シーズン初めて採れたポルチーニでした。でっかい。当然ポルチーニの料理が食べたい！

飲み物。ジブンは運転なのでノンアルコールで料理がおいしくなるドリンク！というリクエストで出されたものが、サンビターという飲み物。１００ｍｌ位の瓶入りで、苦みのある薬膳ドリンクのようなものでした。同行の方は、いけるほうなんで、地元ピエモンテの赤ワインからバルベーラ。ここから近いアルバやアスティで生産されてます。カンパイのあとメニューを決めます。

『ディナーも☆店なんで、セーブしようか。』という話題にもなりましたが。あまり夜のことは考えずに食べたいものをイケイケで！のコンセプトでいくことに決定。コースをオーダーして、それぞれ選択した料理をシェアする方式で。

前菜Ａは、サラミと郷土料理を組み合わせたもの。名前が分かりませんが、はずれなく全部おいしかったです。天ぷらと呼んでましたが、まフリッターですね。日本人のシェフ修行者がたくさんこの地に入っていて、日本料理からも徐々にこのお店のメニューに入り込んでいるそうです。　

前菜Ｂは、フォアグラとポルチーニサラダ。フォアグラとハムを交互に重ねてミルフィーユ状にしたフォアグラが旨い。そして、強烈なキノコの匂いのポルチーニサラダ。これはめちゃめちゃおいしくて、同行の人がシェアを拒んだくらいです（笑）。仕方ないので、サラダだけもう１人前追加しました（笑）。生のポルチーニ、こんなに濃厚でおいしいとは。

プリモＡはリゾット。クリームと一緒に口に入れるようインストラクションがありました。このリゾットは旨かった。濃厚な味とコメの食感が陶酔の世界に誘ってくれます。どうしてこんなにおいしくできるのか訊きましたが、コメとレシピとシェフ、ですって。当たり前なんですけど。プリモＢは手打ラビオリ。中にはリコッタチーズと野菜が入っているとのこと。これもちょうどいい食感で、郷土料理っぽい感じのパスタでしたね。

メインは仔牛のカツレツ。いわゆるミラノカツレツ。地味においしかったですが、なにしろお腹いっぱいになりましたので、これ以降は食べると言うよりもやっつける感じで。それではせっかくの料理がもったいないので、ここはきっちり食べてデザートをスルーすることに。

郷土の伝統料理をベースにした素晴らしい料理でしたね。そして、口にあいます。どれもおいしい。最後にカプチーノですっきり。と、思いきや、小菓子の多さにびっくり。これじゃあ、大菓子でしょ。

かくして、イタリアで初めて食べたワンスターレストランのごちそうにすっかり魅了されました。最後にオーナーさんとご挨拶。奥様がシェフだそうです。お料理がすっかり気に入りました、と申し上げたところ、奥様の執筆になるレシピ本をいただきましたよ。これで料理を再現してください、って。サンマルコ、来た甲斐がありました。暇を告げて、次なる目的地、バローロ村に向かったわけでございます。