[P.za Ferrari]ジェノヴァでジェノヴェーゼ2 ビブグルマン : Trattoria Rosmarino

どうやらジェノヴァ観光の中心地は大きな噴水のあるフェッラーリ広場（正式名称はPiazza Raffaele de Ferrari）と9月20日通り（Via XX Setteｍbre：イタリア統一運動 Risorgimentoが始まったとされる日でローマにも同じ名前の通りがある）辺りのようで、宿泊先を近くにしたので歩き回るのにはとても便利です。

時節柄、フェッラーリ広場は噴水を止めてクリスマス・マーケットになっており、人もたくさん出ていて活気があります。
特に9月20日通りはクリスマス・プレゼントを物色する人でごった返していて、まるで年末のアメ横みたいに押すな押すなの大盛況ｗ

我々は、朝からその通り沿いにあるオリエンターレ市場に行って、モルタイオを探すも売っている店はなし、そんなもん今時使ってるところなんてないよと八百屋のおっさんに言われ（松の実は買った）、雑貨屋や肉屋など手当たり次第に聞き回りましたが、聞く度に違う情報が入ってくるのでｗ諦めてランチを取ることにしました。

フェッラーリ広場に看板が出ている店を見つけ、その看板を頼りに細い急坂を下ると（ジェノヴァは至る所に細い路地が張り巡らされていて歩くのがとても面白いです）あったあった、お、ビブグルマンなんですね、これはいいかも。
店名のRosmarinoってローズマリーのことですけど、al pestoはbasilicoなんだよな。
ちなみにピスタッキオのal pestoも人気です。

早速店に入ってみると予約しているか聞かれ（今初めてこの店を見つけたのにｗ）、ランチタイムも予約でいっぱいで入口の小さいテーブルなら用意できるとのこと、席が狭くて丸椅子でしたが、ビブグルマン＆予約でいっぱいなら期待できそうですから、お願いすることにしました。
すると可愛いお姉さんが、背もたれのある椅子に代えてくれましたよ。
molto gentile, grazie del pensiero!!

では取り敢えずAqua mineraleをもらってメニューと睨めっこです。
Pranzo（ランチ）のアンティパストは3種類ですが、そのうち2種は昨晩いただいたものと同じなので（店によって味わいは当然異なるとは思うもののそんなに違うとも思えないのでｗ）夫婦揃ってSformato di funghi porcini su Fondutaにします。

フォンデュータは要はイタリア版のチーズフォンデュですが、日本でお馴染みのパンを刺してチーズと絡めてというスイスのやり方ではなく、溶かしたチーズを敷いてその上にハンバーグ風の牛挽肉を焼いたものとポルチーニ、硬めに焼き締めたクッキーに近いパンを層状にしたものが登場。
Sformato：型入れのソテーはさすがビブグルマン、プレゼンテーションもなかなかお見事です。

合わせるワインはアルト・アディジェのゲビュルツトラミネールにしました。
リグーリアのピガートとヴェルメンティーノは美味しいのがわかったので、ちょっと変えました。
このSant Michael Eppanは日本でもお馴染みですが、端正な香りと味わいで肉にも合わせられる実力派です。
それにしても旅先で昼から飲むワインってなんでこんなに美味しいんでしょうねｗ

で、このポルチーニが美味かった。
サイズを揃えて傘の部分だけをオリーブオイルで焼き、牛肉とパンを合わせてスフォルマートにしてあるので、牛肉の脂をうまく吸い込んで途轍もなく美味しくなってます。
ジェノヴァの伝統的な初冬の郷土料理との説明を受けましたが、ジェノヴァ人はグルメだと聞いた通りで、昼からこんなに美味しいもの食べちゃったら、夜どうしようって感じですｗ

美味しくて感激しつつ食べ終わるとすぐにプリミが出て来ました。
本家本元、トロフィエを使ったal pestoのお出ましです＼(^o^)／
飾ってあるモルタイオは使っているかわかりませんけどｗジェノヴァといえばパスタはやっぱりPicaggeではなくてTrofieのイメージですよね。
トロフィエは木屑、鉋（かんな）屑：Trucioloのことで、くるくるっと細く丸まったショートパスタ 、オリーブオイルも一緒に練り込んであるんだそうで。
現在は工場で生産していますが、少し前までは手で捻って作らないとできないジェノヴァ限定パスタだったそうです。
al pestoとの組み合わせも、もうこれしかないでしょうというくらいぴったりです。
美味しいを遥かに通り越してますねｗ
可愛いお姉さんににっこり微笑みかけて、Ancora, per favore!!：お代わりください！とお願いしたら、日本から来たおっさんは昼からよく食べるねっていう顔して無言でオーダーを通しに行きました。

それにしても人気店です。
ランチタイムは電話が鳴りっぱなし、予約してないんだけどとダメ元で入ってくる客も後を立ちません。
我々は少しタイミングが早かったから運良く席が確保できたんですね。
入口の小さいテーブルでも（入ってくる客の視線が集中するから落ち着かないけど）OKです。

メインはグランドメニューではなくて、黒板メニューにしてみました。
Mupaという白身魚（調べたけど日本名は不明）をパニッサ（ひよこ豆を煮潰したペースト）に挟んで焼き上げたものです。
お代わりしたトロフィエを食べ終えるか終えないうちに出て来ました。
厨房は戦争状態のようで、偶にブレーカーが落ちて真っ暗になりますｗ
このままでは、ビブグルマンから目出度く星獲得っていう流れにはならないよね。

それにしても素晴らしい香り、ムーパという魚は原型がわかないので何とも言えませんが、シチリアでいただいたアフリカチヌ：OrataとかSaragoとそっくりの味わいです。
可愛いお姉さんに聞いてみたら、そもそもOrataもSaragoも知らないってｗ
ホールの責任者らしきおっさんも聞いたことないけどあんた達がシチリアで食べたっていうんならそうなんじゃないの？って忙しいから相手にしてくれませんでした。

まあいいか、美味しいからｗ
つけ添えのCavolo nero：黒キャベツの葉をオリーブオイルで炒めたのが絶妙な味わいで、すっかりやられてしまいました。

店の外には大勢の待ち客が店内を覗いており、勢い一番手前で機嫌良くワインを飲んで美味しそうに食事をしている東洋人に視線が集中します（早く食べ終わって席を空けてくれよという無言のプレッシャーを感じますが可愛いお姉さんは食後は珈琲にする？デザート食べる？とお構いなしです）。
では、珈琲をパッといただいて、この幸せを寒空の下で空きっ腹を抱えて立っている人に分けてあげましょうｗ

メインまでしっかりいただいて、プリミはお代わりまでして2人で135€でした。
現状は円安が続いているのでレートが悪いですが、それでも2万円ちょっとですからコスパも悪くないと思います。
これで1€＝120円くらいだったら最高なんだけどなぁｗ

ご馳走様でした！！！