天才日本人シェフの、とにかく楽しい料理 : Ristorante TOKUYOSHI

サンペレグリノの「ザ　ワールド５０ベストレストラン」で

世界一に輝き、ミシュラン三つ星もキープし続けている

「オステリア　フランチェスカーナ」のスーシェフを長く

務め、こちらに独立した徳吉洋二シェフのレストランです。

「フランチェスカーナ」を世界一に導いたのは、彼の功績が

大きい、と言われているほどの実力派。

ミラノでも、すでに話題になっています。


おしゃれな店内はカウンター席とテーブル席。

シェフが好みという落ち着いたグリーンで、まとめられています。

カウンター席の一番奥に案内されました。

徳吉シェフは、早速挨拶にいらしてくれました。

とても気さくで、食後も話が弾みました。

ちょうどこの１週間前に、「フランチェスカーナ」にお邪魔し、

マッシモシェフと会ったことを話すと、

「それは、本当にラッキーですよ～～」と。

多くの方からも同じことを聞いていましたが、

徳吉シェフも、この日の昼間、モデナに行っていたのですが、

マッシモシェフ、この日は、ケープタウンだったそうです。

なんと、モデナに行っていたのは、８０歳以上のおばあちゃんの

ための料理教室なのだそうです。　イタリア各地でこのイベント

を開催しているそう。　おばあちゃんの反応が面白いと、

表情を交えて楽しく話しをしてくれました。


さて、こちらの料理。

とにかく、楽しいです。　そして、もちろんおいしいです。

どう楽しいか、以下に。

OMAKASE 135ユーロ

すべての料理に、ドリンク（スープ）がセットされます。

ちなみに、アラカルトもあります。


１、デリバリーピッツァ
　　なんと、デリバリーピッツァの箱で登場。
　　中には、おかきで作ったサクサクの生地に、
　　トマトソース、茸ソース、揚げたカルチョーフィ、
　　モルタデッラ、ブッラータ、パルミジャーノ。
　　エディブルフラワーが効果的に使用されていて、
　　とても美しいピッツァ。

　　飲み物：　グリーントマト、グリーンオリーブのジュース
　　　　　　　味の変化を楽しめます。

２、サシミ　イタリア
　　チンタネーゼのラルドと烏賊のそぎ切り
　　レモン、ライム、白身魚のセビーチェソースで。
　　烏賊の甘味とソースの酸味のマリアージュを。
　　色は白に統一され、お皿も米の形で白。

　　飲み物：　イカゲソのスープ　玉葱を炒めた出汁と。

３、白黒
　　「魚拓」をイメージした料理。
　　白のお皿に、黒で、魚の頭と尻尾が描かれています。
　　その胴体部分が料理です。
　　ひめじ（トリギア）をさばいて、
　　帆立、シチリア赤海老のムースに、
　　オレンジの皮、ディル、レオンジュレをまぶし、
　　サンドイッチに。
　　オイル、野菜、炭の粉で焼いています。
　
　　飲み物：　アーモンドミルク（生のアーモンド）
　　　　　　　魚の塩味と、アーモンドの甘味の調和を。

４、粉の中のウナギ
　　ウナギは、イタリア風かば焼きに。
　　バルサミコとうなぎの骨などの秘伝のタレをぬりながら。
　　カルピオーネクリーム（松の実、ミント）
　　お皿には、色とりどりの野菜の粉。
　　紫キャベツ、ビーツ、ポロネギ、緑トマトなど。
　　秋の紅葉した山の景色を表現していて、
　　実に美しい一品。

　　飲み物：　ジャガイモローストのスープ

　　３と４は、どちらかですが、二人でシェアしました。

５、スパゲティ　ボンゴレ　ミドッロ
　　シェフの出身地、鳥取の名産、しじみと
　　ミラノの名物、オッソブッコ（骨髄）の上澄みを
　　すましバターのように取り、
　　まるで、牛骨ラーメンのように。
　　なぜか、きのこのような香りがします。

　　これに、１５ｇ、１５ユーロで、シチリアの雲丹が入っている
　　とのことで、お願いしましたが、
　　スパゲティがあまりに秀逸だったので、雲丹なしのほうが、
　　その出汁を存分に楽しめてよかったです。

　　飲み物：　ケッパーの出汁

６、泡のサラダ
　　生野菜、茹で野菜、揚げ野菜に、
　　４０か月熟成のパルミジャーノチップス、
　　白ワインヴィネガーの泡、
　　豆乳マヨネーズ
　　泡は雲を表現しています。
　　ゴボウのプレートには、「TOKUYOSHI」の焼き印。

　　別皿をひっくり返すと、羊蹄山が。
　　「山を見ながら、雲を食べる」という趣向。

７、牛肉のタタキ　土佐酢ソース
　　ファッソーナというピエモンテ牛を、
　　バーナーで炙りながら、京都の和牛の脂を加え、
　　タタキに。
　　ゴリツィアの雪の下で育ったラディッキオと
　　ビーツルーツのマリネに、鶉卵。

　　飲み物：　ビーフコンソメ

　　土佐酢が温かく、イタリア素材で作ったTHE和食という
　　イメージ。

８、ティジェリエラというパン生地を焼くバンに、
　　パンブリオッシュの生地にのった、
　　和牛ブレザオラ、スクワッケローネ（チーズ）、
　　たんぽぽサラダ

　　飲み物：　エミリア街道の出汁
　　　　　　　モデナの鶏の出汁に、パルミジャーノの皮、
　　　　　　　モルタデッラを加え、味を濃厚に。

９、鴨とエスカルゴ
　　鴨の絵が描かれた皿で登場。
　　テーマは「お腹が空いている鴨」
　　森の中に隠れているかたつむりを探してます。
　　エスカルゴは、パセリバターソースで、
　　サラダと黒トリュフに隠れています。
　　赤ワインで漬けた心臓とレバー
　　シベソース
　　
　　別皿の木の樹皮の器には、
　　鴨のレバーパテとチョコクッキー

　　ソースの容器は、　コッパ　ディ　アミツィツィア
　　アミツィツィアは友情という意味で、
　　昔、グラッパやコーヒーを回し飲みしたときのもの。

　　飲み物：　赤いフルーツジュース（ラズベリー、木苺）

10、ラビオリ　ズッカ
　　　マントヴァの郷土料理ですが、
　　　それをアイスキャンディーに。
　　　バルサミコソースと、ビールをつめたもので

11、牛のチーズケーキ
　　これが最高に笑えました。
　　前述のように、白いお皿に、牛の頭部と前脚、それに
　　お尻と後ろ脚だけが描かれています。
　　胴体は、黒白のチーズケーキ。
　　あまりにそのブチがかわいいので、大笑いしてしまったら、
　　シェフが「あ、うけた」ですって。
　　始まったばかりの料理のようです。
　　カラブリアのベルガモットの風味で、
　　ホワイトチョコと、カカオで牛の模様を。
　　おもしろいだけではなく、濃厚で実に美味。

　　炭の香りをつけたミルクのアイスと。

12、小菓子
　　＊トルタ　バロッツィ
　　　モデナの伝統菓子で、チョコとコーヒーのケーキ。
　　　バロッツィは、建築家の名前。
　　＊リンゴのマカロン
　　＊ローストしたホワイトチョコといちご

13、マラケシュミントティー
　　　緑の土瓶で登場


パンとバター
さくらんぼ酵母のパン（フリッツァンテ）
自家製バターは、焦がしバターにマスカルポーネ、
ギリシャヨーグルトを加えたもの。

お供は、赤ワインをグラスで。
SOFFOCONE DI VINCIGLIATA 2016
トスカーナの赤


徳吉シェフの片腕であり、在伊歴も長いクニさんが

丁寧な説明で対応してくれました。

日本人女性スタッフの方も、きめ細かいホスピタリティ。

ミラノで人気なのもうなづけます。


神保町に徳吉シェフのお弟子さんがレストラン「アルテレーゴ」を

シェフの分身としてオープン。　徳吉シェフも、今年の夏は、

本店の改修のため、長く日本に滞在するそうで、

今度は、神保町でお会いできるとうれしいです。