後学のため、もう一軒、イタリアの寿司屋に行ってみました。 : Perla - Sushi Bistrot

（2回目のコメント）- 写真を追加しました - 2016DEC.

この店の若き女性オーナーは素直です。（Catherine Deneuve似の素敵な人です）
私たちの酢飯に対するアドバイスを聞き入れ、新たに「寿司桶」を購入してくれたので、従来との変化を確かめてきました。
合わせ酢の配合は変えていないのですが、寿司桶を使うことによって適当に水分が飛び、酢飯がシッカリしてきました。従来は、大きなプラスチック製のボールで合わせていたとのことです。

私が作った酢飯を持って行って試食してもらいましたが、フィリピン人のシェフは、「僕はこの方が寿司に合っているし好きだけど、イタリア人は甘くしないと食べてくれないんだよ。」と言って、自身の主義を変えようとはしませんでした。

オーナーが考案したという「ピスタチオを振りかけた裏巻き」をいただきましたが、ドルチェ感覚で食べると甘い酢飯が美味しいです。これなんですね、イタリア人が好む寿司というのは。

イタリアでは、2011年に法律が制定され「営業店で提供する生の魚は、一旦、冷凍しなければならない」と決まりました。
魚屋には鱗がついた生の魚が売られていて、これを自宅で調理して食べる分には問題ないのですが、店で客に生のまま提供してはならないということです。事の発端は、C国の人が営業している日本料理屋や寿司屋で食中毒が頻発したことにあるそうです。ですから、イタリアの寿司屋で使われる白身魚も鮪も海老も解凍品です。

日本でも冷凍マグロが一般的に使われていますので、仕入れと扱いを工夫すれば美味しいトロの握りは食べることができるのではないかと思いましたが、より繊細な白身は旨味が無くなります。酢〆や昆布〆が、調理済みとして認められれば幅が広がります。江戸前寿司が生まれた頃には、冷蔵庫などありませんでしたから、当時の寿司職人たちは工夫して保存が効いて美味しくなる処理方法を考案しました。

女性オーナーが前向きですから、まだまだ工夫してくれることでしょう。これからが楽しみな店です。


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（1回目のコメント）2016NOV.

Vinovoは、ピエモンテ州トリノ県にある人口約13,000人が住む歴史のある街です。
ここにイタリア女性が、今年5月末、寿司屋を開き、若干32歳にして五軒目の飲食店を所有することになりました。彼女は「勝算あり」と判断しました。

他の四軒は、近隣で評判のピッツァ屋です。今年5月初めに寄った時は、天井にレンガを緩いアーチ状に積み上げている最中でした。この女性オーナーが、直接、職人に指示を出しながら造作を進めている様子に対し、私は、イタリア人が日本の食文化を広めてくれることに敬意を示しました。程なく準備万端整い、Jeフィリピン人寿司職人を雇い、立派な内装の店に仕上がりました。写真を撮り忘れましたが、この店は、モダンイタリアンの素敵な店です。

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この日は、お祝いを兼ねて訪れました。海外で日本食を食べないことを主義としていた私が、後学のためとはいえ、一回の滞在で三回も日本食を食べるのは特異なことです。

入り口に開放型のの厨房があり寿司種が並んでいます。この見せ方はLEGAMI SUSHI & MORE と同じです。ただし、海老は、生スカンピ海老も生ガンベロ・ロッソ(Gambero rosso ）も無く、手一束のものを茹でて開いた海老です。Tonno（マグロもカツオもカジキもTonnoです）が美味しそうです。2009年にシチリアのCataniaのマーケットで売られていた生の地中海マグロ(20EUR/kg)の赤身〜中トロに似ています。

まずは、文字が小さいですが、拡大していただき、メニューをご覧ください。

・ANTIPASTI
・CARPACCIO
・PERLINE DI SUSHI
・TARTARE
・TARTARE ALLA PERLA
・URAMAKI CLASSICI
・URAMAKI SPECIALI
・TEMAKI
・SASHIMI
・NIGIRI CLASSICI
・NIGIRI SPECIALI
・HOSOMAKI
・CHIRASHI
・SUSHI MIX
・NIGIRI MIX
・SASHIMI MIX
・SUSHI & SASHIMI MIX
・PIATTE CALDI
・PLATTI CALDI
・INSALATE

と、盛りたくさんです。

私たちは、Carpaccio (Pesce Bianco) 8.5EUR 、とCarpaccio (Tonno) 10EURとNIGIRI MIX (20 pezzi) 14EUR とCHIRASHI (Tuna) tonno,ikura 10EUR とZuppa di Miso (cipolla e vongole) 3EUR を頼みました。

他に日本酒があったので「松竹梅(米国産)」を4合瓶でもらいました。

CHIRASHI (Tuna) tonno,ikuraの酢飯は、少し甘く柔らかいですが、人肌の温もりが残っていて、マグロの状態も良く美味しく食べることができましたが、やはり問題は、NIGIRIの酢飯です。エントランスでは、持ち帰り寿司も提供しているので、不特定多数の来客に対応するため、予め作り置きした酢飯が使われています。甘く、柔らかく、冷たい酢飯は、どんな寿司種を合わせても美味しくありません。さらにイタリア人は、山葵（粉山葵）を嫌う人がいるのでNIGIRIは、サビ抜きです。たっぷりの醤油に山葵を溶いて、たっぷり浸して食べるのがイタリアンです。困ったものです。

アサリの味噌汁も、変な出汁を使っているので、アサリの香りが消えています。一応、調理人には、「日本では、出汁は使わないのですよ。」と忠告したのですが、「これが当店の味だから。」と言われ、私は黙ってしまいました。オーナーも従業員も一所懸命なのが伝わってくるのですが、何かやりきれない思いが残りました。救いは、午後7時過ぎになるとほぼ満席状態になり、繁盛していたことです。頑張って欲しいですね。