[Palazzo Montecitorio裏]ビブグルマン獲得の今風なローマ料理店 : Poldo e Gianna Osteria

相も変わらずローマ市内散策を続けていますが、明日には帰国の途に着くのでそろそろ歩き納め。
毎日市内を歩いて路地という路地を巡っていますが、コロナ明け5年ぶりということもあって新たな発見ばかりです。
いま、ローマ市内ではARGENTINAと書かれたジェラテリアが至る所にあって、結構な人気になっています。
アイスクリームにケーキやクッキーなどを混ぜ込んだものが流行りのようですね。
甘いもの大好きのイタリア人デブ化計画が密かに進行していますよｗ

それと何故かフィレンツェのSchiaccia：スキャッチャータが大流行しています。
要はフォカッチャにハムやチーズを挟んだパニーニで珍しくもなんともないものなんですけど、All'Antico Vinaioという店がローマのロトンダ広場の近くにできて、これが若者に受けたらしく開店からずっと大行列。
既にNYやLAにも出店していますから、あと半年もすると新宿か難波か中洲川端辺りに上陸すると思いますｗ

で、歩き回っている時にワイフが見つけたのがこちらのお店。
メニューだけが通りに出ていて、路地の奥に入ったところに控えめな感じでちょこなんとした店がありました。
ワイフは絶対に美味しいに違いないと確信していますが（根拠不明ですが雰囲気かな？）、生憎中休みの時間で入口は鍵がかかっており、人気もなかったのでネットで検索したら、お、ビブグルマンではないですか。
今回は星付きの店はもちろん、ミシュランに縁のある店には行かなかったので、The forkという予約サイトから即予約しました。

日本の飲食店予約サイトって予約する側が手数料を支払いますが、ヨーロッパでは反対で、客は予約サイトから無料で予約が可能です。
日本もそうするべきだと思うんだけどなぁ・・・ビジネスモデルとして如何なものかと。

ということで、翌日のPranzoを予約していそいそと訪問。
開店時間の12時半に伺ったら吃驚、なんと店の前に行列ができてます（数人ですけど）、予約してないんだけど入れる？いや今日は予約でいっぱいだ、との会話が我々の前数組で繰り返され、我々の番です。
Ho, prenotazione oggi, mi chiamo cose così, siamo in due.
と伝えると、予約票の名前を確認してどうぞその男が案内しますと。
地元の皆さん、サイトがあるんだから予約しようね。

店に入ると思ったより広く、驚いたことにメインダイニングは階段を降りた地階でした。
一階にもそこそこのテーブルはあるんですが、地階は広々としていて明るく、壁にはカンティーナ顔負けのワインの数です。
これはワイン選びが楽しそうですねw

アクア・ミネラーレはなぜかアクア・パンナ、フィレンツェの水です。
ワインは散々迷った末、Cantina Sant'AndreaのDune Biancoにしました。
今回は最初から最後までほぼ地元のワインを飲み続けましたので、今日もラツィオのワインです。MalvasiaとTrebbianoのブレンドですから、先日いただいたパラヴィチーニと同じですが、味わいはかなり違っていて、果実味控えめ＆ミネラル感が強く、とても個性的です。
グレープフルーツのような酸味と苦味も感じます。

で、ワイフのアンティパストはモッツァレッラとトマトのサラダ。
身体が生野菜を欲しているんだと言っていますｗ
まあ毎日生野菜は食べていますたが、確かにトマトはサラダではなくソースでしたから、ガッツリ召し上がってください。

では私はPolpette Baccala’行ってみましょう。
プレゼンテーションが大変お洒落ですね。
ポルペットは揚げ団子、コロッケのようなものです。
鱈の身をねっちり練って大量に詰め込んで揚げてあります。
2つ重ねてあって、敷いてあるソースはタルタルなんですが、間のソースはハーブが刻んであります。
うーん、品の良い揚げ物ですねｗ
とても美味しいんですけど、なんだかローマな感じがしない・・・
これだけローマ人に大人気なんですから、これがローマのトレンドなんでしょうね。

続いてプリミ。
ワイフはトマトつながりでそのままトマトソースのスパゲッティ、私はリガトーニのカルボナーラです。
出て来て驚いたのはポーション、銀座のイタリアンみたいなお洒落な盛り付けでちょびっとですｗ
バジルの葉が刺してあるなんて全くローマのイメージではないですけど、まあこういう店もあるんですねぇ。

私のカルボナーラもポーションが小さくて驚きました。
塩気もやや控えめで、ローマで食べている気がしないｗ
なんだか拍子抜けな感じですけど、まあこれだけ高血圧と糖尿病の多い国ですから、ヘルシーな味わいのものが受けるのも理解はできます。

プリミがこれまでいただいたどの店よりも軽いので、ワイフも問題なくメインに行けます。
ワインは同じくラツィオのnello buonoという極めて造り手が少ないという赤をいただいて、ワイフはStracotto di Capocollo di Maiale al Marsala：マルサラ酒に浸けた豚肉のカポコッロ（生ハム）の堅焼き、私はQuarto di Pollo Disossato alla Cacciatora：骨を抜いた鶏モモ肉のカチャトーラをいただくことにしました。

ワイフのストラコットは直訳すると煮過ぎとか焼過ぎという意味で、簡単にいうと水分がなくなるまで徹底的に火入れするという料理です。
面白いもの選んだねｗ
ただ、ワイフ曰くややカポコッロから水分が抜けすぎてパサついているとのこと、また上に乗っているロマネスコの葉っぱは反対に油が強いそうで、ワイフ的には△のようです。

私のPollo：鶏モモ肉は骨が抜いてあって、中にカチャトーラ風のトマトソースが仕込んであり、つけ添えはソテーしたCima di Rapaです。
美味しいんだけど、トマトソースは上からかけたほうが食べやすいし肉のパサつきも防げるんじゃないかなぁと。
Cima di Rapaは苦味が少しあってとても美味しかったです。

最後にエスプレッソをいただいてフィニート。
我々がイメージするローマ料理とはかなり違うものでしたが、それでも現代風にアレンジされていて洗練された印象を受けました。
ただ、洗練されたからって美味しくなるということではなく、慣れ親しんだクラッシコなローマ料理がやはり口に合うんだなと実感しました。
料理って＆味覚ってconservatoreなものですねｗ

ただ、店の雰囲気とワインは素晴らしかったので、こちらではワインを目的にゆっくり食事することをイメージしてまた来たいと思いました。
店を出ると外は開店時よりもさらにたくさんの人が待っていて吃驚、並ぶのが大嫌いなローマの人がこれだけ我慢強く店の前に居るとは、相当の人気店なんですね。
こういう店が受けるんだねぇ・・・

ご馳走様でした！！