オルビアの気の置けない地元密着型トラットリア　こんな店が近くに欲しいなぁ : TERRA NOSTRA

オルビアに来ました。
年末だというのに陽射しが強く、日中の気温は20度くらいあって温かいどころか暑いです。
決して大きな街ではありませんが、海に面していて風光明媚、街並みもゆったりしていて気持ちが和みます。
復活する前の熱海というとわかる人にはわかると思います（笑）。
季節外れのちょっと寂れた感じがまたいいですね。

何でオルビアまで来たかというと、ガッルーラ地方の名物料理zuppa alla gallurese（ズッパ＝スープですけどパングラタンのようなものです）が名物の店があるらしく、ズッパ・ガルレーゼにはまってサルデーニャに移住した変わり者のジェノバ人の料理を札幌で食べたワイフが是非行きたいとのことで（長い）、はるばる来たぜオルビア。
街の中心部はシーズンオフで静かです。目当てのリストランテに行ってみると案の定ナターレの期間は年末まで休業と書いてありました。残念ですが、仕方がありませんね。
また来ればいいやと（いつ来れるかわかりませんけど）思いつつ、近くのホテルに勝手に入り込んでレセプションで他にズッパ・ガルレーゼがいただける店がないか聞いてみたところ、ここはガッルーラ地方じゃないから心当たりはないとのことで、代わりに自分がよく行く地元の美味しいお店を紹介するわと教えてくれたのがこちらの店です。
サルデーニャの人は皆さん本当に親切です。ありがとうございます。

お店に着くと入口でカメリエーレが本日のdel giorno（本日のオススメみたいなものです）のボードを出して周囲を掃除しているところだったので開店前かなと思ったらもうやっていると。開店してから掃除するんですね。
で、当然ながら本日の口開け客（イタリア語でなんて言うんだ？）として店内に。

ガラス張りの店内は飾り気はありませんけど、天井が高くて気持ちの良い空間です。
厨房は奥にあってオープンキッチンではありません。
Hotel Cavourのアンナマリアさんに聞いて来たと言ったら、黙って泡が出て来ました。
何か提携でもしているんでしょうか（笑）。ありがたくいただきます。

本日はサッサリで朝飛び切り美味しいパニーニをいただいただけでひたすら運転でしたので（途中寄り道したけど）お腹は準備万端、美味しいものなら皿まで喰ってやる状態です。
アンティパストからボリュームのあるものをいただきたい気分で、魚介のフリット盛り合わせとガンベリのサラダをお願いし、ハウスワインをカラフェでもらいました。

オルビア周辺にもカンティーナは50くらいあるそうで、こちらのVino bianco della casaはPedresという地元にある小さい蔵のもの、もちろんヴェルメンティーノ100％です。
良く冷えていて口当たりがとても良く、飲みやすいワインでした。数を作っていないのでオルビアでは数軒の飲食店に卸しているだけだそうですよ。
こういうワインはここまで来ないとなかなか飲めないので嬉しくなります。
甘みと酸味のバランスが良く、アペリティーボにも向いていますね。
胃が拡張する感じです。

程なくして魚介のフリットにガンベリとオレンジを盛り付けたサラダがやって来ました。
いや、かなりのボリュームですが、お腹が減っていますから早速やっつけにかかりました。
フリットはイカとタラ、エビがこんがりと美味しそうに揚がっています。
レモンをたっぷり絞ってティレニア海の幸をいただきました。ワインにもよく合います。
オルビアまで来てズッパ・ガルレーゼにありつけなかったのは残念でしたが、こんなに美味しいフリットが食べられれば、気持ちも随分と持ち直します。単純だ（笑）。
ガンベリのサラダも塩コショウと新鮮なオリーブオイルにバルサミコだけでシンプルに美味しいです。やっぱり素材が良いんですね。
これまで（ってまだ3日くらいですけど）サルデーニャでの食事は当たりばかりなので、全くこの島は食いしん坊天国だなと思っていましたが、またまた当たり。
アンナマリアさん、あなたの味覚は素晴らしい！
イタリアには大手チェーン店がなかなか入りこめていませんから（マクドナルドだけは結構見かけますが大抵アメリカかC国の団体客が占領しています）、こういう地元密着型のお店が頑張れる土壌があるんですね。

さて、プリミに行きましょう。
プリミは同じく魚介のravido（ラヴィオリのことです）とサルデーニャ風カルボナーラcarbonara alla sardaをお願いしました。
ローマのカルボナーラと何が違うのか聞いたらalla sardaにはボッタルガを入れるんだそうです。
カルボナーラにボッタルガ入れちゃうの？とちょっと驚きましたが、大量に入れているわけではないので、結果的にそれほど味のイメージが異なる印象はありませんでした。
日本のカラスミはちょっと塩分強めのイメージが強いですが、ボッタルガは塩分控えめでしっかりした旨味と特有の香りがポイントです。
パンチェッタとペコリーノ・サルドをこれでもかと使ったカルボナーラは濃厚なのに全くしつこくなく、むしろあっさり感じられるくらい品の良い味でした。ボッタルガ効果なのかな。
どちらかというと重たいイメージのあるカルボナーラが軽く感じられます。
これはこれで美味しいなぁ。

どうやって作ってるの？と聞いたら、ほんの少しだけサワークリーム：panna acidaを入れているんだそうです。
なるほどね。
カルボナーラには牛乳を入れちゃダメ！日本はそれだから本物が定着しない＆なんちゃってイタリアン駆逐しないといつまで経っても美味しいパスタが食べられない！と教条主義的に叫ばなくても、イタリアでサワークリーム（ほんの少しですけど）使っているんですから、頭は柔らかくしないとね（笑）。

ravidoの中身は普通お肉ですが、こちらではタラとイカを粗く潰したものを詰めているそうです。
ジェノバ風の香りの高いグリーンソースがかかっていて、こちらもボリューム満点ながら魚介なのでやっぱり軽いです。
こちらにもボッタルガが振りかけてありますが、コクを増しこそすれしつこくはありません。
サクサク食べられるのにいくら食べてもなくならない量をがつがついただきました。
写真は予めシェアして出してくれたので少ないように見えますが、実際はこの2倍の量です（笑）。
昨日アルゲーロでいただいたラヴィオリとはまた違って、豪快な感じでした。

お腹はかなり膨らんできましたが、美味しいものはまだまだ入ります。
早々にギブアップしてカフェを頼んでいるワイフを尻目に、トンノのステーキに挑むことにしました。
昨日ワイフが食べたマグロステーキが途轍もなく美味しかったのですが私に一切れしかくれなかったので（笑）、マグロ好きの日本人を唸らせるような美味しいのお願いします！

15分ほどして出て来たマグロステーキは香草焼き風の昨日とほぼ同じスタイルながら、血合いの部分が一緒に焼かれていてこれがとんでもなく美味しかった！
マグロステーキってこんなに美味しいものなんかい！？ってびっくりするほどの味わいでした。
期待に違わず美味しいものに巡り合えて幸せです。
きっとzuppa alla gallureseも美味しいに違いない（笑）。
サルデーニャに来てまだ数日ですが、何を食べてもマイギネス更新しまくりなので楽しくて仕方ありません。

我々が口開けの客だったのに、気がつけば店内は満席。
中を覗いて出直してくる人もいますから、地元の人気店なんですねきっと。
こんな店が近くにあったら通うに決まってます。
お腹いっぱいで、午後の予定を練りつつカフェをいただいてフィニート。
アンナマリアさん、ありがとう！
次回オルビアに来たら必ずHotel Cavourに宿泊します！いつになるかわからないけど。

ご馳走様でした！！

と言いながら、近所のジェラテリアでソルベを食べちゃいました。
こんなに食べたら太っちゃう！って全然気にしてないでしょ（笑）。