創作的要素がありますが、技術力の高さに感心しました。このお店もパドバ最高峰のお店だと思います。 : Tola Rasa

日本から予約した最後のお店への訪問です。
パドバ駅近くのホテルグランだイタリアから歩いて行きました。
下見の際はHotel Europa Padovaからまっすぐ西に向かえばよかったので、
迷わずに到着できましたが、今度は南西に向かい、途中、細い道を
適当に通って行きましたので、結構遠回りしてしまい、30分以上歩きました。
wifiが支えて、本当によかったです。Padova中心部から外れますので、
お客さんは私を含めて、3人だけでした。題名にも
書きましたが、技術力の高さにもかかわらず、お店が閑散としていたのは
少々可哀想な気がします。お料理を運んできてくれた方はここの一番のシェフ様だとは
思いますが、他のお店のシェフ様からは感じない体から滲み出るオーラがすごくて、
相当の技術力を持っている感じがしました。そのシェフ様はお料理をせず、
通常、女性スタッフがなさる仕事をしておりました。
ちなみに女性スタッフはいませんでした。
もっと流行っても良いお店とは感じました。

イタリアンのコース料理連続5日目ですが、外国モードに自分が変わっているせいか、
別に飽きません。このお店が日本から予約した最後のお店です。今は
ネットがあって、実際に電話をかけないで予約できるので、本当に
ありがたいです。

(1) Prima

二品ありました。

(a) 白いものはフレッシュチーズです。
赤いものはビーツから作られていると説明を受けました。
中にカツオのマリネがあります。また、すいとんみたいな味と
食感のものもありました。これはあまり美味しくありませんでした。
カツオのマリネは普通に美味しかったです。一方、フレッシュチーズは
モッツァレラでもなく、自然な甘みさえあり、相当美味しく感じました。

(b) 衣が付いているかもしれませんが、ほぼほぼ子海老の素揚げ。
香ばしくて、また、ミネラルのある塩味もちょうどよく、美味しいのですが、
もうちょっと、何かと組み合わせて、相乗効果で美味しくしていただけるとありがたいです。
既にレビューしました、Belle Parti様よりは良いですけれど。

(2) お水はSurgivaでした。このお店のグラスは料理終盤まで全く匂いがしませんでした。

(3) パン

(a) プレッツェル

焼き立てのプレッツェルを初めていただきました。表面はまだ、硬くなっておりません。
中にピスタチオが入っていました。ピスタチオ自体の味が淀んだ感じの味だったので、
プレッツェルの味の相性があまりよく感じませんでした。生地自体は良い味と
感じたので、何も入れずに普通のプレッツェルを焼き立ての状態でいただきたかったです。

(b) 全粒粉のパン

かなり、全粒粉が前に出ていましたので、かなりの配合と感じました。
このパンもよかったです。

(c) ブリオッシュ

確か、玉ねぎがトップにありました。これは日本の惣菜パンにありがちな味で
他の品よりグレードは低かったと思います。焼き立てなので、
それなりに美味しいことは美味しかったです。


(4) フリット

大根とポテトと玉ねぎと海老のフリットでした。薄い衣の天ぷらには敵わないと
思いますが、このフリットはかなり美味しかったです。輪郭があるように硬く
上がっていながら、軽い感じで非常によかったです。大根のフリットは
初めていただきましたが、意外にイケていました。海老は良い天ぷらには
勝てないとは思いましたが、これはこれで、高温の海老の天ぷらの雰囲気が
あり、海老の味も色濃く感じられ、よかったです。玉ねぎのフリットも塩味が程よく効いて
よかったです。

(5) 温野菜

私はベジタリアンでは全然ありませんが、ベジタリアンのためのメニューとして
提供しているとはおっしゃったと思います。具材として、
きゅうり、ズッキーニ、インゲン、
パプリカ(黄)、玉ねぎ、人参、ブロッコリーがあります。
ドレッシングはいくつもかけていたと思います。
茹で方が上手なのかもしれませんが、いくつかの野菜が
甘く感じました。パプリカ、玉ねぎが甘く感じ、きゅうりは
きゅうり自体が日本のものには感じないほのかな甘さを
感じました。ソースの味はほぼ忘れてしまいました。かすかに
ズッキーニのソースの味を覚えている程度です。

(6) パスタ

カラスミのパスタでした。イタリアのカラスミ(サルデイーニャ産)が
日本よりもはるかに古い歴史を持っていることを初めて知りました。
日本では「これをカラスミと言う」と私が申し上げると、
シェフ様は何度も熱心に発音を聞かれ、メモを取っていました。
味はちょっと、表現し難いのですが、味自体は覚えています。
日本の方が全然優れていると思います。塩気もかなり強いです。
食感もちょっと、やや柔らかく、粘着系な感じで
日本の硬い感じの方が個人的には好みです。
パスタはやはり硬い感じです。全体的な味はカラスミの味＋チーズ＋オリーブオイル
の味で間違いのない味でした。


(7) 魚

ここまでは全体的にかなりよかったのですが、また、
日本の魚が世界的に突出しているかもしれませんが、
このメインの品だけが他よりかなり落ちる印象を持ちました。
クロマグロだと思いますが、何か慣れ親しんだ味と違うせいか、
違和感を感じました。かなり強固な筋があるのもありますが、
なんか身自体がなんと申しましょうか、硬いと言うか膠着した感じで
柔らかいものを好む日本人好みとは違う感じでした。
味も酸味旨味のバランスの良いものとは違う、初めて食べる味でした。
品格は感じますが、言葉にしづらいのですが、何かちょっと、
違うなあとは感じました。魚は食べ方は日本が世界一なのでしょうね。
この品がもうちょっとよければ、もう少し高得点になり、全体的な印象も
かなり変わったと思います。他に良いものがあるだけに残念ではあります。
ソースはバルサミコ＋オリーブオイル(ピュア)だったと感じました。
ソースは普通に美味しかったです。

(8) Dolce1

手渡しでいただきました。
創作性には驚きました。フォアグラをキャラメルで包んだもので、
手渡しでいただきました。フォアグラは状態の良いものだとは
思いましたが、全体的な味はやや微妙で、この創作に走るほどには
特別に美味しいものではありませんでした。周りのキャラメルの
歯にまとわりつく食感とフォアグラの食感を楽しむようなものでしか
なかったと思います。

(9) Dolce2

ラズベリーと説明を受けました。フランボワーズとも言いますよね。
上のアイスクリームもフランボワーズのもので、フランスでは典型的な
味のものと同じもので、美味しいものでした。下の白いものはホワイトチョコで随分と
柔いものでした。フランボワーズはどこも同じ味なのですかね。日本で食べるものと
同じでした。昨日、家のラズベリーをいただきましたが、採れたてだとやはり
力強いフレッシュさが市販のものとは違います。

(10) 小菓子

(a) ストロベリー味が中にある、ラズベリー味のキャラメルで
包んだもの(右手奥)

これは相当印象に残りました。ラズベリー味のキャラメルの包みのしなやかさを
感じる食感がすごく印象に残りました。カチカチな感じではなかったので、初めて
いただく食感でした。味もまずまずでした。

(b) ココナッツをまぶしたホワイトチョコ(右手前)

これはまあ普通に美味しいものでした。

(c) ウオーターメロンのジュース(左手前)

なぜ、これがここで提供されるのかわかりませんが、違和感は感じました。
味は普通のスイカの味を自然に濃縮した感じに感じました。砂糖の甘さが続くので、
自然な甘みのものを挟むという意味なのでしょうかね。

(d) ガトーショコラが下にあり、真ん中に生クリーム、上にメレンゲ(左手奥)

ガトーショコラはしっかり小麦粉が入り、ぎっしりした感じのもので、
これも普通に美味しかったです。


(11) エスプレッソ

グランダイタリアのものより濃いです。上質は上質ですけれど、
やはり個人的には濃すぎるかとは感じました。


街中からは遠いという難点はありますが、期待感が持てる、なかなか面白くて、
良いお店だとは感じました。お値段は100eをわずかに超える程度だったと思います。