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桑畑三十郎さんの他のお店の口コミ
「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら
| 店名 |
Peppe Zullo
|
|---|---|
| ジャンル | イタリアン |
|
予約・ お問い合わせ |
(+39) 0881964763 |
| 予約可否 |
完全予約制 冬季は予約がないと営業しないことがあるので問い合わせてください |
| 住所 |
イタリアPiano Paradiso Street, 71027 Orsara di Puglia |
| 交通手段 |
最寄り駅Foggiaから近隣までバスが出ていますが、1時間ぐらいかかりますので車がおすすめ |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算 |
¥8,000~¥9,999 ¥6,000~¥7,999 |
| 予算(口コミ集計) |
|
| 個室 |
有 |
|---|---|
| 空間・設備 | オシャレな空間、席が広い |
| ドリンク | ワインあり、ワインにこだわる |
|---|---|
| 料理 | 野菜料理にこだわる |
| 利用シーン |
|
|---|---|
| ロケーション | 景色がきれい、一軒家レストラン |
| ホームページ | |
| 公式アカウント | |
| 初投稿者 |
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南イタリアのくるぶしあたり、プーリア州の山奥・オルサーラにあるレストラン。
プーリア州がどういう所かというと、州一番の大都市・バーリのサッカーチームがイタリア中北部のチームと試合すると「アフリカに帰れ~」というヤジが飛ぶという、埼玉県民としては涙を禁じ得ない逸話があるほどのド田舎らしい。
実際、プーリアに行くと言ったら、知り合いのイタリアンシェフ達から「人がいない」「草しかない」「料理も草ばっかり」などと、これまた埼玉県民としては涙を禁じ得ない情報をいただいた。
草しかないプーリアのなかでも、さらに山奥に入って、いよいよ狐か狸に化かされるか、といった雰囲気になってきたあたりで「ペッペ・ズッロ」があらわれる。
ペッペ・ズーロとはオーナーシェフの名前で、結城貢と高須クリニック院長とすしざんまいの社長を足しっぱなしにしたような強烈なキャラクターのおっさんである。
アメリカとメキシコで大成功したのち、故郷のオルサーラ・ディ・プーリアに戻ってプーリアの伝統料理を再興し、テレビ番組で活躍し、故郷の町おこしに貢献し、ついでに結婚式3つとレストラン2つとホテルも作っちゃったあたりで高須院長っぽくなってきている。
レストランはほぼすべて自給自足。野菜と野草はおっさんが「パラディーゾ(楽園)」と呼ぶ広大な農場と森から、チーズや肉は専用の牧場から、ワインもブドウ畑とワイナリーを持っている。
料理はプーリア州の素朴な伝統料理をアレンジしたもの。
焦がし小麦を使ったオレキエッテ(耳たぶ型のパスタ)は、昔この地域がとても貧しく、農民は収穫後、わらを焼いた後に残った小麦の粒を拾って粉にしていたことに由来する。今はその香ばしさが食通達に受けているという。
オフシーズンであれば「料理ショー」のような形で、手打ちパスタの作り方を教えてくれる。ソースは冬のプーリアを代表する野菜、チーマ・ディ・ラーパと白インゲン豆を使った優しい味。
「パラディーゾ」で摘んだ野草やハーブも多用される。日本では青い花が使われるボリジは、毛深い葉に衣をつけて揚げ、レモンを絞る。そのままでも美味しいが、さらに自家製トマトソースと自家製チーズを重ねてオーブンで焼く。完全にイタリアンの調理法なのに、なぜか「天つゆでブワブワになった天ぷら」の味がする。「ちょっと、ブワブワの天ぷらの味しない?」と同行者に聞くと「本当だ! 富士そばの春菊天の味だ!」と叫ぶ。イタリアで暗黒醬油味に飢えていたのかもしれない。
その他、日本でも道端に生えていそうなスイバ系の雑草(ビエートラ・セルバーティカ)とか、アザミっぽい雑草(チコーリア・セルバーティカ)なんかも登場して、まるで山梨の仙人小屋だ。
レストランの地下に「イタリアで最も美しいワインセラー」に選ばれた一角がある。
ワインセラーなんてレベルのもんではなく、ズッロはここを「町」と呼んでいた。30年ほど前に地震で倒壊した町の廃材を使い、通路の両側に商店街に見立てた地下室を配置している。
例えば自家製トマトソース貯蔵庫、自家製チーズ・サラミの熟成庫、ワインの試飲用スペース、ウェディングケーキなどを貯蔵しておく「天使の部屋」、さらに一番奥には、自社ブドウ園から作るワイン貯蔵用の大きなタンクがいくつも。地下がワイナリーになっているのだ。
ワインは赤白ロゼの3種類のみ。プーリアのワインらしく、赤やロゼがさっぱりしていて魚料理にも合う。お土産に買ったグラッパが非常に美味しかった。
オーベルジュもやっていて1人60€で泊まれる。なぜか女性2名なのに真っ赤なダブルベッドの部屋をあてがわれ、微妙な雰囲気になった。
帰りに無理やり渡された「ペッペ・ズッロのおっさん自撮り全集カレンダー」が本当にいらんと思ったが持ち帰ってきてしまった。(最後のほうの写真)
こんなド田舎のレストランに果たして日本人が行くのだろうか、と思っていたら、なんと日本人のコックさんが2人も修行していた。(そのうち1人はサローネ2007の元スーシェフだった)
料理人の間では、プーリア州の料理を知るならココ、と知られている店らしい。テンションの高いオッサンを眺めるだけでも、60€の価値はある。