日本料理吉寿、ラーメン吉寿、バー吉寿の三役をこなす多才振りを発揮 : 東山 吉寿

この日はかみさんと京都を散策。
　
やって来たのがこちらの割烹料理店。

場所は、京都市東山区妙法院前側町というエリアの住宅街の一角。

ご主人は、京　YUNOHANA　RESORT　翠泉で料理長を務めたあと、
2018年9月1日にこちらのお店をオープン。
わずか1年でミシュラン☆に輝いた注目のお店になります。

こちらのお店は、夜は18：30の一斉スタート。
入店は18：15からになります。

おまかせコースは16000円（税・サ別）オンリーになりますので
そちらを予約しての訪問になります。

暖簾をくぐって店内に入ると、左手にテーブル席。
奥に11名がけのL字カウンター。

本来は8名くらいで使ってそうなのですが、私が後から割り込んだ形で、
そこそこ窮屈な席間になっていました。
いやあ、申し訳ないですねえ（＾＾；
予約時に無理やり押し込んでくれたようですので。

こちらのお店の料理は毎月テーマを決めて提供するスタイル。

2019年11月のテーマは、「丹波の食材とラーメン」。

予約時に「ラーメン」と聞いて一瞬テンションが下がりましたが、
まあそこは当たり前のことはしないんだろうなと思っての訪問。

我々はL字カウンターの一番手前に案内されました。

BGMは静か目にクラシック。

全員が揃い、皆さんにドリンクが行き渡り、
18：30を少し過ぎてからコースの始まりになります。

この日に頂いたものは以下になります。

・アサヒスーパードライ生　？円
　　私のオーダーです。
　　へこんだグラスでのサーブ。もちやすくていいですね。
　　泡がなかなか消えないのは素晴らしかったです。

・梅酒ソーダ割り　？円
　　かみさんのオーダーです。
　　シャンパングラスでのサーブ。
　　普通に美味しいです。

・先付
　　てっちりのばちこ添えです。
　　ベースは白菜の河豚のスープ。
　　味付けは、炙ったばちこに薄塩のみで。
　　スッキリと透明感のある河豚の出汁ですよ。
　　そこに炙ったばちこの香りと旨みが加わって。
　　ほっこりと温まる先付でいいスタートですね（＾＾）

・前菜
　　丹波の焼き松茸、あん肝と柿のなますになります。
　　この値段のコースで丹波の松茸が食えるのは有難い限り。
　　国産松茸の芳醇な香り。こりこりの食感。
　　なますには、丹波の蒟蒻、松の実、九条ねぎも入っており、
　　ドレッシングのようなたれで和えていました。
　　このドレッシングの味付けが旨くて（＾＾）

この日使う食材の一部のプレゼンテーション。
なんとこの値段のコースなのにキャビア様も！

・椀物
　　甘鯛と湯葉の椀物です。
　　甘みの効いた吸い地だった印象。
　　甘鯛はひとしおをしているようで旨みが濃くなっています。

・花垣 純米60 無濾過生原酒 福井　？円
　　私のオーダーです。
　　お猪口を選べるのですが、そのお猪口に一杯だけ注いでくれます。
　　徳利のサーブは無し。
　　最初は意味が分からなかったのですが、
　　ご主人は利き酒師の資格を持っており、
　　お酒はご主人のおまかせのペアリングのような形でサーブされます。
　　こちらのお酒はまったりと絡み付く飲み口。
　　甘味と酸味が濃いですね。

・向付１
　　てっさ炙り キャビア乗せです。
　　ここでキャビア様の登場。
　　河豚はコリコリ食感の炙りで旨みがあります。
　　そこにキャビアの旨味と塩気をプラスして。
　　これはたまらんぜ。

・向付２
　　しびです。鮪の子供ですね。
　　普通の醤油ではなく、半熟卵黄、醤油、鮪節で頂きます。
　　しびはあっさりとした部位ですが、
　　この特製だれのおかげで濃厚さも加わりました。

ここでこの日の食材である伊勢海老のプレゼンテーション。
その後、ご主人が伊勢海老をスピーディーに捌いていきます。

・松の司 大吟醸 しずく　？円
　　私のオーダーです。
　　なんと2007年に出来上がったもの。相当寝かせています。
　　飲んでみると丸みのある味わい。
　　まさに寝かせたなあという味ですよ。
　　酒の種類が変わるたびにお猪口も変えるのですが、
　　大きいお猪口を選んだ方が同じ一杯でもお得に思えたので、
　　これ以降は大きめのお猪口を選ぶことに（＾＾；

・柚子酒のソーダ割り　？円
　　かみさんのオーダーです。
　　これは甘過ぎなくて旨いです。私も美味しく感じました。

・替鉢
　　今回のテーマであるラーメンの登場。
　　いちご煮風ラーメンです。
　　出汁は干し貝柱、蛤。そして、生の雲丹をトッピングして。
　　麺は太麺やや縮れです。
　　雲丹は根室と大分産の2種類を使用。
　　青森のいちご煮をイメージしたラーメン。
　　ですが、私には雲丹は余計に感じました。
　　雲丹の磯臭さが出てしまっていた印象で。
　　雲丹は刺身として別に食べた方が私には良かったです。

・強肴
　　燻製チーズです。保温されており温かい状態でのサーブ。
　　そこにマリアージュされるのは、ウイスキーと炭酸が
　　一対一のハイボール。なので濃いですよ。
　　チーズをかじってからすぐさまハイボールを。
　　チーズはまったりと程よい燻製で。

・焼物
　　天然鰻の皮のパリパリ焼きです。
　　なんと鰻の皮を剥いで、それをパリパリに仕上げたもの。
　　身は蒸し焼きのような状態で、青ねぎとらっきょうの薬味を添えて。
　　これは本当に皮がパリパリで香ばしくて旨かったです。
　　それにしてもどうやって皮を剥いだんだろう？？？
　　企業秘密だそうです。

・杉勇 純米　？円
　　私のオーダーです。
　　ほんのり甘味、米の旨味。これも旨いですよ。

・蒸し物
　　朝鮮がざみと蕪の蒸し物です。
　　蕪の皮、礼文島の昆布、かつお節で出汁を取ったそうで。
　　蕪は食感を残して炊いています。これは好みですね（＾＾）
　　がざみとは渡りがにのことですが、かにみそも入っていて旨いですよ。
　　生姜も効かせていてポカポカ。

・焼物
　　なんと丹波の猪の焼物です。
　　難波ねぎ、麹を薬味に。
　　とにかく脂が甘いわ。豚なんかよりも味が濃厚で。
　　これは旨いなあ。

・杉勇 特別純米辛口 ＋10原酒　？円
　　私のオーダーです。
　　程よい辛口テイスト。
　　アーモンドのようなフレーバーが印象的でした。

ここで伊勢海老のあら煮のプレゼンテーション。

・煮物
　　伊勢海老と海老芋のあら煮です。根三つ葉を添えて。
　　海老芋がねっとりと伊勢海老の出汁をまとって旨いわあ。
　　正直、伊勢海老の身よりも海老芋がメインの皿だと思います。
　　伊勢海老は出汁を提供するのみで。

・凌ぎ
　　からすみとむかごのおこわです。
　　味付けはからすみの塩気のみです。
　　シンプルで美味しいですよ。

・食事
　　〆は今回のテーマであるラーメンが再度登場。
　　今度は、丹波地鶏のラーメンです。
　　丹波地鶏、豚ミンチで出汁を取っています。
　　具はチャーシュー、メンマ、ねぎ。
　　麺は先ほどと同じ太麺やや縮れのプリプリ食感。やや固めで。
　　とにかくスープが極上でしたよ（＾＾）これは好み！
　　東京の人気店でもこのレベルはなかなか食えないのでは？

・水菓子
　　りんごのカクテルです。
　　りんごシャーベット、りんごリキュール、りんごをミキシング。
　　そして、りんご酢、トニックウォーター、ミントを加えて完成。
　　ご主人自らシェイカーを振って。ほんと多才ですね。
　　出来上がったものは私には甘かったです。
　　酒が好きな人にはジンを加えてくれると有難いですね（＾＾）

これで消費税とサービス料の15％を合わせて〆て44400円。
一人当たり22200円。

これは安いわ。

キャビアや丹波産松茸、甘鯛、河豚、鰻、伊勢海老などの
高級食材をふんだんに使用しているのに。
さらには14皿もの料理の数々。ボリュームもたっぷり。

そしてご主人のエンターテイメント性には脱帽ですね。
お客様を喜ばせようという姿勢をひしひしと感じました。

この日は、日本料理吉寿、ラーメン吉寿、バー吉寿の
三役をこなす多才振りを発揮。さらには利酒師でもあります。

ただし賛否両論があるかも。
一斉スタートの部分と、パフォーマンスが激しいのでガヤガヤするのと、
かなりの量の料理が出ますので、周りとのペース配分などで。

私はこれらはほとんど問題なく楽しめたのですが、
そうでない方は気をつけたほうがいいかも知れませんね。

ご馳走様です！（2019/11現在、4.04ポイント、ミシュラン☆）