こんなモノが三ツ星・・・? 『ロブション・オ・ドーム』 : Robuchon au Dome

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  • 雰囲気3.5
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  • 酒・ドリンク-
2012/02訪問1回目

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こんなモノが三ツ星・・・? 『ロブション・オ・ドーム』

三ツ星レストランというと、僕が思い浮かべるのはパリの『タイユヴァン』。昨今のミシュランの星付けの方針変更により、長年にわたる三ツ星から二つ星になってしまいましたが、美しい盛り付けと、伝統的だけれども、洗練された味わいの料理、シックで豪華な内装やカトラリーに調度品、食を楽しむ客層がきっちり揃っていました。ミシュランガイドは、世界の三ツ星はすべて同じ水準だと言いますが、少なくともこのレストランに限ってはまったく違うと言い切れるでしょう。マカオのグランドリスボアホテル43F、『ロブション・オ・ドーム』。

旧・リスボアホテルに代わる、新しいマカオのランドマークの頂上にあるドームが、今回ランチに訪れた『ロブション・オ・ドーム』です。もともとは隣の旧リスボアホテルの3F(現在は『ギンショ』になっているところ)にあったのですが、2011年にグランドリスボアに移転してきました。

それはちょうどマカオ旅行を計画しだした頃で、どちらのホテルに予約メールを送っていいものか悩みつつ、グランドリスボアの代表にメールするも、レストランに転送するときに僕にBCC入れるだけで音沙汰なし。いま覚えば、この時点で予約をやめておくべきだったのかもしれないけど、まあせっかくだし、と拙い英語で国際電話をかけて予約。『ロアジス』のときみたいに、カード会社を使わなかったのは、仮にも三ツ星レストランに行くのだから、予約くらいは自分でできなくちゃいけないんじゃね?と思ったから。そこには、三ツ星レストランに行く=何か特別なこと、という、まだ日本にミシュランがなかったころの夢が、僕の中にあるんですよね。電話で念のためコンファメーションのメールも頂戴、って言ったらちゃんとメール送ってきてくれたし、リコンファームの電話(英語で焦ったw)、さらにリコンファームありがとうのメールも来てたので、安心してました。

し・か・し!

当日、レセプションで名前を告げたら「昨日、誰かにキャンセルされてるわよ」と。ハァ?誰が?こちとら2日前にマカオに着いたばかりで、電話もしてねぇっつーの。おそらく、他のキャンセルと間違えたのでしょう。日本人の名前でよく聞き取れず、適当にキャンセルしたのだと推測。念のため、iphoneに転送しておいたリコンファームメールを見せ、結果的には何とかなりましたが、恐ろしいことです。ってか、そもそもキャンセルしたのなら、メールくらい入れるべきだよね。ちなみに、予約なしで来店、前日電話したけど満席だと言われた人は断られてました。

このレストランは43Fに行くために39Fのレセプションでエレベーターを乗り換えるのですが、レセプションの人はBlackberryで上に連絡してたのに、43Fではちゃんと迎える準備ができておらず、エレベーター開いたら誰もいないし。入店直後から「うーん…」が続くこんなこと、ホント初めてです。

内装はテーブルクロスなしというのも流行でしょうか。うーむ、僕の予想する三ツ星レストランとはちがうなぁ…。特に女性の場合、足が見えてしまうから+寒いので、床に着くくらい長いクロスがあって当然だと思っていたのですが。骨太な壁がイマイチですが、43Fからの景色はさすがに良いものです。宿泊中のホテル『ソフィテル』もよく見えました。

ちなみに、BGMのセンスがイマイチ。いかにも適当な「クラシック全集」みたいなのをかけてるな、という感じで、誰でも知ってるバッハやモーツァルトなどのメジャーナンバーばかり。日本人的に、一番笑えたのはショパンのプレリュード7番、太田胃酸のCM曲です(笑)いや~何かおなかがスッキリする気がしましたw い~い薬ですw

グラスのシャンパーニュは「Arlaux」でした。値段は忘れましたが、そんなに高くはない。っても、円高な上に、酒税がないからで、マカオではべらぼうな値段なのですが。ちなみに、ワインリストはipad。僕は1杯しか飲めないので見てませんが、なんか、こういうところも新しいレストランって感じですな。

バターは、塩入り・塩なしあり、フランス人のムシューが削ってくれます。まあ、特に意味はないプレゼンテーションですが、嫌いではない。

パンはやたらと種類が多く、トマト入りやベーコンエピなども。この手のパンを食事に合わせるのは好きじゃないな。むしろ普通のバゲットが欲しいのに、これだけ種類がある中にナシ。でも、パン自体はおいしいので、持って帰りたいくらい(笑)

・ベーコンとオニオン?のムースとウニ

アミューズはムース。広東語交じりの英語説明はぜんぜん分からない…。見た目もかわいく、味はやや薄めですが、なめらかなムースでまあまあおいしかった。海苔?は蛇足かな。

ここからはプリフィクスで、違う料理でもいいってので、前菜+スープ+メインをチョイス。僕だけダブルメインのコース(688パタカ・約6,880円)で、相方は558パタカ。

・Lightly smoked foie gras shaved on vegetable pot au feu aspic seasoned with horseradis
 煙鵝肝伴法式烚菜及爽滑肉凍

くるんとしたのはスモークしたフォアグラ。ジュレはポトフの出汁?に、ホースラディッシュとそのムクリーム。ガラスの器に入って、見た目も美しい。そして、フォアグラ、ジュレ、クリームそれぞれもおいしい。

でも、全体としておいしくないと思うのです。

少し話がそれますが、クラシック料理とモダン料理の違いって、一皿の中に主と従があることだと、僕は思っています。フォアグラの料理なら、しっかりフォアグラの味わいがあり、それを支え、より高める存在として、ソースやガルニが盛り込まれる。でも、あくまで主体はフォアグラであり、フォアグラ以上ではない。

それに対して、モダン料理は、さまざまな素材の組み合わせを楽しむもの。主と従という考え方ではなく、お互いがお互いを高め合うような料理。「食べた気がしない」とモダン料理がよく言われるのは、「主」がないからでしょう。でもそれは、『カ・セント』のように、素材が高め合うことに成功すればいいけど、そうでないとそれはただ単に焦点が合っていない、ボケた味わいになってしまう可能性も孕んだ料理。

このロブションの料理は、まさにその可能性を体言してしまった一皿と言えるでしょう。主を持たないがゆえに、それぞれの味は抑え目。それでも、それぞれの素材がおいしい。でも、合わせるとどうもはっきりしない味。食感のアクセントになるようなものもないし、全体がぐちゃっとしているんですね。ちょっとした味のアクセント、食感のアクセント、それが欠けただけで、すぐに全体がダメになってしまうのが、モダン料理。

モダン料理の、悪いお手本を見たような気になりました・・・。

・Gratinated Roseval potatoes with a medley of pork and black truffle served with preserved mushroom
 暖薯仔沙律伴豬肉, 黑松露菌及蘑菇

これは本当にロブションのレシピなのかな? 芋と豚肉、キノコとトリュフのメドレー、なのだそう。確かに、かすかなトリュフの香りはしますが、どちらかというとマカオ料理の「ミンチー」を思い出してしまう組み合わせ。こっちのシェフが考えたのかなぁ・・・? 味も少し中華っぽい。そして悪くはないけど凡庸で、ふた味くらい足りない感じ。

・Hot jelly of Shellfish bouillon with scallop royale and spiced shredded lobster
 熱海鮮湯啫喱伴帶子慕斯及龍蝦肉

クリュスタッセのロワイヤルと、海鮮の・・・何だろう? 生じゃないから、タルタルでもないし。刻んだ海鮮(笑)フラン自体はまあまあらしいのですが、どうにも海老の食感が・・・だそうです。確かに、想像してみるに、本当にこの形状である必要性があるのかな?と思う。

・Jérusalem artichoke veloute served with foie gras emulsion and black truffle
 朝鮮薊忌廉湯伴鵝肝露及黑松露菌

温かいスープは割と、温かいだけでおいしいと思っている僕。トピナンブールも悪くないですね。フォアグラもまあまあ。でも全体的に普通。ちなみに、前菜から全部、ちょっとずつ量が多すぎる。

・Roasted Black Cod Fish with endives and kumquat broth
 銀鱈魚伴苦白菜配柑桔汁

相方は魚ナシのコースでいいと言うので、僕だけオーダーしたのですが、その魚料理で、それを後悔することになろうとは・・・! 鱈はまったく身が締まっておらずブヨブヨだし、何よりソースはアンディーブが変なアオサみたいな味と香り。そこにメニューによると金柑なのかな?変なアクセントが加わって、もうわけのわからない味です。皿はかっこいいんだけどなぁ・・・。

・Braised ox-tail with black truffle, fregola pasta and white mushroom emulsion
 燴牛尾伴黑松露菌意粉及白蘑菇香露

牛テールの赤ワイン煮込み。まあ、さすがにハズしはしないメニューですが…。昔『ルセット』や『アキュイール』で食べたものの方が、遥かにおいしかったな。

下に敷いてある豆かと思ったパスタ、悪くはないけど、必要性がないと思う。また、ほぐしてあるのも、どうにもメインディッシュらしいボリュームに欠けるし。いま流行の「再構築料理」の、失敗例とまでは言いませんが、何か違う。再構築や目新しさありきで料理作ったっていいことないですよ。ほとんどの場合、煮込みはクラシックなレシピの方がおいしい料理じゃないかなぁ。

・Pan-fried Iberian pork loin, fricassee of artichoke and capers with peanuts and verjuiced jus
 香煎西班牙黑豬柳伴朝鮮薊及葡萄汁

予約をキャンセルされた出だしから始まり、もうかなり機嫌が悪い相方は、いろんな意味でお腹いっぱいなので、半分もらいました。

食べた感想としては、イベリコ豚使う必要あるのかな?と。僕の中では、イベリコ豚のおいしさって主に脂にあると思ってるんですが、それをこんな低温で焼いて柔らかすぎる、にゅっとした食感にすると、脂の香ばしさも甘みも、あったもんじゃない。

何に近いって、食感、味ともに鶏のハムなんですよね。これなら、豚の肉の味がもっとする、鹿児島の黒豚とかの方がおいしいんじゃ。ちなみに、黒豚はマカオでは割と人気の食材らしいですが。

まあ、おいしくないこともないんだけど、その調理法、その食材がベストなの? という気持ちが、どうにも拭えないのです。

「ハイハイ、イベリコ使えばいいんでしょ?」みたいな投げやりな感じ。昼も夜もメインが黒毛和牛ばっかりの、イケてないホテルフレンチみたいな。

次はデザートですが、もう相方の機嫌悪すぎwww

・シャリオ

上に見切れてるところは、フルーツスープが入ってました。


ミルフィーユ、ババ、何かのガトー。

チョコタルト、ピスタチオのケーキ、プティシュー。

うーん、どれもイマイチ。そもそもケーキばっかりでソルベ、アイスの類が一つもないって? レストランで食べる、自家製のアイスって結構好きなんですけどねぇ。

そもそもこのワゴンを持ってくるテンポも非常に悪く、高級フレンチなら3時間かかるのは普通と思ってる僕たちでも、テンポ悪いと思うサービススピード。

さらに、どこのテーブルでも、「3アイテムをお選びください」と言ってました。う~ん、三ツ星レストランでワゴンデセールの数を言われるのは何かヤだなぁ。実際、それほど甘いもの食べたいわけじゃないから、食べるのはせいぜい3種類くらいなんだけど、初めから言われちゃうと、ね。そういうことを言わなくてはいけないお客さんしか来ないのでしょうかね・・・。

また、ケーキが1種類なくなったまま隣のテーブルに「はい、どうぞ」ってどうなの? 不完全な状態のものを提供するって、根本的に何か欠けていると思うのです。

しかも、このデセール食べてコーヒー飲んでる間も、残ったパンを下げることすらしない。コーヒー飲み終わっても、まだプティフールも出さない。最初ないのかと思ってたけど、どうやらコースに入ってたようで、ただ単にサービスが追いついてなかっただけの模様。

実際、隣の客も小菓子出されてなくて、最後に包んでもらってるところに、お手洗いから帰ってきた相方が出くわしたそうです。まあ、それを知っても、ウチはもうデセールから察するに大しておいしくなさそうだし、さっさと帰りたかったので、「もういいです」と、包んでもらうこともせずに帰りましたけどね(笑) 

一応、帰りに出てないことを告げたところ、それに対して、スタッフは悪びれるところもなく、「言えばいいじゃない」と来た。まあ、中国、いえ欧米も、主張しなきゃいけない民族性だというのは理解してますが、これはちょっとねぇ。少なくとも、ラグジュアリーなレストランではない。

それにもまして驚いたのは客層。この日のウチは、まあそこそこ綺麗な格好だったのですが、周りはビジネスランチを除くとフリースとかアウトドアレジャーのような服装ばっかり! 一瞬、これが中国のドレスコードかと思ったくらい(笑) 数少ないスーツのビジネスランチの客も客で、ずっと足組んだまま座ってるし…。そういや周り見ても、僕しかワイン飲んでなかったな・・・。

この後別の二つ星レストラン(同じホテルの)に行きますが、ココと違って客層はまともでした。(マカオでは)値段がもっとも高いレストランの一つですから、成金みたいな人とおのぼりさん(まあウチもですがw)しか来ないんでしょうかね。三ツ星レストランでなくても、こんな客層の悪いフレンチは初めてでした。

料理はまあ好みがあるとしても、サービスのテンポは悪いし、客層も・・・。かつて、そしていまも日本のフランス料理人たちが憧れた三ツ星とは、こんなものだったのでしょうか? そこに本当に価値があるのか?

残念ながら、僕の人生の中で総合的に見てワースト1のフレンチでした。

  • Robuchon au Dome -
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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
Robuchon au Dome
ジャンル フレンチ
予約・
お問い合わせ

(+853) 88037878

予約可否

予約可

住所

マカオ43F, Grand Lisboa Macau, Avenida De Lisboa, Macau

交通手段

フェリーピア、マカオ国際空港から無料シャトルバスあり。
新葡京酒店(グランドリスボアホテル)43階

営業時間
  • ■営業時間
    ランチ
    12:00~14:30
    ディナー
    18:30~22:30

    ■定休日
    なし

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
¥30,000~¥39,999

※訪問時点の為替レート換算での金額になります。 利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX)

サービス料・
チャージ

10%サービス料

席・設備

席数

75席

個室

(6人可、8人可)

貸切

不可

禁煙・喫煙 全席禁煙
駐車場

空間・設備

オシャレな空間、席が広い、ライブ・生演奏あり

メニュー

ドリンク

ワインあり、カクテルあり

料理

ベジタリアンメニューあり

特徴・関連情報

利用シーン

デート 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

景色がきれい、夜景が見える、海が見える、ホテルのレストラン

サービス

ドリンク持込可、複数言語メニューあり(英語)

ホームページ

https://www.joel-robuchon.com/en/restaurants-macao-robuchonaudome.php

備考

住所店名の漢字表記は
「南灣葡京路新葡京酒店43樓 天巢法國餐廳」です。

初投稿者

毎日外食グルメ豚さん毎日外食グルメ豚さん(11776)

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