くどくなくて美味い唐揚げ : YAYOI The Gardens Mall

唐揚げは好きである。折に触れて自ら食べたいという気になるものではないし、日本に居た時も家で揚げ物料理はほぼ作らないので食べる機会は殆ど無いが、日本料理屋等で稀に頼む程度であり、昼食として「唐揚げ定食」を食べることは先ず無い。

マレーシアで事務所の近くに「やよい軒」が出来て半年少しになるが、日本ではこうした多店舗展開する店には先ず行かないが、やはり此処ではありがたい。店が出来てからメニューはほぼ固定で変わり映えがしないが、それでもかなりの種類があり、鰻や刺身の類のものはかなり高いが、凡そ750円程で賄える定食が幾つもあるので、しっかりとした昼食を取ろうという場合に足を運ぶことも屡々。

今回、初めて「唐揚げ定食」を食べたが他の定食に比し、マレーシアでは鶏肉がかなり安いこともあるのだろうか、価格も少し抑え目である。副菜はその他の定食と全く同じで、これ又、変わり映えがしないが、唐揚げそのものはぶりっとした触感で揚げ具合も宜しく、大きさも相応。５つも有ってそれに付けるものとしてマヨネーズ、酢醤油、大根おろし。後は、塩も可能である。無論、その前にレモンを絞っても良い。酢醤油に付けて食べるのが一番好きなので専らそうして食べたが、マヨネーズも悪くない。

全部、食べると丁度腹具合の頃合いも良い加減に満ちた。ふむ、ここでの定食では「鯖塩焼き定食」もまずまずで、その他に「チキンカツ定食」等もあるが、唐揚げはくどくなく油で凭れる感じもなかった。きちんと食事をした感じで充足感があった。なかなかである。

うどんすきは、大阪ではその名にしおう「美々卯」が有名で、ここ10年程は無沙汰しているが、以前は大阪であろうと東京であろうと、年に一度は冬の寒い時に肩をすくめながら出向き、はふはふと楽しんだ。豪華で数々の具も目に映える。か投げてみると他の店でうどんすきを食べたことがないかも知れぬ。何等かの鍋料理で締めのうどんというのはあるが。

やよい軒が事務所に隣接するメガモール内に出来たので、時折、利用するがいつもメニューが同じなので何だかあまり足が向かない。そうそう頻繁に変えてもいられないのだろうが、偶には季節メニュー等があると良いのだが。尤も、年中、夏であるマレーシアなのでそれも不可能か。

同僚は、いつも「鯖塩焼き定食」ばかり頼んでいて到底そうした料簡は理解出来無い。鯖好きなのであろう。体にも良いし自分も好きである。料理としてのバランスも良さそうで、実際に頼んだが身も厚くきちんとしていた。だがいつも同じものばかり食べるという偏執さは、何か危ない様な部分を感じる。勿論、人様のこと。余計なお世話である。が、何か、こっちが息苦しい様な感じになるということだけだ。

この日は、冒頭に記した様に、クソ厚いマレーシアで、少し趣向を変えて寄せ鍋定食なるものを頼んだ。日本円で700円程。
麺類は好きなので、家でも料理を真面にしない中で麺類程度は茹でたりするので、外でも麺類となるとどうかなとも思ったが野菜が多いのでそうした。
ふむ、あっさりとした味わいの汁で野菜もそれに相和して、なかなかである。熱いうどんはぶよぶよなものも多いが、そうでなくきちんとした加減で楽しめた。無論、美々卯の絢爛な其れに比ぶべくもないが、これはこれでまずまずである。日本風であるのが良かった・

長い間異国で独りで生活しているが、魚や肉を自分で買って料理することは殆ど無い。肉は中国ではささみが丁度良い分量で、日本の食料品を扱う小さなスーパーに置いていたので、時々、求めてソテーして塩・胡椒で食べたことはあるが、魚を自分で買ったことは一度も無い。買うのは全て、缶詰でオイルサーディンやトマトソースのものもかなりの頻度で買う。
異国の缶詰は物にものよるが、缶が開けにくく、手を切りそうで厄介である。少しでも斜めに傾ぐと中のオイルが零れるので難儀だが、こうでもしないと外食でしてか魚を取ることが出来ない。

やよい軒が事務所近くに進出し、既に一度REVIEWをしているが、LOCKDOWN解除後に二度程出掛け、初めて「鯖塩焼き定食」を食べた。こうした料理は変に小細工が出来ないので安心である。鯖はそれなりの大きさで充分。小さな豆腐に申し訳程度のサラダ（これはお代わりが出来るが、サラダとしては粗末で、菜っ葉ばかりで文鳥か十姉妹になる様である）に味噌汁が付くので、全体のバランスは取れている。これで６００円少し。マレーシアでは安くない昼食である。

魚料理も数え切れない程あるが、前述の様に缶詰ばかり。偶には違うものも食べたいという気が起こるし、肉は別に無くとも渇望する気持ちが起こらないのだが、魚は食べないと何だかいけなくなる様な観念が持続してある。こうして、如何にも日本的なものはありがたい。鯖味噌煮定食だかもあるので、今度はそれにしてみるか。

今年に入り、日本に一度も戻れていない。何時になることやら。戻ることが可能になれば、あれやこれや食べたいものをこういう順序で食べようと時折考える。作家の澁澤龍彦が入院時に奥さんにそうした食べたいものをメモに書いて渡したものを本で見たことがある。最終的に大動脈破裂かで亡くなられたそれに伴うメモだか知らないが、そうした大変な状況での其れでは勿論無い。
でも、どれだけ異国にいてもやはり日本で育ったので日本の食からは離れられない。実は国籍なんぞよりもこうした体得されて染みついたもの方が実は揺るぎなく、それは母国語もそうである。

日本で美味しいものが食べたい。

事務所が入るミッドバレーメガモールに、日本の「やよい軒」が店を出した。日本で利用したことが無い。凡そチェーンで展開している店は、殆ど利用することが日本でも無い。ファミリーレストランは、大学を卒業してからは３０年程になるが一度も訪れたことが無いし、そうした形態での店では、極、稀に「吉野家」で牛丼を食べるか、営業での出先で時間があまりない時に「モスバーガー」、「Coco壱番屋」程度である。
これは何もそうした店を避けている訳ではなく、常に色々行きたい様な店が有るのでそうした店を優先するからであるが・・・

「やよい軒」に関しても、日本で弁当屋なのか居酒屋なのか今も知らぬ。偶々、モールの中の他の店に向かう途中に新たに開店していたのを目に止めて、同僚と入店したのだが・・・・
マレーシアには日本飯屋は沢山あるが、基本的に単品ばかりで昼の定食というものは先ず殆ど無い。そんな中で、この店は、各種の定食があるので、これまでに数度利用したがありがたい。中国では日本より沢山の種類があった店がかなりあったが・・・

写真はそのうちの二度分で、「茄子みそ炒め定食」（そんな感じの名前だった）と「ミックスかつ定食」（チキンカツと鯖塩焼きの組み合わせで、同じくそんな名前だった。いずれも正確ではない）だが、それなりのボリュームで価格も600円程である。沢山のメニューがあるが、何だか肉を揚げた様なものとカレー、そして丼ぶりものが大半で似たようなものも多い。店が出来てから未だ４か月程だろうか。メニューは今のところ変化が無い。壁際に固定されているタッチパネルで注文をして、進捗が見てとれるが、英語で調理中とあるだけである。後、何分とかいう具体的状況を示すものではない。

残念なのは、お国柄だが、ここもハラルであり、豚肉を使った料理は一切ない。カツもチキンとビーフのみである。料理が全て写真で模範が見ることが出来るが、何だか似たような色合いであるのは、そのうち、どれもこれもなあという感じになりそうな気もする。

でも、勿論、１週間に一度も利用する訳でもないので、まあ、偶に定食をとなると似たような種類とは雖もありがたい。ないよりマシである。