ビビン麺にトッポギ : DAORAE PLUS

同僚と二度目の訪問。同僚がそう水向けたのである。いつもビビンバか冷麺ばかりなので、偶には異なるものを食べてみようと思い、ビビン麺を頼んだ。最初に幾種かサービスで提供される小皿の突き出しは一人で訪れても二人で訪れても分量は同じ。故にシェアをしながら食べることになる。トッポギは副菜として頼んだ。

ビビン麺は初めてだと思う。こんなに汁気の少ない混ぜ麺の様なものとは予想もしていなかった。冷麺の麺とは全く種類の異なるもので、何だか冷や麦の様な少しコシの頼りないもので、これをキムチだなんだに絡めて食べるのだが、何だかモソモソしていつまでも口中に留まる様で嚥下するのに些か難儀をした。眼がぱちくりする感じがした。日本人は喉越しとうことを言うが詳しくは知らないが他国でそういう概念を明確に持つ国は少ない気がする。咀嚼して美味いし嚥下する時に更に味わい委が加わるということだが、このビビン麺は残念ながらそうではなかった。もう良い気がした。

トッポギは辛い！　今、こうして書いているだけで頭皮の毛穴が開く様である。辛いものを食べると猛烈に汗を掻く。トッポギは要するに穴の開いていないペンネの様な餅。日本の其れと成分構成に何ら変わるところは無い様である。
食感が好きなので久し振りに食べたが、猛烈に辛い。同僚は辛いものは苦にしない様だが、それも辛い辛いとのたもうていた。

韓国料理も中華料理と同じで、一人で食べるより複数人で食べる方がより良い。食文化、家族に対する考え方、付き合い方の違い等生活の基本的な相違からくるものである。どちらが勝っているということはないが、やはり食事は一人よりはもう一人でもいた方が良いと思っている。いつも独りで食べることが専らなのでそう思うのかも知れぬが、間違いは無い様だ。

韓国映画の「パラサイト　半地下の家族」を観た。WOWOWで初めて放映されたので。ポン・ジュノ監督の映画は其れ迄に「グエムル」を観ているがその際には監督がどうとかいうことに気をまるで払わなかった。
放映の際に他の映画も合わせて放映していたので先に「殺人の追憶」と「スノーピアサー」も日を変えて観たが、後者は時間の無駄である。「殺人の追憶」は先ず先ず。
韓流ドラマは今迄に一度も観たことがないが、韓国の映画はグロい部分もあるが、シリアス度が強くて結構好きである。俳優の名前を全く理解していないので、先入観が無いからということもある。が、ソン・ガンホは別できっちりと覚えている。味わいのある役者で、少しひねくれているが正義感の強い、優しさが内面に包まれている様な不器用な男がとても似合いである。
「パラサイト」は、後味の悪い映画でこの映画がパルムドールとアカデミーの作品賞の二つを受賞したというのは、よく理解出来ない。無論、この双方の賞の過去の受賞作が、必ずしもそれに資するものであったかという検証なりはまるでしていなし、映画をかなり観る（年間に約70本：全て録画か機内）ので、ふ～ん、これが受賞作ねという認識程度だが。

その韓国映画を観る少し前に、暫く振りに訪れたのが此処。石焼ビビンバに各種の副菜、チヂミ、更にスイカまで出て700円程で、腹がパンパンになる。生ビールを頼めば更にそうで、食後に家に戻りソファで寛いでいると忽ち眠くなること間違いなしである。この店のあるソラリスの商業街は、外国人居住者が多いモントキアラ地域の中で、韓国人は日本人より多いのだろうか、韓国料理の店が狭い範囲内で4件程ある。競争が厳しいのだろうな。故に気前も良いのだろう。

普段、粗食（日本からのEMSが関空で突っ返された。マレーシア国際空港のある場所が、COVID-19のレッドゾーンになったからとのことだが、何も人間でない荷物にまで、管理を厳しくする必要もなかろうに！）なので、偶に色んな栄養素を摂る必要を感じた際に出向くが、それでも２～3か月に一度程度である。腹が満腹になる状態が嫌いだからである。
空腹でなければ、それで良い。

次に訪れるのは年末頃になるだろうか。

韓国飯は殆ど食べない。焼肉に然程食指が動かないのと、いつも独りなので独りで焼肉もなかろうし、仮にそうしても二皿も頼むと後他何も食べることが出来ない。物理的に現状にそぐわないのである。

で、アパートの近所の繁華街にあるこの店は、汚いビルの汚いエレベーターで上がると想像以上に広い空間が広がり、
テーブル席、上がり座敷両方を備えておりなかなか雰囲気も良い。マレーシアの古いビルで地上階にある店は凡そ外からの雰囲気と中が全然異なることが多く、大体それは、へえ！外から見るよりずっと落ち着いているということが大半の様だ。

休日に一人で出向き、これまでに冷麺（どんぐりの粉が入っているであろう黒いのと黄色がかかった盛岡冷麺の様な白いものと二度）、後は石焼ビビンバを食べた。家人が先日初めてマレーシアに来た際の最初の夜もここだった。

韓国料理は最初に色んな野菜等が供される店が多い様だが、ここもそう。全部で６種類に更に生サラダ。これにチヂミがほんの少し付いて、加えてワカメスープ。食後には西瓜まで出る。これに上述の頼んだ料理を食すと、腹がそうとうに満ちる。不足しがちな野菜も沢山取れるので非常にありがたい。細い白い冷麺はゴムの様で噛み切れぬのが問題で、最初にハサミでカットしてもらう方が良い。スープは些か淡泊に過ぎるが酢を少量入れれば落ち着いた感じになる。
黒い方の冷麺とビビンバは美味い。

この店、マレーシア全土に相当な数の店を展開している。異国で成功した例だろう。マレーシアに日本人と韓国人しれぞれ何人が住んでいるのか知らぬが、この繁華街には相当数、韓国料理の店がある。きっと駐在員が多いのだろうな。道を歩いていてもハングル語をしょっちゅう耳にするので間違いないだろう。

これからも休日の昼に時折訪れることは間違いない。これだけ食べて1,000円程なので極めて安い。