雰囲気が良い : PORTO ROMANO

新年である。
年末の28日に引越しをして、より便利で綺麗でコンパクトなアパートメントに移った。職業柄、引越しが多いが、生まれてから果たして何度、引越しをしたか数えてみると、門真、茨木（二度）、越谷、岸部、市川、葛西、桃山台、苦楽園、香港、日本橋（東京）、バングラデシュ（二度）、シンガポール、中国蘇州（二度）、マレーシア（二度）となり、都合十八度でかなり多い。この内、苦楽園が自分の家である。北斎の様に百度に近い程には到底無理だが、そろそろこれが最後の住処になるかも知れぬ。日本に早晩戻った際に、東京であれば又此処にどこか追加される訳だが・・・

マレーシアの前の家は、一人で住んでいるのに150㎡以上あり、ベッドルームも３つ有ったがその内２つは使わずじまいで、おまけにヘルパーが住むであろう別の物置きの様な区画もあり、とても使い勝手が悪くおまけに水回りでトラブルが頻発でとても閉口していた。前任の残存契約が結構長い間残っていたので、否応なく其処に住まわされた訳で、当然の論理だろうが、それを受ける側はたまったものではない。晴れて新しい築４年程の洒落たこじんまりとした日本でいう3LDKの部屋に移った。新年が良い年であります様。

今、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを録画で流しながら観ている。今年の指揮は、リッカルド・ムーティで今回が６度目である。因みに此れ迄に一番指揮が多いのは、今の様に制度が変わって、ウィーン出身の指揮者でなくとも、又、２年連続での指揮が不可能になった後では、ロリン・マゼールの11回。このコンサートのCDは、1987年のカラヤンのものと、2002年の小澤征爾の指揮のものとの２枚を持っている。こうしたウィンナワルツというのは、どういう時に聴くのが相応しいとなると存外難しいのだが、今、まさに新年の元日はその通りで、昼間に何だか駅伝等他の番組を適当に観たが、どれも何か感銘を受けるものではなく、今、静かな夜にウィンナワルツが流れているのは、気持ちが浮かれる様なこともないが、やはりちょっとした明るい感じがする。定番の最後のラデツキー行進曲で、一人音楽に合わせて手拍子を打つことはしないが、しても良いかも知れぬ。

指揮者のムーティは見た目が如何にもイタリアの伊達男で、少し髪型が昔のアバドにも似ているし、デニーロとアル・パチーノを混ぜた様な顔とも言える。典型的なラテンの顔で、彼の得意な演目は知らないが、こうしたワルツは彼に似合うと思う。
COVID-19の為、無観客で寂しいが、世界９０ヶ国程で多くの人がTVで観ているのだな。素敵なことである。

イタリアン繋がりではないが、久し振りに10日程前に訪れたこの店をREVIEWする。
とても久し振りである。食べたのは、ピッツァにオクトパスサラダにパスタ（アッリオオッリオ）に牛肉のグリル。
これにグラスビールに、グラスの白ワイン、後でジンとラムをロックのダブルで幾杯か。結構飲んだ。
異国で、肉でグリルしたもので然程美味いと思ったものはあまりないが、ここの肉はちゃんとナイフを入れれば弾力があるものの筋で切りにくいということもなく、又、肉そのものの味わいが結構深く、単純な調理の様だが、ふむ、肉を食べたという余韻が残った。
タコサラダはサラダにありがちな味気無いものでないのが良い。が、少し、飲み過ぎた感がある。

家人が初めて遊びに来た際に利用した後に、二度程利用。一度は接待、二度目は身内でである。店が広くて開放的なのが良いが、夜は照明が少し暗すぎる。一階にもテーブル席とカウンター席があるが、二階はかなり広く窓が大きく取ってあるので、昼にマレーシアの明るい陽光をも楽しみながら気軽に色々食べるのが良い。

コースメニューはなく、全てアラカルトの様であるが種類も多く、頻繁に来ない限りどれもこれもなあという感じにはならない。この写真に掲載しているのは、少し妙なマルガリータに、イカ墨のリゾットにティラミス。イカ墨のリゾットはシンプルなのだが味がよく沁みており米の硬さの加減が非常に良い。冷えた白ワインに実に合う。ティラミスは接待先の客が、ここの其れは美味いと勧めてくれたので、あまり接待で食べる様なものではないが、素直に従い食べたもの。コクがきちんとありしっかりと基本に敵ったもので堪能した。少し量が多いが・・・　グラッパは通常その食後になるのだろうがそれに合わせても良かろう。

残念なのはイタリアンだがマレーシア故、ハラルレストランであり豚はご法度。従って生ハムの類も一切無し。前菜で少し食べたいのだがそれは不可能。まあ。お国柄仕方あるまい。それでも白人、韓国人、マレーシアンチャイニーズ、勿論、日本人も混交で、誰もが楽しめるイタリアンである。ワインの種類も多いのも良い。

家人が8月31日～9月4日迄初めてマレーシアに遊びに来た。一度は見ておくと以降のLINEでのメールのやり取りもこちらの想像が付くので良いこと。何でもそうだが聞くと見るとでは大違いである。
到着のその日は、早朝に起床で移動も長いので疲れているだろうから、近所の韓国料理屋で冷麺を食べて部屋に戻り休んだ。翌朝も目覚ましなぞ掛けずにゆっくりと寝て、昼に出向いたのがこのイタリアン。

この店は赴任当日が土曜日だったが、その夜に日本人の同僚に簡単な歓迎会を催してもらった店。それ以降、訪れていなかったが、結構、美味かったのと家から歩いていける距離なので、二人して出向いた。その後で、近くにこういうスーパーマーケットがあると買い物がてらにぶらぶらすることもかねてだ。

以前の夜は、二階の大きなスペースに並ぶテーブル席に座り食事をしたが、この日は休日の土曜日。それ程、未だ人で賑わう感じではなかったが、前回と異なり一階の窓際の二人掛けのテーブル席に座りビールを頼み、食事を選び待っていた。マレーシアに来て、寛ぐ間も無く気違い沙汰に忙しいが、これは能力如何もあるが、大きく現況がうまく行っていないが故。悉く悪循環になっているからであり、赴任する前より諸問題がわんさか有り、漸く慣れたが、当初は何も判らない中で前任も不在で五里霧中でうんうんうなっていたことが未だに続いているもの。世の中おかしなことが横行してひとたびそうなると中々抜け出せないのだが、そんな中で、家人と向かい合わせに座り、何だかとても安堵した。


頼んだのは、「PORTO ROMANO SARAD」「RAVIOLI SMOMELED SALMON」「RISSOTO WITH MUSHROOMS」の３つこれを家人とシェアして食べた。量は充分だった。奇を衒った料理でなく凡そのイタリアンではよくある様なメニューだが、パスタの湯で加減、リゾットの炊き加減も上々で、久し振りにきちんとしたイタリアンを食べた気がした。家人も一人で日本の家に起居しているが、一人で外食をすることは先ず無いので、こうして外で二人で一緒に美味しいものを食べるのはとても貴重なことで大切なこと。普段は離れているから尚更である。

〆て、一人当たり日本円で2,000円程。うむ、良心的。休日に一人で行っても、カウンター席もあるのでそうして気分転換でもすれば良いのだろうが、何か、億劫で、家でパスタを茹でて出来合いのソースを掛けて食べるばかりである。

家人が喜んでくれたのでそれが一番良いこと！