本当にメニューが豊富 : 小林

オリンピックが閉幕した。日本の活躍目覚ましく、まあ、これがスポーツに類するものかと思うものもがあるが、何でもそうだが一芸に秀でるということは素晴らしいことであり、又、それに向かって倦まず怠らず専心して努力することが尊いので、勝者も敗者も美しい。ずっと動態であることスポーツというものは無く、その動態に移る刹那の一瞬の静止がスポーツの勝負の瞬間である様な気もしている。スタート前の緊張や、競技後の残身等は正に「美」である。
何にせよ終わったのである。とても無事に終わったとは言えぬが。
その１日前の昨日の深夜に、マレーシアを離国。今は、関空と目と鼻の先のホテルに指定隔離をしている。今日が２日目ということになる。

マレーシアでの生活は僅かに2年程。それでもそれなりに仕事は充実していた。業績も劇的に改善したので、未だ2か月あるが、急速に悪化する予想は露も見えないので、後進にそれを引き渡す。それで責務は終了である。清々した気持ちにその時になるだろう。もう海外駐在は四度目は無いので、出張や個人の旅行で訪れる以外に海外の店をREVIEWすることも殆どなかろう。僅かに残る、マレーシアの過去の訪問履歴を此処に上げた後は、日本の店ということになる。

この店は、都合、四度REVIEWしているが、LOCKDOWN前にKEEPした日本酒の一升瓶に一切手を付けぬままに離れた。
後任がそれを飲めば良いのだが、いつ飲食店が再開するかは読めぬ。当分、無理だろう。イスラム教の行事であるハリラヤ・ハジが明けた後、10日程だが、このせいで劇的に罹患者が増え、最高で20,500人程である。日本の面積の90%で人口が1/4程なのだから、控えめに見て、日本なら１日で83,000少しの罹患者となる。こうなれば、NEWSはそのことで終始するだろうが、人間は良きにつけ、悪しきにつけ何にでも慣れるから、そのうち、そんなものかという風になるかも知れない。
とまれ、勿論、酷い状態だからこその一時帰国ということになる。

写真は、二人で赴き一度で食べたものである。かなりの量だが、マグロ丼は小振り。カキフライもシンプルである。タルタルソースは付かないが（その記憶）。トンカツソースを付けて食べる。子供の時は専らそうして食べていたので、その方がしっくりする。
蓮根のピリ辛煮なんてものは、異国では少し気の利いた感じもするし、ポテトサラダも存外量が多い。少し芋がゴロりと固形の部分があるのも良い。

マレーシアでの生活では、最初の８ヶ月程は普通の生活だったが、その後１年半以上はずっとCOVID-19である。緩い時は週替わりで事務所で仕事をしていたが、最後の方はずっと自宅での仕事である。
お蔭で、観光地や街の中心地も皆目知らぬままである。でも、こうした料理を食べることが出来たのは幸いとも言える。その内、記憶の引き出しに仕舞い込まれるだろうが、後で、過去のREVIEWを見ると、その引き出しから出てきて、ああ、そうだったと思い出すのは悪くないかも知れぬ。

オリンピック開催から約１週間で、マレーシアでは地上波、BSも全て過去１週間は全部自動録画されているので、普段、目にすることのない協議も含め、大いに楽しんでいる。無論、素人なので協議の巧拙に関する基準の明確がよく判らないこともあるが。
選手そのものにSPOTを当てることは当然として、その家族などを映して美談仕立てに強調するのはどうかという気もするが。どの選手であろう皆此処に至るまでの背景がある訳で、殊更に何か美しいものである様にするのは民放の視聴率稼ぎの安易な方法で、そうしたことをするなら、難民選手団を映すなりすれば良いと思うが・・・　大なり小なり程度の差こそあれど、苛烈な艱難辛苦の結果、出場している訳だ。皆、端から選手そのものはドーピングをするそれは論外として、美しいのだ。

後、１週間でマレーシアを後にするが２年少しで、特段何も楽しいことは無かった。無論、仕事来ている訳でそれ以外の何をも期待するべきでもないと言えるが、半分以上をCOVID-19で通常とは異なる環境下に居たので、果たして駐在そのものの意義はどうなのかと思うこともままあり。でも、それも、後僅か。

もう飲食店内での食事が長く封鎖されているので、こうしてREVIEWを書くのはその前に利用した店か、持ち帰りのものに限定されるのだが、この店は、マレーシア国内で転居をした後、アパートから近くなったので、幾度と利用した。
非常に、品数が多く、朴訥な給仕のお母さんの感じも良い。少し日本語も出来るのは、専ら大半の客が日本人であることに因るものだろう。

写真に掲載したものは、二度の利用を纏めたものである。冷やし中華に、担担麺、それに白身魚の炒めものである。
どれも、特段、凝ったものではないが、全部、ちゃんとしたもので異国で食べる妙な日本飯というものではないし、中華料理に類するものは、その期限が華僑にあるのだろう。やはり按配良く、楽しんで食した。
つまり、町の定食屋という感じの店で、其処には何か穏やかな時間が流れている。もう一度ぐらい訪れたかったが・・・

アパートから近くなったので時々利用する。品数が多いのだ。給仕を仕切る女性はそれなりの歳だが、メニューは日本語で全部理解出来る様だし、他の簡単な単語も判る様である。アパートの中にあるので、受付をしてゲートを開けてもらい中に入る。店に至る迄の道は、プールがありその周りに南国特有の樹木が縁取り、リゾートホテル差乍らである。

一転して、店の中は味気ない大衆食堂の様で、もう少し工夫が出来そうなものだが、まるで頓着していない様だ。
メニューが多く、刺身、寿司、焼き鳥の類、揚げ物、麺類等居酒屋であり、且つ、中華料理も幾つか供する。無論、この中華料理は日本で定番のものが大半である。調理人が日本人なのかは知らぬが、店名からするとオーナーは日本人であろう。
メニューの日本語もまるで誤植や間違いが無いことからそれも窺える。

以前に訪れた際と今回食べたものを写真で比較すると、カニクリームコロッケとレバニラ炒めが被っている。酢豚と和牛鉄板焼きが異なるということになるが、この和牛鉄板焼きは37RMだから今のレートで1,000円程するが、とても美味い。添えてある野菜も充分だし、肉の味付けが良い。
酢豚も普通の過去から口にしてきたその酢豚そのものである。

品数が多いし、昼にはランチの定食もある。無論、夜にそうした定食を食べることも可能である。手軽に利用できるのでとてもありがたい。

モリコーネが亡くなられた。91歳とのことなので大往生と言えよう。今日は「ヨーヨー・マ　プレイズ　モリコーネ」を静かに聴いて追悼代わりにしよう。マカロニ・ウエスタンは子供の頃に流行ったので殆ど知らないし西部劇に興味が無いので、そうした映画に使われた音楽は、後に音楽のみを聴いて確かにそういう感じで、何処ぞで聞いたことのあるメロディも多い。ハンス・ジマーと並んで映画音楽の巨匠として尊敬している。

3月の上旬以来初めて、仕事帰りに会社のメンバーと二人で食事をした。もう特段神経質になる必要はマレーシアでは基本的に無さそうである。でも、混雑している店には決して入らないが。

この店、初めての訪問だが、とても判りにくい場所にある。マレーシアのアパートは基本的にメインゲートでのセキュリティ検査が必要で門番もいる。用向きを伝えてでないと住民以外は入れないのだが、この店は、そうしたアパートメントの中に位置するので、普通に道をある歩きながら認めることなんぞ出来やしない訳で、知る人でないと知らないということになる。
正門を潜り、如何にも熱帯地方という感じの木々の間を抜け綺麗なプール（大概のアパートには付いている）の脇にあるのだが、中に入ると何だか集会所の食堂の様で、ほう、こんなところにと呟きそうであった。

同僚からは「街中華の様な店」と言われたが、最初はよく意味が分からなかった。街にあるに決まっており、空や海にあるとも思えない。よく訳の判らない新しい言葉が出てくるものである。
メニューを眺めると中華料理も確かにあるが、こりゃあ普通の居酒屋である。頼んだのは、レバニラ炒め、野菜炒め、さつま揚げ（随分と白いものだった）、カニクリームコロッケに担担麺。どれも特段どうということないが、色々な栄養素を久し振りに取れたのでありがたかった。同僚より事前にビールしか酒は置いていないという触れ込みだったが、ちゃんと焼酎が置いてある。4か月振りの焼酎である。半々の水割りに氷を入れたものを4杯程飲んだ。久しぶりの酒は格別である。

ふむ、昼でも夜でも定食を供す様で、他のこうした店よりは幾分、安い様だ。独りでも利用しやすそうだ。
ただ、いちいち門衛に、用向きを告げて中に入るのが面倒くさい感じもする。