2度目のペナン (2) 宿泊はもうこの名門ホテルしか考えられません。 : Eastern & Oriental

4.1 [料理・味4.1 サービス3.9 雰囲気4.1 CP4.3 酒・ドリンク-] が私の評価です。


楽天で予約、1泊885リンギットは24000円くらい。

前回の宿泊がすばらしくて、2回目だと感激は当然薄れるだろうけどそれでもここしかない、と思っておりました。その期待は裏切られませんでした。


部屋
2度目だったからでしょうか、おそろしくいい部屋にアップグレードしてもらいました。角部屋、ベッドルームとリビングが分かれていてそれぞれが広い。洗面２、トイレ２、テレビ２、バルコニーも２。内装は格調高く、昔の会社ロゴつきのアンティークテーブルなどにも収納がたっぷり。そう、この部屋は本来我々のようなチープ・ショートステイ客ではなく、最低でも1，2週間は泊まる方々のためのものであります。恐れ多いことおびただしいが、こうした厚遇は単純にうれしいものです。

プール
前回同様、新館ビクトリーアネックスのインフィニティプールのみを利用。前回よりもお昼は混んでいましたがそれはデッキチェアの話で、プールは相変わらずすいております。そして、朝いちばんにカメラをもってひたすら美しい朝焼けを。安カメラと下手くそカメラマンではとうてい伝えきれませんが、とにかく絶景でございます。

ルームサービス
もともと、今回の旅行は食事をルームサービスなどでさぼらない、というのが我々の決意でした。が、いい部屋に泊めてもらうとすぐそういうのが揺らぐだめだめ夫婦。

結局ある晩の夜食にお願いしました。
揚げ雲吞と鶏むね肉のクミン焼。日本から持ち込んだ焼酎とともにいただきました。おいしい。お値段も66.3リンギット、一人880円くらいと日本ではありえない安さ。

別稿に書いたプランターズというクラブラウンジにはいろいろ文句がありますが、ホテル全体ではまったく文句なし。ちなみに前回よりはるかに日本人客が増えていました。


なお評価はルームサービスのみのものです。宿泊の価格条件などは本文と他のホテルサイトをご覧ください。

かつての大英帝国の栄光の名残ともいえる、アジアにおけるイギリス系の名門ホテル。アルメニア系イギリス人サーキーズ兄弟が1885年にまずここペナンでこのホテルを開業、つづいてシンガポールのRaffles、ミャンマーのStrandを開き、伝統的英国流のサービスを提供しました。キップリング、サマセット・モーム、チャップリンなどの名士が宿泊したことでも知られています。香港のペニンシュラ(1928年）、バンコクのオリエンタル(1887年）も似たようなホテルですが、最古なのはこちらです。一時経営不振に陥りましたが、近年全面改装を完成させ、見事に復活を遂げております。

てなことを知識として持っておりましたので、連れが考えてくれた旅程にペナンが入っているのを知った瞬間にここを予約しました(我が家の旅行計画はまず連れがANAを予約、そのあとで主に私がホテルを予約します）。迷ったのは、本館であるヘリテージ・ウィングか、2013年オープンの新館ヴィクトリー・アネックスか。優雅な外観やロビーなどのパブリック施設はどうせどちらに泊まっても入れたり、見られたりするわけですし、プールとラウンジの要素で新館にいたしましたが、これは大正解でした。

無事にペナン空港に到着し、前払いのタクシーに乗った我々、にぎやかな運転手さんと大いにもりあがった、のはいいのですが、彼もこのホテルのことを十分には知らなかったらしく、本館の入口につけてしまいました。フロントで、違う建物だと知らされ、案内してもらいましたが、徒歩で5，6分はかかりました。アネックス宿泊のさいはご注意ください。

さて、お部屋は12階のジュニアスイートです。まず、ベランダからの眺めがすばらしい。三方を海に囲まれたジョージタウンの一頭地にあるだけのことはあります。ベランダには椅子があってここで日光浴もよさそう。そして眼下にはプールが。さっそく着替えて突入します。

このプールが実に素晴らしかった。インフィニティプールと子供用プールがあり、（これは欧州からのバカンス客にありがちですが）大人でプールにつかるのは我々だけ、彼らはひたすらみずからをローストする作業に余念がありません。
なお着替えは、いわゆるロッカールームはなく、男女別のトイレが広々としてシャワーブースもあるのでそこで、ということも可能です。しかし、全体的な雰囲気からここはバスローブでのホテル内移動OKだろうと読んでそうしました。ある時、エレベーターで部屋に帰ろうとするバスローブ姿の我々、総支配人を含む3名のスタッフが乗り込んできたときはさすがにどきりとしましたが、総支配人さんがにこやかに「プールは楽しまれましたか？」と声をかけてくださり、ほっとした次第。

夕方の景色を楽しもうとプールでのんびりしていると、予想通りの美しい夕焼け空が左手に。と、それからしばらくして、120度右側の空がさらに明るく夕焼けになり、びっくりしながら、息を飲むような絶景をこころまでたのしむことができました。ああ、マレーシア来てよかった、ペナンにきてよかった、そしてこのホテルにしてよかった。

ちなみに本館のプールはのぞいただけでした。ぜったいにこっちのほうがいいと思います。なお本館新館どちらに泊まってもどちらのプールも使えますが、上記のようにロッカールームはないので、エレベーターですぐ行けるのはありがたい。

さて、食事はホテル内のレストラン（Sarkies)でもラウンジ（Planters Lounge)でもいただきましたが、1回夕食にルームサービスをお願いしました。注文しましたのは、

Chicken Leg & Organic Spinach Roulade 28　鶏もも肉のホウレンソウ巻、チーズポテト、ブロッコリフラワー、マッシュルーム、グレイビーソース
Nasi Goreng Kampong 35.2　海老と鶏肉入り焼き飯、目玉焼き、チキンサテ、ピクルス添え
Char Koay Teow 31.1　きしめん風の米麺炒め、海老、イカ、魚団子、卵、チャイブ、インゲン、チリソース入り

どれもほんとうにおいしくて、しかもボリュームたっぷり。そしてこのような格式あるホテルでのルームサービスがこの3品全部で2300円とは（１リンギットは25円くらい）。

マレーシア名物のチャークイティオ（炒粿條 ）、香港でいう炒貴刁、はこのあと何度か出会いましたが、ここのが一番印象的（最初だったからということもありましょうが）でした。

ロケーションもよくて、ジョージタウン内の名所をまわるRapid PenangのCATという無料巡回バスの7番停留所はホテルから徒歩数分で行けます。それを使い倒して気軽に市内観光ができました。

お値段ですが、564.4リンギットに税金がついて、一泊のレートは楽天からの予約で15521円でございました。今この金額で東京のビジネスホテル無理な時が多いです。


このホテルを選んでほんとうによかった、と思える印象深い滞在でありました。ありがとう、E&O。