【あべの・天王寺】天津飯の美味しいお店・厳選8店+1店

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】天津飯の美味しいお店・厳選8店+1店

中国・天津市はもとより、中国大陸のどこにも「天津飯」が存在しないってご存知ですか? あべの・天王寺周辺で、日本生まれの中華料理・天津飯の美味しいお店をピックアップ。さらに珍しい「チャーライ」もここでご紹介します。

更新日:2023/01/26 (2018/06/22作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる1545の口コミを参考にまとめました。

日本生まれの中華料理

 ご飯の上にかに玉を載せて、とろみのある餡を掛けたのが天津飯。このどこにでも当たり前のようにある中華料理が日本生まれで、中国・天津市はもとより、中国大陸のどこにも「天津飯」が存在しないってご存知ですか?
 その発祥は諸説あります。食糧難の戦後、東京駅八重洲口の「来々軒」で、「蟹玉」を丼ご飯にのせ、酢豚の餡を応用した甘酸っぱい醤油味の餡をかけたものを作り、「天津芙蓉蟹肉飯」と称したのが嚆矢という東京発祥節。
 こちらも食糧難の戦後、大阪城近くの馬場町にあった「大正軒」で、天津の皿盛りの飯におかずを乗せた「蓋飯」を、天津で多く捕れたワタリガニの蟹玉で作って、上から餡をかけて「芙蓉蟹蓋飯」と称したのが嚆矢という大阪発祥説です。
 その発祥の違いによるものかは定かではないが、現在でも東日本では餡の味付けにトマトケチャップを使い、それによって餡は赤みがかっていて酸味を帯びるのに対し、西日本では醤油や塩を使うので、薄茶色や透明な仕上がりになります。
 大阪ではやはり西日本でスタンダードな薄茶色の餡が主流。あべの・天王寺周辺で、大阪生まれの美味しい天津飯がいただけるお店をピックアップ。また、このエリア限定の珍しい「チャーライ」もご紹介します。

悦来閣

悦来閣

 JR・天王寺駅の北口から、まるでここだけ昭和のまま取り残されたかのようなレトロなアーケード街「天王寺駅前阪和商店街」を抜けて、明るい場所に出たところにある中華料理店です。
 カウンター6席。テーブル席は20人ぐらい。庶民派の中華料理店といった雰囲気です。

隠れた場所にある本格派の中華

悦来閣

 天津飯(700円)はやや濃い色の餡が掛かり、天には小エビとネギが散らされています。餡は意外にも薄味で、深い旨みがあります。
 玉子は厚みがあるもののふんわり火入れされていて、調理師の腕の良さを感じさせます。
 街場の中華料理店の雰囲気ながら、実は本格台湾料理のお店です。この界隈での屈指の実力店ということが判ります。

アベノ珉珉

アベノ珉珉

 「あべのキューズモール」の北側一角を占めるViaあべのWalkの地下1階にある中華のお店です。このお店は阿倍野再開発前には「あべの銀座」の路地裏にあったお店。当時の怪しげな雰囲気からは程遠い、劇的な変化を遂げています。
 厨房を囲うようにカウンター席、その周りがテーブル席になっていて、空間はゆったりとしている。もちろん新しいだけあって、明るくクリーンな雰囲気になっています。

あべの銀座のDNAを残すお店で天津飯

アベノ珉珉

 ここの天津飯(700円)にはスープが付いてきます。ほんの少し焼き色の付いた玉子に、少し白濁した餡がたっぷり掛かっています。見た目も美しいですね。
 玉子はふんわりとした半熟ではなく、しっかりウェルダンに焼かれています。剥きエビやタケノコ、人参の千切りが仕込まれており、それぞれの食感も楽しめます。餡は塩味の優しい風合い。すっきりした味わいが特徴的です。
 客層は「おっちゃん」が多数。お店は新しくなってもこれは変わらないですね。お店にもDNAみたいなものがあるのかもしれません。

さか市

さか市

 阿倍野筋の東側辺りの松崎町は、大規模なマンションが増えたもの、今だに落ち着いた住宅街となっています。「あべの&」の東側の筋を南に下り、一つ目の辻を東に入ってすぐ。この住宅街にひっそり沈む中華料理屋さんです。
 なんだか昭和の時代からそのまま姿を変えていないような、昔ながらの大衆中華といった店構え。中はテーブル席とカウンター席合せて20数席。年配のご夫婦で営業されている様子です。

昭和が香る中華料理店で天津飯

さか市

 天津飯(550円)は、ふんわりした玉子にコクのある餡がたっぷり掛かっています。玉子にはプリプリした海老が入っていて、値段以上の高級感があります。刻みたてのネギの香りもいいですね。なんだかものすごく得した気分です。
 他のお客さんは皆さん常連客の様子。地域密着型のお店であることが分かります。

中華料理 百楽

中国料理 百楽 天王寺店

 天王寺ミオ・プラザ館の4階、上本町に本店がある、近鉄沿線ではおなじみの中国料理店です。
 店内はテーブル席ばかりで100席足らず。南の窓からは「あべのハルカス」、西の窓からは「通天閣」の姿も望め、新旧の大阪のタワーが一望です。

本格中国料理店のちょっとリッチな天津飯

中国料理 百楽 天王寺店

 もちろん天津飯の単品(880円)もあるが、ここではランチセットが充実しているので、各種一品の付いた天津飯セット(1,280円)がお得です。
 天津飯は底の深い器に入っています。ご飯の上に分厚い玉子と、やや濃い色をした餡がたっぷり掛っている。玉子にはカニの解し身がたっぷり入っています。
 餡は見た目に反して上品な味わい。セットなので、冷菜や唐揚げ、春巻などと一緒に食べれるので、リッチな気分になります。
 食後にはジャスミンティーがサービスされるのだが、このジャスミンティー、ちょっと気取った中華料理店だったら結構いい値段を取られそうな美味しいお茶です。これは最後に好印象が残りますね。

551蓬莱 阿倍野近鉄店

551蓬莱 阿倍野近鉄店

 「あべのハルカス近鉄本店」ウイング館のB2F、食品売り場にある、551蓬莱のショップです。ここでは、お馴染みの豚まん等の販売を行っているとともに、イートインが併設されています。
 イートインスペースはL字型のカウンター席のみで10数席です。

イートインで気軽にいただける天津飯

551蓬莱 阿倍野近鉄店

 天津飯(700円)はふんわりした玉子に包まれたご飯の上に、茶褐色の餡が掛けられています。てっぺんには小エビが3尾。ここではエビが主役です。
 餡はあっさりとしたチューニングで上品な仕上り。椎茸の旨みも活きてますね。玉子の絶妙な半熟具合は、調理師の腕を表しています。
 イートインにしては結構いい値段なんだが、この料理に加え、スタッフのしっかりとしたサービス…これは文句ないですね。

中国料理 紅龍

中国料理 紅龍

 JR大阪環状線・寺田町駅の北口から国道25号線を東へ5分くらい歩いたところ、生野本通商店街の入口近くにある中華料理店です。
 店内は1階が厨房に面したカウンター席のみの10席程度、2階は20席ほどのテーブル席が並ぶ全30席ほどです。

あっさり餡のフワトロ天津飯

中国料理 紅龍

 「天津飯」(770円)は、ラーメン鉢に具だくさんの餡がすり切れいっぱい掛けられています。玉子は絶妙な火入れ具合でフワトロの半熟感。
 木耳の食感もいいですね。特に高級な素材を使ってる風ではないが、調理によって風格を高めているような感があります。なんといっても塩気を控えた餡の味付けがいいですね。

中国料理 紅龍

 まろやかな餡を纏ったご飯を風味のよいい玉子とともに口に運べば、なんだか幸せな気持ちになる…やっぱり天津飯は旨いな!

大一楼

大一楼

 阪堺電車・北畠電停から東方向、大阪シティバス・北畠公園前BSのすぐ近く。北畠公園本通商店街に入ってすぐのところにある中華料理店です。
 年季を感じさせる店内は、入って右側に3卓のテーブル席と、厨房とを仕切る壁に向かったカウンター席4席の全16席です。

商店街に潜む癒やし系の天津丼

大一楼

 天津丼(500円)は、割とかっちりした玉子の上から茶褐色の餡が掛けられています。餡はあっさりとしたチューニングで上品な仕上り。
 玉子の中には椎茸とともにエビがたっぷり入っています。これはエビ好きの方には嬉しいですね。

大一楼

 丼とともにお漬け物が着いてきました。ほんのり甘いこのお漬け物、実に美味しいですね。

天下一品 天王寺あべのウォーク店

天下一品 天王寺あべのウォーク店

 各線・天王寺駅、近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅のすぐ近く。あべのキューズモール北側、ViaあべのWalkの1階にある天下一品です。
 店内は狭め。少しでも多く席を配置できるよう、ほぼすべてが対面式のカウンターとなっており、一人客がさっさとラーメンを啜るには適正なサイズです。

お客の要望から生まれた「こってり天津飯」

天下一品 天王寺あべのウォーク店

 天下一品の代名詞ともなっている「こってりスープ」を天津飯の餡にしたという「こってり天津飯」(並550円)は、やや小さめの器にカニ玉が乗り、その上から白濁したこってりスープがたっぷり掛かっています。
 こってりスープはドロッとしたテクスチャーで、これはいつも通り。鶏ガラによるものと思われる濃厚な旨みはかなりの質感です。

天下一品 天王寺あべのウォーク店

 少量のカニカマとたっぷりのタケノコを含んだカニ玉は、ふわふわな質感ながら、タケノコのシャキシャキ感がアクセント。ご飯がとろみの強いスープを纏って、旨みを高めています。
 単調に感じてきたら、卓上にある「ラーメンたれ」を少し掛けてみると一気に味変できます。

チャーライ極

チャーライ極

 各線天王寺駅から国道25号線を西に向かい、大阪市立大学病院前の坂をほぼ下り切ったところにある「チャーライ」のお店です。
 店内は両側に壁に面したカウンター席8席と、その奥にかなり広めの厨房があり、まだ新しいだけあって気持ちいい。BGMが脱力系のレゲエなのがなお良し。

ふんわり玉子がいい仕事をしているチャーライ

チャーライ極

 「チャーライ」とは、このお店のちょっと東寄りにあるラーメン店「ラーメン極」の本店で、ラーメン以上に人気となったサイドメニューの炒飯のことです。チャーシューとライスで「チャーライ」。賄い料理から偶然に生まれたこの料理の人気のおかげで「チャーライ」だけの専門店をオープンされました。
 とろっと半熟の玉子がオムライスのように乗っかっている出来たてのチャーライを目の前にするとどうにも堪らん。いそいそと一口いただきます。

チャーライ極

 中のライスには解されたチャーシューがたっぷり混ぜ込まれ、お肉の旨みがラードの香ばしさとともに口の中に広がります。
 ライスだけなら荒々しい風味だが、ふんわりとした玉子に包みこまれると、癒しの味に変化する。ああ美味しい…

※本記事は、2023/01/26に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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