【あべの・天王寺】ちゃんぽんの千差万別【関西ローカル】

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】ちゃんぽんの千差万別【関西ローカル】

あべの・天王寺周辺で味わえる、関西ローカルのちゃんぽんをご紹介します。長崎ちゃんぽんとは似て非なる個性的なちゃんぽんの数々…食材や食文化をごちゃまぜにした、文字どおりの「ちゃんぽん」を楽しんでみませんか?

更新日:2022/06/07 (2018/07/19作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる327の口コミを参考にまとめました。

関西ローカルの「ちゃんぽん」

 今や全国にチェーン展開するリンガーハットにより、「長崎ちゃんぽん」が全国的に知られるようになりました。また、「味のマルタイ」が発売しているカップ麺「長崎ちゃんぽん」によって、家庭でも手軽に長崎ちゃんぽんが味わえるようにもなっています。
 しかし、関西では、リンガーハットが進出してくる以前から「ちゃんぽん」を身近なものにしていました。しかしそのちゃんぽん、長崎ちゃんぽんとは似て非なる、かなりローカライズされた「ちゃんぽん」で、それぞれ個性的な味わいを主張しています。
 そもそも「ちゃんぽん」という言葉は、東南アジアから東アジア一帯まで広がっており、各地で「ごちゃ混ぜにする」という意味で認識されているボーダーレスな言葉。沖縄の「チャンプルー」もその一種とされています。そういえば、次々に違う種類のお酒を飲むことも「ちゃんぽん」と言いますね。
 「ちゃんぽん」の意味するとおり、その地域ごとで異なる食材や文化、風習をごちゃ混ぜにし、各地域でそれぞれ花開いてきました。そんな地域限定の「ちゃんぽん」を探求してみるのも面白いですね。ここでは、あべの・天王寺周辺のローカルなちゃんぽんをご紹介します。
 下の写真は今やデファクトスタンダードとなったリンガーハットのちゃんぽんです。ここで紹介する各店のちゃんぽんと見比べてください。

ちゃんぽんにんにくパワー 寺田町店

ちゃんぽんにんにくパワー 寺田町店

 寺田町駅から西側、飲食店が立ち並ぶ場所から少し離れた国道25号線沿いにあるお店です。赤と白の目立った看板には「ウチのちゃんぽんは長崎のんと違います」っと誇らしげな文字が躍っています。
 2階はテーブル席で、オープンキッチンのある1回はカウンターだけで、横にズラーっと長く並んでいます。

長崎のんとは違うオリジナルちゃんぽん

ちゃんぽんにんにくパワー 寺田町店

 「ちゃんぽん」(中800円・小700円)は、オーダーが通ると中華なべに具が投入されて炒め始め、後に麺とスープが入って煮込まれる。ここまではちゃんぽんそのもの。
 が、見た目からちゃんぽんのイメージとぜんぜん違うぞ!スープは味噌ラーメンのような色をしている。そしてその香りはちゃんぽんらしからぬ強烈なニンニク臭。スープを啜ってみると、確かに野菜の甘さがあるものの、にんにくの風味とともに塩気も強い。

ちゃんぽんにんにくパワー 寺田町店

 麺はやや細い縮れ麺。キャベツ・もやし・たまねぎなど、野菜は多めだが魚介類がありません。
 この独自のちゃんぽんは、なにを持ってちゃんぽんというのでしょうか。中華鍋ひとつで作る調理法か、具だくさんなことからか…いずれにせよ一般的にいうちゃんぽん別種の麺料理と考えたほうがよさそうです。

明洋軒

明洋軒

 JR阪和線の美章園駅から東へ少し進んだところ、疎開道路の延長部分と交差する角にある大衆中華のお店です。
 店頭の看板に「創業昭和33年名物ちゃんぽん」と記されている、ちゃんぽんが文字通りの看板商品です。
 店内は6人掛けと4人掛けのテーブルが7宅ほど、2階には30人ぐらいが入れるお座敷がある様子。

卓上調味料で劇的変化する「あんかけ」ちゃんぽん

明洋軒

 その名物「ちゃんぽん」(630円)は、白褐色のスープはトロみが付けられ、魚介の風味とともにほんのり甘さが感焦らせます。
 具材は白菜、玉葱、人参、もやしなどの野菜に豚肉、小海老、イカが入っています。こういった「あんかけ」のちゃんぽんは大阪や尼崎でよく見かけるタイプです。

明洋軒

 麺は細めのストレート麺。歯切れが良好ではあるが、これは普通の製麺所の中華麺ですね。
 スープといい、麺といい、平凡な味わいなんだが、卓上の胡椒を振り掛けてみると一気に味が締まる。今度はお酢を回し掛けてみると、味にメリハリがついて華やかな味わいに大変化しました。なんとも不思議なちゃんぽんです。

来々軒

来々軒

 JR大阪環状線・寺田町駅の南口を出て、近鉄・河堀口駅方面に延びる商店街を5分ほど歩いたところにある中華料理店です。
 店内はテーブル席が無く、L字型のカウンター席が10数席あるだけの小ぢんまりした造りで、店主とその奥さんのお二人で営業されているようです。

らしくない「長崎ちゃんぽん」

来々軒

「長崎ちゃんぽん」(550円)は、長崎のちゃんぽんとは似ても似つかぬ姿です。確かに豚肉、イカ、キャベツなど、具材はそれに近いが、スープはとんこつ醤油味、赤い蒲鉾は入ってないし、何よりも麺が普通のラーメン、それも細麺の縮れ麺です。

来々軒

 食べてみると、味は美味しいし、野菜たっぷりなのでおそらく栄養も豊富かな。全国各地にあるご当地ちゃんぽんの一種と考えたら、大変よくできたちゃんぽんだと思います。しかし、「長崎ちゃんぽん」って言いきってるし…評価に困るなぁ…

中国料理 紅龍

中国料理 紅龍

 JR大阪環状線・寺田町駅の北口から国道25号線を東へ5分くらい歩いたところ、生野本通商店街の入口近くにある中華料理店です。
 店内は1階が厨房に面したカウンター席のみの10席程度、2階は20席ほどのテーブル席が並ぶ全30席ほどです。

ジャンキーさが際立つ「浜チャンポン」

中国料理 紅龍

 「浜チャンポン」(800円)は、要するに海鮮チャンポン。たっぷりの野菜と若布が浮かんだやや淡い色のスープは、片栗粉によるあんかけ仕立てになっています。
 とろみを帯びたこのスープ、その熱さとともに胡椒とにんにくを利かせたスパイシーかつジャンキーな風味が襲ってきます。

中国料理 紅龍

 麺はやや細めの中華麺で、とろみを帯びたスープをいっぱい引き上げるので麺も熱々。しなやかな風合いで、熱でくたくたにはなっていません。
 具材はエビ、イカ、ホタテのほか、白菜、モヤシ、キクラゲなど。具材たっぷりで栄養価も高そう。優しい見た目に反してジャンキーな味わいのチャンポンです。

永楽

永楽

 JR阪和線・美章園駅から高架に沿って北の方に進み、スーパーマーケットを少し過ぎたあたりのガード下にある中華料理店です。
 店内はカウンター席が5席程、右側に1組だけのテーブル席、奥に厨房といった小ちんまりした造りで、さらに2階にも席があるようです。

関西風チャンポンをカレーで!

永楽

 「カレーチャンポン」(700円)は、見た目もまさしくカレー色をした関西風のチャンポン。褐色のスープにたっぷりの野菜が乗っています。スープは片栗粉によってとろみが着けられています。
 スープを啜るとカレーの風味が一気に広がってはくるが、あっさり淡泊な風合いです。カレーはおそらくS&Bの赤缶を使っているのではないかな。馴染のある風味で安心感があります。

永楽

 スープに沈んでいる麺は細めの弱縮れです。しこしこしたテクスチャーで、とろみのあるスープを実によく引き上げます。ただ、スープが熱々なので伸びるのも早いようです。
 具材は豚肉、エビ、白菜、キャベツ、ニンジン、ネギ、木耳、そして蒲鉾。実に多彩ですね。

ちゃんぽんや

ちゃんぽんや

 近鉄南大阪線・河堀口駅から東方向。国道25号線の桑津3丁目交差点の南側、デイリーカナート桑津店の並びにある「ちゃんぽん」のお店です。
 客席は狭く、4人掛けのテーブル席がたった二つだけの小さな造りで、実直そうな店主おひとりで営業されてるようです。

独自スタイルのヘルシーなちゃんぽん

ちゃんぽんや

 「ちゃんぽん」(700円)は、見るからに具だくさん。見たところ長崎風でもなく、あんかけタイプでもない独自のスタイルです。
 スープを啜ってみると、あっさり淡泊な仕上がりながらスープの旨みが活きています。具材はネギ、白菜、キャベツ、ニンジン、もやし、小松菜、豚肉、アサリ…実に多彩です。

ちゃんぽんや

 麺は長崎とは対極の平打ちの細麺。しこしこしたテクスチャーで、ライトなスープとは良く合います。
 実にヘルシーなこのちゃんぽん。リピーターも多いようです。

萬盛庵

萬盛庵

大阪メトロ谷町線・田辺駅から阪神高速の高架に沿って平野方向へ少し歩いたところにある食堂です。

店内はテーブル席の並ぶ20席足らず。昭和な雰囲気を醸すインテリアではあるが、壁紙は真新しくされていて清潔感があります。

とろみが特徴的な関西風チャンポン

萬盛庵

 「ちゃんぽん」(650円)は、灰褐色のスープにたっぷりの具材が乗って見た目はまさしく関西風のチャンポン。スープは片栗粉によってかなりとろみが着けられています。
 スープは胡麻油と醤油の風味が感じられるあっさり淡泊な風合いで、ねっとりとしたとろみが特徴的。

萬盛庵

 スープに沈んでいる麺は細めの弱縮れです。しこしこしたテクスチャーで、とろみのあるスープを実によく引き上げます。
 具材は豚肉、エビ、モヤシ、キャベツ、玉ねぎ、ネギ、木耳、そして蒲鉾。実に多彩ですね。野菜不足の解消にも役立ちます。

※本記事は、2022/06/07に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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