東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(その4:中華系編)

東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(その4:中華系編)

最近のラーメン屋さんでよく見る「汁なし」「油そば」「和えそば」「まぜそば」というキーワード。一体何が違うの? 今回は、東京近郊で食べられる種々の「汁なし麺」のうち、ラーメン屋で食べられる中華系汁なし麺の名作たちにフォーカスしてみます。

更新日:2015/01/05 (2015/01/02作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる3143の口コミを参考にまとめました。

中華系汁なしとは?

「汁なし坦々麺」「汁なし麻婆麺」等、中華料理をルーツとする汁なし麺のことを指します。
本場の味を踏襲するもの、またラーメン屋として独自のアレンジを加えたもの等、バリエーションが非常に豊富なのも魅力。
中華料理店の出すメニューを加えると大変な量になってしまうので、特にラーメン屋さんで出すものに絞って紹介します。

麺や金時

麺や金時

もともとホテルや四川料理の名店『老四川 飄香』で修行していた店主さんが、故郷の銚子で『幸貴』というお店を立ち上げ。
2012年に都内へ移転し屋号を変更しています。

担々麺/汁なし担々麺だけでなく、塩ラーメンやまぜそばも人気。

汁なし担担麺・大盛辛め(680円)+ご飯・ひ志お添え(100円)

麺や金時 - 汁なし担担麺・大盛辛め(680円)

本場の汁なしの担々麺、すなわち「正宗担担麺」。
麺の下にはたっぷりの辣油。沈殿物が多目で、山椒やらいろんなスパイスやピーナツなどが沈んでいます。
麺の上にはひき肉がたっぷり。その隣には山クラゲ。山クラゲは担々麺の具としては珍しいですね。

大盛は無料。
辛さは控えめ、普通、辛めから選択可能。

麺は浅草開化楼製

麺や金時 - 麺は浅草開化楼製@汁なし担担麺・大盛辛め(680円)

麺は名門、浅草開化楼製の丸断面極太縮れタイプ。

表面はツルツルですが、熱盛りなのでちょっと粘るような引っかかりがあります。

出典: タム6000さんの口コミ

噛み締めると、加水は高めでモッチリとした弾力がある食感で、これぞ開化楼の麺、という印象。また、麺味派手ですねぇ。小麦の甘さが口の中にフワァと広がります。

出典: タム6000さんの口コミ

麺や金時 - 汁なし担担麺・大盛辛め(680円)

ラー油は、思ったより辛味がビリビリ来る感じではありません。

あ、これは旨い!
キレよりもコクと旨味で食わせるおかず系、という感じがしますね。

出典: タム6000さんの口コミ

ラー油と花椒という「点」や「線」の刺激ではなく、旨味と塩気がかなり強めの「面」の味が特徴的。間違いなくご飯食べたくなります。

出典: タム6000さんの口コミ

辛さよりも旨味でもっていくタイプ

麺や金時 - 汁なし担担麺・大盛辛め(680円)

全体を混ぜた時の一体感が汁なしの醍醐味。

担々麺において「コクと甘味」を担当するべき芝麻醤の甘みや香ばしさはあまり出てこなくて、主体となるのはあくまで辣油と花椒ではあるのですが、油のコクと肉味噌の旨味塩気、それから麺の甘みがシナジーし、かなりの重さと厚みを感じる演出に。

出典: タム6000さんの口コミ

正宗担担麺としてのお作法をきっちり守りながらも、日本人好みの旨味先行の味作りにシフトさせた名品。
本場モードなシャープな辛味を求める方にはちと物足りないかもしれないけれど、万人受けする「本格汁なし担々」としてはパーフェクトに近い出来だと思います。

出典: タム6000さんの口コミ

ラストは飯割が鉄板

麺や金時 - ごはん(ひ志お添え)100円

ライスの上には「ひ志お」という銚子名物の調味料が。
香り的には醤油っぽいのですが、液体ではなく「ごはんですよ」的なペースト上のもの。よく見ると大豆の粒粒が確認できます。
旨味と塩気が絶妙で、ご飯が止まらない系。

残ったタレにライスをぶち込むと、最高の担々雑炊に!

ひ志おでライスを1/3ほど食べた所で、残ったライスを辣油の海へドボン!
これをレンゲで混ぜつついただくと。。。うん、鉄板!w
残ったタレも全てキレイに頂いてごちそうさまでした。

出典: タム6000さんの口コミ

正宗担担麺としてのお作法をきっちり守りながらも、日本人好みの旨味先行の味作りにシフトさせた名品。
本場モードなシャープな辛味を求める方にはちと物足りないかもしれないけれど、万人受けする「本格汁なし担々」としてはパーフェクトに近い出来だと思います。
価格に対する満足度も非常に高いのも特徴的。

出典: タム6000さんの口コミ

鳴声

麺処 鳴声

東京ラーメンショー2010の新人バトル決勝で「海老香る担々麺」で健闘したお店です。
2012年にオープン。

担々麺/汁なし担々麺だけでなく、通常のラーメンメニューもあります。

辛くて痺れる汁なし担担麺(680円)+むぎめし(100円)

麺処 鳴声 - 辛くて痺れる汁なし担担麺(680円)+むぎめし(100円)

たっぷりのラー油の上にはスライスアーモンド。
中心には小山のように突き出た麺。その上には肉味噌、ザーサイ、ネギ、そしてたっぷりかけられた花椒。
・・・というか汁なし担々って、どこのお店でもそこそこお値段する記憶があるんだけど、このルックスで680円なら、金時同様かなり安いです。

辛さは3辛と4辛から選べます。ランチタイムならライスが無料。

細麺は混ぜにくいが、混ぜてしまえばパラダイス

麺処 鳴声 - 辛くて痺れる汁なし担担麺(680円)+むぎめし(100円)

細麺をあつもりで上げ、そのままタレの上に置いたタイプなので、麺同士が引っ付いちゃうのは宿命。
麺は加水低めでモソッとした歯ごたえの丸断面細ストレート。汁ありとはまた異なる麺で仕上げています。

最初は混ぜにくさに少々苦労しますが、丁寧に混ぜていけばそこにはパラダイスがw
ゴマ風味が中心となるタレは、ラー油とビリビリと痺れる山椒のバランスも良好。絶品だった汁物の担々麺よりもゴマが強い雰囲気かな。

出典: タム6000さんの口コミ

トッピングもアクセントとして適切に機能

たっぷりのスライスアーモンドも香ばしくていいんだけど、ここはクラッシュナッツの方が絶対旨いかなぁ。
たまに現れるザーサイの食感と風味は、単調になりがちな汁なしの中でいいアクセントになってくれますね。

最後は当然ライス投入

担々麺の〆はライス投入に決まってます。

肉味噌の味も濃いので、旨いけれど全体的に結構塩分濃度高めです。
最後残ったタレにライスをぶち込んで飯割!うん、鉄板w
大満足でごちそうさまでした。

出典: タム6000さんの口コミ

そこらの四川料理店の汁なし担々を遥かに凌駕する、非常にバランスの取れた絶品本格汁なし担々な一杯。
C/Pも抜群。

出典: タム6000さんの口コミ

立川に支店を立ち上げてから、本店の味が劣化しているという噂があるのが気になります。。。

ラーメン雷鳥

ラーメン雷鳥

「武蔵野進化系汁なし編」で油そばを紹介したお店ですが、夜限定で提供されている「汁なし担々麺」がかなりレベル高いです。

5号 汁なし担々・カラシビマシ・ニンニク+追い飯(780円)

ラーメン雷鳥 - 5号 汁なし担々・カラシビマシ・ニンニク+追い飯(780円)

タレに絡められた麺の上には、センターに肉味噌、サイコロメンマ、周囲には刻みネギ、青菜、そして大量のクラッシュナッツ、刻みニンニク。
さらに全体的にラー油がかけてあります。
同時に小さなお椀で清湯スープも配膳されます。

辛さと痺れは注文時に一声かけることで増量可能。
また、ニンニクの有無がヒアリングされます。

白眉は自家製麺

ラーメン雷鳥 - 5号 汁なし担々・カラシビマシ・ニンニク+追い飯(780円)

油そばの麺とは異なり、白河ラーメンのようなピロピロの平打縮れ麺を使うのが特徴。

佐野~白河系とでも言うべきか、麺の両端にいくにつれ麺厚が薄くなる、手打ち&手切り風の縮れ麺なんですね。加水は高めでピロピロの食感。

出典: タム6000さんの口コミ

汁なし系だとどうしてもパワーのある太麺と合わせるのがセオリーだと思います(本場系の汁なし担々は細めも多いけど)が、敢えて中太、しかもモチモチピロピロの麺を使うとはかなりユニーク。しかもこれがバッチリ合ってます!
なんだろう、食感的には刀削麺で汁なし担々を食べているような雰囲気になりますね。

出典: タム6000さんの口コミ

ラーメン屋らしいタレの味構成

麺にネットリと絡みつくタレは動物性ベースで非常に旨味の強いもの。

汁なし担々というと、芝麻醤ベースの甘いタレで和えるかラー油+醤で和えるかの2パターンあるかと思うのですが、こちらはラーメン屋らしく、動物系濃厚スープと醤油ダレをベースに油そば的にタレを組み立て、そこに各種スパイスをブレンド、さらにラー油を上からかけるといった構成ですね。

出典: タム6000さんの口コミ

ラー油系汁なしにありがちな油っこさも適度で、脂の甘みも感じられ非常にキャッチーで旨いですね~。

出典: タム6000さんの口コミ

スープと白飯が付くのがありがたい

別添のスープは奥久慈シャモの旨味が効いたサラリとした醤油スープ。相変わらずスッキリ旨いです。
汁なしの後半に投入してもよかったのですが、ラストの口直し用に取っておきましょう。

出典: タム6000さんの口コミ

麺を食べ終わった後、店員さんに声をかけるとライスがもらえます。

うん、これがまずいわけがない!
台湾まぜそばの追い飯って、しゃもじ半分くらいで物足りなく感じる時もありますが、こちらはご飯の量も必要十分でいいですねぇ。
よく混ぜてザクザクと頂き、大満足でごちそうさまでした。

出典: タム6000さんの口コミ

「本場感」を追求しているわけではないのにハンパな感じがしないというか、このお店の魅力をしっかり織り込み独自の着地点をしっかり見定めた「汁なし担々」でしたね。

出典: タム6000さんの口コミ

担々麺 辣椒漢

担々麺 辣椒漢 神田本店 - かなり間口が狭いです。

こちらはスパイスにこだわる気鋭の坦々麺専門店。
2007年開店で、現地仕様の担々麺に並々ならぬこだわりを持っています。

正宗担々麺(850円)

担々麺 辣椒漢 神田本店 - 正宗担々麺(850円)

主役はタレを絡められた麺。その上には肉味噌とナッツとネギオンリー。
価格を考えるとちょっと物足りない感じがしないこともないですが、旨けりゃ文句はありませんよね。

タレのレシピ、最強かも?

担々麺はゴマ感が出すぎず、強い辛味+痺れと若干の酸味で食わせるのがタイプなんだけど、まさにこれはドンピシャ!
こりゃ旨いわ。かなり好み!

出典: タム6000さんの口コミ

サラッとしたタレは酸味が僅かに効いており、唐辛子主体の辛さはピリッと来る程度。もっと辣油等でドロっとした系を想像していましたが、意外にも淡麗系といったクールな表情。
ほぼこのタレだけで食わせる構成なので、タレが弱いと腰砕けになるところですが、味構成的に平坦さは全くなく、旨味感もしっかりあるタイプです。

出典: タム6000さんの口コミ

ここに肉味噌とナッツ、花椒が混ざりこむことによって、さらに辛味と旨味と痺れが重なり合い、絶品の汁なし担々に!

出典: タム6000さんの口コミ

麺はタレがよく絡む平打麺

担々麺 辣椒漢 神田本店 - 正宗担々麺(850円)

麺は中太平打ストレート。
高加水でムッチリした食感のもの。
珍来製麺所製。

麺厚が薄めなので歯切れもよく、パツンと噛み切る感覚がいいですよ。タレの絡みも文句なし。
こういった汁なしには抜群に合いますね。

出典: タム6000さんの口コミ

「プレミアム」はヤバいらしい

サラリとした口当たりの中にバランスよい麻辣酸を織り込んだ絶品汁なし担々でした。
「プレミアム」と付く汁なし担々は、スパイスがさらにいいやつを使ってるということなので、次回は高いけどそれかな?

出典: タム6000さんの口コミ

自家製麺 てんか

2006年に開店。
2010年より麺を浅草開化楼製から自家製麺へ切り替えています。

汁なし担々麺(750円)

(写真は2010年に実食した時のもので、現在はレイアウトが変化しています)

麺の上にタップリのモヤシ、そしてその上に大ぶりのチャーシュー、挽肉、そしてチンゲンザイ、ゆで卵(半身が2個)。なんだか人の顔みたいw
これらの上には、これでもかと真っ赤な赤唐辛子粉末がかけられています。うーん、辛そう。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

赤い粉が纏わり付き、テラテラと光る麺をズバッとすすると、うま~い。
これだけの唐辛子が入っているにも関わらず、咽るほどの辛さではありません。むしろ醤油ダレとの絡みが絶妙で、ワシワシいけちゃう感じ。
というか、そのルックスからコッテリ系を想像していましたが、思いのほかアッサリ系だったのに驚き。油分が少ないからでしょうか。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

この一杯、「坦々麺」という感じではないですね。
醤油ベースのまぜそばに、粉末唐辛子と中華スパイスで香り付けした挽肉を和え、「坦々風な和風まぜそば」にしているという感じなのでしょうか。これはこれでアリ。

出典:http://tam6000.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

二代目めん家 味味

二代目めん家 味味 - 目立つ黄色い看板

下町の中華食堂、といった風情ですが、タクシードライバー御用達の有名店です。
渋い親父さんが鍋をふるうお店でしたが、2013年に代替わりし屋号に「二代目」が付きました。

お店のイチオシは担々麺ですが、カレーラーメンや麻婆麺も絶品。
今回は汁なし麻婆をご紹介します。

汁なし麻婆麺・大盛(700円)+半ライス(サービス)

二代目めん家 味味 - 汁なし麻婆麺・大盛(700円)+半ライス(サービス)

麺の姿は見えず、たっぷりの麻婆豆腐の上には白ネギ。

なお、大盛は注文時に指定すれば無料。
ライスもサービスです。

庶民的な麻婆豆腐が抜群に旨い

麻婆豆腐は典型的な「甘口おかず麻婆」!
でもそれがいい時もあるんですよね。

甘口でとろみの強い麻婆餡は、辛くなく「ピリ辛」以下の「ピリ」くらいかな?最後に餡の上に振りかけられる山椒がいい香り。
辛味が弱い分旨みはしっかり感じられ、おかずとしては完璧に機能。
もっと濃い味かと思っていたのですが、塩気は思ったほどは強くないですね。

出典: タム6000さんの口コミ

豆腐は絹で、おそらく一人あたり一丁くらいはあるか?と思えるたっぷりな量。
絹ごしならではのトゥルトゥルとした柔らかな口当たりが心地よいですねぇ。柔らかいので、グズグズに崩れて餡と一体化したあたりが食べ頃w

出典: タム6000さんの口コミ

麺もしっかりした食感で好印象

二代目めん家 味味 - 汁なし麻婆麺・大盛(700円)+半ライス(サービス)

麺は、新栄食品製の角断面中太縮れタイプ。
この手の街中華的なお店だとヨレヨレの細麺だったりしますが結構しっかりしてます。

加水は中程度で、シコシコ感ともっちり感を併せ持ついい麺だと思います。麺量は大盛りで200g。

出典: タム6000さんの口コミ

最後は当然ライス投入

〆は当然こういうことになります。

うん、麻婆は麺で食べても旨いけど、やっぱ米が合うなぁ。。
ちなみに飯メニューとして「麻婆丼」もありますが、麻婆麺+半ライスにした方が両方楽しめるし、結果的にお得だと思いますw

出典: タム6000さんの口コミ

麺量も十分、さらに山盛りライス効果もあり、満腹でごちそうさまでした。
先代の味をしっかり受け継いだ、「安くて旨くてお腹いっぱい」になれる魅惑のB級麺でした。
C/Pは抜群と言っていいでしょう。

出典: タム6000さんの口コミ

※本記事は、2015/01/05に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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