【世界遺産】熊野古道・中辺路沿いの名店

【世界遺産】熊野古道・中辺路沿いの名店

熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を直接結んでいる「中辺路」は熊野古道のクライマックスです。この中辺路沿いにある旅行者や地元の方々に人気の食事処を厳選してご紹介します。

更新日:2023/04/11 (2018/11/07作成)

6232view

このまとめ記事は食べログレビュアーによる399の口コミを参考にまとめました。

熊野古道のクライマックス

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として名高い熊野古道。そのルートのひとつ「中辺路」(なかへち)は、和歌山県田辺市から山間部の熊野本宮大社・熊野那智大社を通って、熊野速玉大社に至るおよそ21里(84km)の行程です。
 熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を直接結んでいることから、ここは参詣道のクライマックスです。
 この中辺路沿いにある旅行者や地元の方々人気の食事処をご紹介します。

銀ちろ本店

銀ちろ本店

 JRきのくに線・紀伊田辺駅の駅前広場から「駅前新通り」を少し進んだところ、田辺市随一の繁華街「味光路」にある、1959年創業の田辺を代表する老舗料理店です。
 全室個室となっていて、4人部屋では雪見障子越しの坪庭を眺めながら食事ができます。

風格漂う紀南の老舗料理店

銀ちろ本店

 「銀ちろ定食」(1,870円)は、お造り、天ぷら、小鉢、ご飯、デザートとかなり豪華。
 お造りはハマチとカツオで、カツオはかなりの厚切り。もちっとした口当たりで鮮度も良好。添えられてる生ワカメも味わい深いですね。

銀ちろ本店

 天ぷらは海老2尾と茄子、南京、獅子唐です。海老はプリッとしていて、尻尾もカリッと美味しく食べれる。特に茄子がジューシーで堪らん旨さです。
 小鉢は具だくさんの卯の花でしっとり美味しい。サラダは彩り豊かで、香の物が三種盛りなのが老舗の矜持を感じさせます。

川よし

川よし

 紀勢線・紀伊田辺駅から中辺地・本宮方面に向かう明光バス・龍神自動車で紀伊一乗寺BSで下車したすぐ近く。車なら上富田町から国道311号線を熊野本宮方面に向かう途中。一瀬王子近くにある鰻のお店です。
 お店は広い駐車場を備えた一軒家。中に入ると右側に小上がりとテーブル席数卓が並び、左側はお座敷になっています。

紀州備長炭の本場でいただく地焼きの鰻

川よし

 「うな重」(大2,592円)は、鰻がが1尾分の肝吸い付きでで、トレイの上にお重と肝吸、酢の物、お漬物が並んでいます。
 蓋を開けると、芳しい香りととも艶やかな照りを帯びた鰻が一面に広がっている…これは堪りません。しかも鰻は蒸しの入らない腹開きの関西風。

川よし

 まさしく本場の紀州備長炭でしっかり焼きが入った鰻は、蒸しの工程の入らない鰻は、自身の脂で燻されて実に香ばしく、さりとて堅くならずにふっくら。地焼きの力強さを感じる仕上がりです。

川よし

 タレは濃厚でやや甘め。ご飯だけ食べてもしっかり旨みが移っていて、実に食べごたえがあります。肝吸は淡白ながら、出汁の旨みが出ています。

ねむの木食堂

ねむの木食堂

 和歌山県田辺市中辺路町の国道311号線沿い、龍神バス、明光バス・清姫BS近くの富田川の岸辺にあるカフェです。
 店内は入口あたりが土間のテーブル席、奥が田の字のお座敷となっていて、まさに田舎の民家そのままの構造ながら、インテリアも洗練され、カフェとしてリノベーションされています。

ねむの木食堂

 本日の変わりご飯と小えびとうどのかき揚げ定食(1,300円)は、揚げ物は大ぶりなかき揚げが2個とふきのとう。かき揚げはさっくり揚がって行っていい感じ。ふきのとうの苦味が早春を感じさせます。

ねむの木食堂

 ご飯は牛肉とごぼうの炊き込みご飯。牛蒡の風味が素朴でいいですね。他にも小鉢が数店ついていて豪華です。

ねむの木食堂

 この辺りは道成寺で安珍を焼き殺した清姫が富田川に入水したと伝えられている場所。このお店のすぐ近くに清姫の墓所があり、ちょっとした観光スポットになっています。

創作中華 菜菜

創作中華 菜菜

 和歌山県田辺市中辺路町川合にある中華料理店です。バスで行くとすれば、紀伊田辺駅から龍神自動車・明光バスの熊野本宮方面行きに乗って栗栖川BSで下車し、そこから歩くのがいいでしょう。
 移転前の建物はまさしく田舎の民家で、田の字のお座敷に赤い絨毯を敷いた上にテーブルを配置した20数席。現在は国道沿いに移転されています。

創作中華 菜菜

 天津飯のセットはトレイの上にレギュラーサイズの天津飯とともに、蒸籠に入った点心3品、小皿に3品、サラダ、スープ、胡麻団子が並んでいます。
 スープは上品な旨みがブワッと口腔に広がる。これは高級中国料理店の味。点心は海老餃子、肉焼売、そしてカレー団子です。このお団子は創作中華の看板にふさわしい一品。焼売も肉の旨みが広がります。

創作中華 菜菜

 天津飯はふんわりした玉子の上に薄味の醤油餡が掛っていて、天に茹でた剥きエビが乗っています。やさしい味わいは女性に好まれそう。

創作中華 菜菜

 片や餃子。かなり大ぶりで細かく織りなされた襞と焼き目が実に美しい。餡は細挽きになっていて、しっかり味付けがされている。タレはお酢だけで充分だと思います。

大村屋

 参詣道のゴール地点、熊野本宮大社の近く。熊野川の支流 、大塔川の川べりに中規模・小規模の旅館や共同浴場が軒を連ねる川湯温泉にある温泉民宿です。

お弁当箱もイイ!熊野古道弁当

大村屋

 この民宿が提供している熊野古道弁当(1,050円)は、竹を皮を編んだ上質なお弁当箱に詰められています。

大村屋

 お弁当は2段になっていて、おかずの段は、地産の野菜を炊いたのやら、イワシの煮物のほか、さすが和歌山、梅干も欠かさない。体力を消耗するハイカー向けのためか、甘い、辛いをクッキリと際立たせています。

大村屋

 おにぎりは4種。きのこのご飯の他、おいなりさんや南紀名産のめはりずしなど。何でだろう、米がモチモチしていて実に美味しい。米の品質なのか、炊き方なのか…
 このお弁当、予約しておけば熊野古道や休憩所など、本宮町内の適当な場所まで配達もしてくれます。古道ハイカーの強い味方です。

亀屋旅館

亀屋旅館

 参詣道のゴール地点、熊野本宮大社の近く。熊野川の支流 、大塔川の河原を掘ると温泉がポコポコと湧いてくるという、関西ではおそらくここだけの珍しい温泉、川湯温泉にある温泉旅館です。
 ここは世界遺産の熊野古道にも近く、古道を歩くハイカーにも人気の温泉で、かなりの老舗の旅館。ここの母屋は旅籠の趣で、文化遺産に指定されているのも頷けますね。

名物の薬膳料理

亀屋旅館

 ここのお料理は薬膳料理というもの。いわゆる漢方の薬膳というのではなく、熊野の地物を中心にし、日頃のストレスをリセットして病気を予防する「養生食」という薬膳だそうです。
 お造りとしてマグロとタイのカルパッチョ。炭の粉末がお刺身に振りかけられ、ソースにも炭が混ぜ込まれています。なのでソースが灰色です。

亀屋旅館

お鍋は霙仕立てになっています。野菜と豚肉と、そしてこちらも炭で練られた真っ黒の饂飩。これぞまさしくカルボナーラ(カルボナーラとは炭焼き職人の意)です。

亀屋旅館

 留椀のお吸い物には若竹、カニ団子、木の芽が浮かんでいます。鰹の風味が強いお吸い物は、黒潮の恵みを享受する熊野の地域性を醸しているようです。
 雑穀御飯にも木炭が入っています。つやつや炊き上がったご飯は雑穀の持つ旨み、甘味が混然となって実にうまい。

湯の峯荘

湯の峯荘

 熊野詣の湯垢離(ゆごり)場として、また、小栗判官と照手姫の伝説の舞台として知られる湯の峰温泉。ここはおそらく日本最古の温泉であるとともに、唯一の世界遺産の温泉です。
 温泉街から少し離れた丘の上にあるこの湯の峯荘では、湯の峰温泉特有の濃厚かつ新鮮なお湯が楽しめます。

絶品の「温泉粥」

湯の峯荘

 湯の峰温泉では湯垢離だけでなく、湯の峰の濃厚な温泉水を使った手が込んだ温泉料理の数々を味わうことができます。
 この旅館で特筆すべきは朝食で、アジの干物に地鶏天恵卵の温泉たまご、温泉湯豆腐など、南紀の特産がそろっています。

湯の峯荘

温泉水の湯豆腐は、温まってくると豆腐が徐々に溶けてきます。湯の峰特有の温泉の風味が豆腐を極上の味に仕上げます。

湯の峯荘

 そしてなんといっても湯の峰の温泉水で炊き上げた温泉粥です。この独特の風味がクセになる。ついついおかわりを繰り返してしまいます。

徐福寿司 駅前店

徐福寿司 駅前店

 熊野三山のひとつ、熊野速玉大社にほど近いところ、JRきのくに線の新宮駅の駅前広場を隔てて目の前にあるお寿司屋さんです。
 店内はカウンター席が7席とこ上がりが2卓だけのごく小さな造りです。

徐福寿司 駅前店

 名物の「さんま姿寿司」(600円)は、もともと保存食だったのが洗練されて今に至る、熊野地方で1500年以上もの歴史があるお寿司とのこと。
 意外に塩気が薄く、あっさりといい具合。秋刀魚の深い味わいが前に出ていて実にお旨いですね。ただ、秋刀魚の身がしっかりとしていて噛み切るのに苦労するが、これは身が分厚いからこそのこと。

徐福寿司 駅前店

 こちらもお勧めの「昆布巻寿司」と「特製玉子巻」のハーフ&ハーフ(600円)は、これもマイルドな仕上がりのなか、旨みが十二分に含まれていて美味しいですね。特に玉子巻は甘すぎず、優しい味わいです。

※本記事は、2023/04/11に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

ページの先頭へ