東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(その5:台湾まぜそば編)

東京近郊で食べられる旨い汁なし麺(その5:台湾まぜそば編)

最近のラーメン屋さんでよく見る「汁なし」「油そば」「和えそば」「まぜそば」というキーワード。一体何が違うの? 今回は、東京近郊で食べられる種々の「汁なし麺」のうち、最近ブームの兆しを見せる「台湾まぜそば」にフォーカスしてみます。

更新日:2015/01/05 (2015/01/03作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる5373の口コミを参考にまとめました。

台湾まぜそばとは?

台湾まぜそばは、もともとは名古屋ローカルフードだった「台湾ラーメン」を「麺屋はなび」がまぜそばとして再構築したのが元祖(失敗作のミンチを麺の上に直接かけたのがはじまりだそうです)。
ピリ辛の台湾ミンチ、卵黄、海苔、ニラ、魚粉、ニンニクを太麺と醤油ダレで和えるのが基本的な食べ方で、麺を食べ終わった後に「追い飯(白米を投入し、残ったタレと具と混ぜて食べる)」が無料で付くのも特徴です。

東京では、数年前から台湾まぜそばを出すお店がありましたが、2014年「はなび」で修行した「こころ」がオープン、続いて本家「はなび」も上陸し、激戦の火蓋が切って落とされました。

麺屋はなび 新宿店

都内で台湾まぜそばを出すお店が急激に増えた2014年夏、名古屋からついに本家が上陸。

とりあえずここか「こころ」で食べておけば、台湾まぜそばがどういったものかわかると思います。

麺とタレを絡みやすくするため、麺を茹で湯から上げた際にすりこぎ棒でゴリゴリやって麺の表面を荒らすのも此方で生まれた手法。

最近FC展開を始めたようで、秋葉原に姉妹店がオープンしています。

台湾まぜそば(780円)

麺屋はなび 新宿店 - 台湾まぜそば(780円)

麺は予めタレと念入りに混ぜられており、その上には青ネギ、ニラ、刻み海苔、刻みニンニク、魚粉、中心に台湾ミンチ、そして卵黄。
崩しちゃうのがもったいないくらいキレイに配置されております。

これが本物ですか!
なんというか、みなぎる自信!みたいな、有無を言わさぬ説得力のある美しいレイアウト。

出典: タム6000さんの口コミ

麺はモチモチ。具との一体感重視な仕上がり

麺屋はなび 新宿店 - 台湾まぜそば(780円)

林製麺製の麺は角断面極太ストレート。
うどんに近い高加水のモッチモチ食感で、仕上がりはかなり柔らかめ。

東京の人はもうちょっと固めの麺が好みだとは思いますが、これが本場ということですかね。
麺だけでいうと「こころ」の方が若干好みかな?

出典: タム6000さんの口コミ

そしてこの麺にしっかり絡められる醤油ダレがまた旨いなぁ。。。動物系のコクと醤油の甘味が組み合わさり、間違いない味。

出典: タム6000さんの口コミ

卵黄が熱で釜玉状態に

麺屋はなび 新宿店 - 台湾まぜそば(780円)

熱いうちに卵黄を割って全体をよく混ぜると、熱で玉子が凝固し釜玉やカルボナーラ風の食感に変化。

全体の温度管理が抜群だからか、崩れた玉子が麺に触れるといい感じに凝固し麺をコーティング、デュルンとした食感の見事な釜玉状態に!
麺が熱すぎても変にダマになっちゃうし、温度が足りなければ当然黄身のままなわけで、ここらへんもさすがの一言。

出典: タム6000さんの口コミ

タレ&釜玉状態の玉子、そして崩された麺肌のグルテン的なデロモチテクスチャが一体化し、麺を厚めにコーティングするゲルになったところに、細かく刻まれた各素材が飲み込まれ、渾然一体となって押し寄せてくる。。。
ココらへんの一体感は完全にはなび>こころ。もうね、たまらんです。

出典: タム6000さんの口コミ

〆は当然追い飯

麺屋はなび 新宿店 - 台湾まぜそば(780円)に無料の追い飯をトッピング!

麺を食べ終わった後に店員さんに声をかけると、残ったタレにご飯を入れてくれます。

麺屋はなび 新宿店 - 台湾まぜそば(780円)に無料の追い飯をトッピング!

全体をお下品にグリグリしていただきましょう。

ザクザクとタレとご飯を混ぜ。。。レンゲで頬張る!
・・・うまぁw
このタレ、もはや世界中のどんな炭水化物とも合うんじゃないかとw
ご飯の量は100gないくらいなので、サクッと食べきれますね。

出典: タム6000さんの口コミ

さすが王者の貫禄、ゆるさがウリのジャンクじゃない、綿密に計算された各素材のバランス取りが光る「完璧なジャンク」でした。
この味を知ってしまった人が増えていくと、こりゃ間違いなく「なんちゃって台湾まぜそば」の淘汰が始まりますね。

出典: タム6000さんの口コミ

こころ

上記「はなび」で修行した方が、本家のお墨付きでオープンさせたお店。
基本的に「はなび」を踏襲した仕上がりですが、麺やミンチが若干異なります。両者食べ比べてみるのも面白いですよ。

大岡山の本店に続き、西早稲田、溝の口と支店展開を進めています。

台湾まぜそば(750円)

麺屋こころ 大岡山本店 - 台湾まぜそば(750円)

本家に忠実なレイアウト。
中心には卵黄、その下には台湾ミンチ。周りにはニラ、海苔、ネギ、魚粉。

写真はオープン当初の白ネギですが、現在は九条ネギに変更されているようです。

麺は本家より硬めの仕上がり

麺屋こころ 大岡山本店 - 台湾まぜそば(750円)

麺はうどんライクな、加水高めの極太角断面ストレート。本家と異なり太陽製麺製。
本家より若干硬めで、麺の存在感がしっかりしています。

厨房でのオペをガン見していると、麺上げした後、テボの中にすりこぎ棒を入れてゴリゴリやるのが特徴的。
これによって表面に傷つけてタレが絡みやすくするんでしょうな。

出典: タム6000さんの口コミ

タレの絡みは完璧で、動物系のしっかりした旨みと甘辛系の醤油ダレがカッチリと効いていて、これだけでも「油そば」として売れるレベル。

出典: タム6000さんの口コミ

台湾ミンチは本家より辛め

麺屋こころ 大岡山本店 - 台湾まぜそば(750円)

台湾ミンチだけを食べてみると、ピリッとパルス的な辛みの効いたもので、甘みはそれほどなく、ベースの醤油ダレの上に刺激を加える役割。

あとは混ぜるダケ

麺屋こころ 大岡山本店 - 台湾まぜそば(750円)

この手の混ぜそばは、具材全てが麺に絡み足し算or掛け算的に旨みが増幅していくのが楽しいところ。

ネギ、ニンニク、ニラという香味野菜トリオがアクセントを付ける中、魚粉の香りと動物系の旨みが分厚く一体化(現在ネギは九条ネギに変更された模様)。
さらにそこに香ばしい海苔の香りが加わるという立体的な演出。卵黄が混ざると一気にマイルドなコクが付加されますね。

出典: タム6000さんの口コミ

全ての食材は小さめに切られているので、具だけが浮くことなく、常に麺と渾然一体となって口に入ってくるのも素晴らしい。
うーん、この組立は一見簡単そうに見えて、すごいバランスの元に成り立ってるんじゃないかなぁ。まさに「玉手箱や~」な世界感!

出典: タム6000さんの口コミ

鉄板の追い飯

麺屋こころ 大岡山本店 - 追い飯@台湾まぜそば(750円)

ご飯とタレをグチャグチャに混ぜて食しますと。。。鉄板ですよね?

さすが元祖の味、と納得させられてしまう、絶妙なバランスの上に成り立ったジャンク汁なしな一杯。
ジャンクだからと言って雑に作ったら、たぶんこの味は出ないんだと思います。麺、タレ、そしてトッピングのカットサイズ等に至るまで、全体の一体感を重視し緻密に組み立てられたからこそ、「格の違うB級」になれるんですよね。

出典: タム6000さんの口コミ

わいず

神田ラーメン わいず - あいかわらず店頭は雑然としている。

東京を代表する濃厚家系ラーメンのお店ですが、ブーム初期から台湾まぜそばを提供しています。

台湾まぜそばそのもののクオリティはともかく、こちらの売りは、本家にはない「割スープ」をやってくれること(厨房の状況によるので、必ずしもできるとは限らないので注意)。
いい意味で「豚臭い」濃厚豚骨スープを注いだ台湾まぜそばは、また別の表情を見せてくれます。

台湾まぜそば(780円)

神田ラーメン わいず - うま辛まぜそば・追い飯付き(780円)

麺の姿は見えず、その上には、刻んだニラ、ネギ、辛い肉味噌、細かく刻んだ海苔、魚粉、そして中心には卵黄。

麺はラーメンと使い分ける

神田ラーメン わいず - 全粒粉入りの太麺@うま辛まぜそば・追い飯付き(780円)

形状は全粒粉使用という極太丸断面ストレート。三河屋製麺製。

ジュルッと啜れば、うーん、こりゃたまらん!
これ、肉味噌を混ぜなくとも、最初から絡んでいるタレだけでかなり旨いですね。
タレは醤油ダレというより塩ダレに近い風味で、そこに油の旨味がたっぷり加わって。。。この背徳的な旨さは格別だわ。。

出典: タム6000さんの口コミ

台湾ミンチは山椒が効いたもの

神田ラーメン わいず - うま辛まぜそば・追い飯付き(780円)

粗めにミンチされた豚肉を甘辛く味付けたもの。
辛さは控えめでピリ辛程度ですが、たまにビリッと来る山椒が効果的。

追い飯+豚骨スープ割で最後まで飽きずに楽しめる

神田ラーメン わいず - ラストはスープ割!

追い飯を楽しんだ後には、濃厚豚骨スープ割。

寸胴の仕込みをやってた店員さんが「スープ入れますか?」と声をかけてくださいました。
あ、もの欲しそうに寸胴をガン見してたのがバレてたかな。。
ではご好意に甘えて、ちょっとだけご飯が残った状態でスープ割お願いします。

出典: タム6000さんの口コミ

おぉ。。。めっちゃ豚臭ェww
粘度はそれほど高くないのですが、今炊きあがったフレッシュクサウマスープで作った雑炊、これまた。。。たまりませんw

出典: タム6000さんの口コミ

汁なし→飯割→クサウマ雑炊、と3段階の味変が楽しめた台湾ラーメン風な一杯。
さすが家系ベースというか、かなりワイルドさが感じられる汁なしでしたね。

出典: タム6000さんの口コミ

神田大勝軒

神田大勝軒

2005年オープンの新し目の大勝軒(東池袋系)。
中華そばともりそばの二本柱だけでなく、味噌やトマト、台湾と、限定メニュー開発に熱心なのが特徴。

神田、新橋、そして江戸川橋の大勝軒は、従来のメニューに固執しないチャレンジングな姿勢から「三大変態大勝軒」と呼ばれているとかいないとか(笑)。

台湾まぜそば・山椒増量(730円)

神田大勝軒 - 台湾まぜそば・山椒増量(730円)

中心には肉味噌と卵黄。その周囲には整然と並べられた海苔、メンマ、ニラ、そして白ネギ。
台湾まぜそばのお作法に適った作りです。

オーダー時に店員さんに伝えると「シビレマシ」可能。

大勝軒らしい麺とスープ

神田大勝軒 - 台湾まぜそば・山椒増量(730円)

形状は丸断面中太ストレート。
ムチッとした食感の、麺肌が滑らかなもので、大勝軒らしさを感じます。
自家製麺。

神田大勝軒 - 台湾まぜそば・山椒増量(730円)

麺に絡められるタレは、台湾混ぜそば的なストレートな醤油ダレではなく、おそらく大勝軒のベーススープを濃い目に作ったものでしょうか?なんとなく、豚魚的な味がします。
塩気も控えめですが、ミンチの塩気もあるのでちょうどいい感じ。

全体的に優しい味わい

神田大勝軒 - 台湾まぜそば・山椒増量(730円)

台湾ミンチは、かなり細かめの豚ひき肉炒め。
どちらかというと、担々麺に載せる系の味付けかな?辛味はなく、このままご飯に載せたらそぼろご飯として行ける感じ。

卵黄とタレが混ざると、ドロッとした粘度高めの食感になり、麺に絡みまくりますね。全体的に甘口で優しい味付けの台湾です。

出典: タム6000さんの口コミ

「はなびの台湾まぜそば作りました!」
というよりは、
「世の中では台湾まぜそばというのが流行っているらしいのですが、我々大勝軒といたしましても、老舗としてそういったものにはそこそこ興味がありまして今回作ってみた次第でございます。なんとか似ている感じに仕上がりましたがいかがでしょうか?結構自信はあるのですが」
くらいのゆるーい感じの台湾インスパイア、というところでしょうかw

出典: タム6000さんの口コミ

でもそのゆるさが心地よいというか、豚魚+台湾ミックスの優しい雰囲気はなかなかアリかな、と。
C/P良好なのもさすが大勝軒。

出典: タム6000さんの口コミ

自家製麺 てんか

自家製麺 てんか

汁なし担々麺編でもご紹介したお店ですが、こちらでも台湾まぜそばを提供しています。
ちょっと珍しいカレー味の台湾まぜそばが食べられます。

カレー台湾・並・ニンニク(850円)

自家製麺 てんか - カレー台湾・並・ニンニク(850円)

麺は見えず、その上にはニラ、ネギ、海苔、魚粉、ニンニクがキレイにレイアウト。中心には肉味噌と卵黄。
カレールーが載ってたりするのかな?と思ったけどそういった演出はないですね。
また、小ライスも同時配膳されます。

かなり辛味が強いスープとカレー風味が絶妙にシナジー

麺は結構多めのスープに浸かっています。スープは、担々麺の濃い目のスープ+ラー油&カレー粉、といった印象。ゴマっぽさはなし。
麺を引き出すと、それ以上のカレーの香りがブワッと鼻に抜けます!これ絶対旨いやつw

出典: タム6000さんの口コミ

ってかこのスープ、何気にかなり辛いんですよ。
POPに「当店一番の辛さ」と書いてあるのは伊達じゃないですね。辛いのに弱い方は注意かも。

出典: タム6000さんの口コミ

自家製麺 てんか - カレー台湾・並・ニンニク(850円)

自家製麺の麺は角断面極太ストレート。茹で具合はジャスト。
加水は高めで、形状やモチッと弾力ある噛み心地は「しっかりした讃岐うどん」という感じ。

ここでスープが弱いと麺ばかりが際立ってしまうところですが、スープの風味(と辛さ)がしっかりしているのでビクともしません。

出典: タム6000さんの口コミ

自家製麺 てんか - カレー台湾・並・ニンニク(850円)

肉味噌は豚ミンチをショッパ辛く仕上げたもので、こちらも鷹の爪がたっぷり入っておりそこそこの辛さ。
よく混ぜると、スープの辛さと相まって結構刺激的な感じに。辛さ成分はトウガラシ系のみで、痺れや酸味はありません。

卵黄を割るとグッとまろやかになりますが、でも辛さは結構なもんですね。
ムセることはないけれど、汗が止まりません。

出典: タム6000さんの口コミ

カレーと白飯の相性は当然抜群

自家製麺 てんか - セットのライスを投入@カレー台湾・並・ニンニク(850円)

カレールーっぽい雰囲気のタレと白飯。
カレーライス的な気分になってきます。

お味の方は、もう鉄板!
台湾ソースの飯割でも十分旨いのに、そこにカレーが加わったらもう、ねぇw

出典: タム6000さんの口コミ

カレーもドーピングして、さらにジャンク度がアップした絶品台湾汁なしでした。
というか、これまで食べたことのある台湾汁なしの中で一番辛かったな~。
汁なし好き&辛いの好きにはぜひオススメしたいですね。

出典: タム6000さんの口コミ

麺 やまらぁ

麺 やまらぁ

ラーメン好きが高じ、店主さんが脱サラして始めたというお店。
レベルの高い鶏白湯ラーメンや激辛ラーメン等が人気ですが、ブーム初期から台湾まぜそばを提供しています。

台湾まぜそば(800円)

麺 やまらぁ - 【平日14時以降&土曜限定】台湾まぜそば(800円)

うどんのような太麺の上には、肉味噌的なひき肉を炒めたもの、ニラ、ネギ、海苔、そして卵黄。

上品なタレに花椒のアクセントが絶妙

麺 やまらぁ - タレを底から混ぜると汁なし担々風に@【平日14時以降&土曜限定】台湾まぜそば(800円)

麺は極太ストレート。高加水でモチモチの食感が特徴的。
桜井製麺製。

カンスイは弱めで、かなり「うどん」に近い弾力のある噛み心地。
麺の味はおとなしめで、カラメられた醤油ダレ+花椒の香りが鼻に抜けます。

出典: タム6000さんの口コミ

台湾ミンチは、鷹の爪とひき肉、タマネギラー油で炒めたようなピリ辛のもの。
旨味、甘味はそれほど強くなく、一歩引いたビターな風味が特徴的。油っぽさも少なめでボソッとした感じ。
ただ、これを麺の底のラー油ダレが混ざり合うと、ちょうどいい風味バランスとコッテリさ加減になり、一気に旨味が花開く感じですね。ベッタリした油っぽさもなく、塩気もジャスト。なかなか綺麗めにまとめてきた感じです。

出典: タム6000さんの口コミ

この日はライスが品切れで追い飯ができませんでした。。。

台湾まぜそば特有の全体から醸し出されるB級感がこの一杯で表現されているか?と考えると、うーん、すごく旨いんだけどかなり「上品」。
当然一杯の汁なしとしてはものすごく旨いんだけど、中毒性を増すための、あと一押し!が欲しかったかも。

出典: タム6000さんの口コミ

※本記事は、2015/01/05に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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