【大阪】黒いスープのラーメン【醤油】

　「高井田ラーメン」の流れを汲む「大阪ブラック」（720円）は、実に黒いスープで満たされています。
　スープを啜っると、真っ黒ではあるが意外にも塩辛くは無い。醤油の香ばしさから深いコクを高めているよう。このコクは烏賊ワタや海老などの魚介系の出汁がもたらしているようです。

　麺は「高井田」らしい太麺をお願いしました。極太ストレートの平打ち麺。しっかりしながらも、ちょっとモチモチした食感はかなり個性的です。
　具は大きな叉焼に極太のシナチク、そしてネギです。叉焼は脂がのって柔らか。シナチクは対照的に歯ごたえがあります。
　見た目は独創的だが、意外にもあっさりとした逸品。後口も良好です。

　「中華そば（東大阪高井田風）」（並750円）は、店名が記載された器の中に醤油の香り立つ濃褐色のスープが満たされ、その上に、煮玉子、叉焼、葱などが乗せられています。
　スープは鶏ガラべースの濃口醤油味で、醤油の香ばしい旨みとともに、ほんのり酸味のある特徴的な味わい。見た目ほどは塩辛くなく、胡椒のスパイス感が光ります。

　自家製の麺は中太ストレートで、もっちりしとた弾力があります。主張の強いスープに負けない存在感を感じさせつつ、バランス感を保っています。
　具はモモ肉の薄切り叉焼とざく切りの九条葱など。叉焼は肉感があり肉の旨味も充分。味付半熟煮玉子（＋100円）はしっかり煮含められています。
　大きくざく切りされた九条葱も特徴のひとつ。噛み締めると葱の風味が広がり、香り高いスープと絶妙のマリアージュを示します。

　「匠BLACK」（900円）は、漆黒の深い器に油分がキラキラと輝くスープが満たされ、ネギ、煮玉子、シナチク、海苔、レア叉焼が並んでいます。器が黒いのでスープの黒さが強調されています。
　スープを啜ると、いきなり醤油のコクとベースの旨味が広がってきます。スープのベースは魚介。醤油を立たせつつも、魚介の旨みを活かした仕上がりです。

　麺は多加水の中細ストレート麺。艶やかで滑らかな歯触りで、ほどよいコシと歯切れの良さがあり実に上質。具材は低温調理のレアチャーシュー。他に半身の半熟味玉、シナチク、そして大量のネギが刻まれています。
　引き出しに収納されている各種調味料で味変しながら食べるのも楽しいですね。

　「中華そば」（中600円）は、双喜紋の入ったやや大ぶりの器に濃い茶褐色のスープが満たされ、ざく切りの青葱が散らされています。高井田ラーメンらしいヴィジュアルです。
　スープは鶏ガラべースの濃口醤油味で、醤油の香ばしい旨みとともに、ほんのり酸味のある特徴的な味わい。見た目ほどは塩辛くなく、コクのある味わいになっています。

　麺は実に特徴的で、つけ麺で使うような極太ストレート麺です。モチッとしていてかつ弾力があります。
　具はざく切りの青葱とシナチク、そして叉焼ではなく鶏モモ肉です。モモ肉は肉感があり肉の旨味も充分。大きくざく切りされた青葱も特徴のひとつ。噛み締めると葱の風味が広がり、醤油の香り高いスープとの相性も良好です。

　「右ストレート」（750円）は、キラキラと油分が輝く真っ黒なスープの中に麺は完全に姿を隠し、その上にネギと叉焼が浮かんでいます。
　スープは最初に醤油の香ばしさが華やかに広がり、そして鶏ガラスープのコクと醤油の甘みが融合された濃厚な旨みが押し寄せてきます。

　麺は中細のストレート麺で、歯切れのいい食感でスープとの絡みも良好です。叉焼は大ぶりで厚切り。脂がトロっと蕩ける実に上質の仕上がりです。煮玉子（＋100円）は黄身がやや硬めの仕上がり。味は上々です。
　派手さないがしっかり醤油の風味を生かしたこのラーメン、バランスの良さが光ります。

　「中華そば並」（830円）の「竹」追加（＋150円）では、黒光りするスープの上に青々としたネギと薄切りのバラ叉焼、そして「竹」（シナチクのこと）が乗せられます。
　スープを啜ると一気に醤油の持つコクや甘み、際立つ香ばしさが口腔内に広がるます。このスモーキーな香ばしさに中毒性を感じてしまう。

　麺は中太のストレート麺で、スープを吸ってちょっと黒くなっています。ややモチモチっとしたタイプで、ワシワシいただける。スープの引き上げも良好です。
　叉焼は薄いながらもたっぷり盛られていて肉の旨味を感じます。竹は歯触りがいいアクセント、やはりこれが有ると無いとでは味わいが大きく変わります。