【月島・勝どき】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【月島・勝どき】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめの第5弾です。

記事作成日:2021/04/04

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる299の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
いずれにせよ、福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。
月島・勝どきエリアは、東京の下町として知名度の高い土地柄ですが、佃島から東京湾寄りは明治以降に埋め立てられてできた土地です。それでいて、昔ながらのお蕎麦屋さんが少ないですね。
これは、再開発が進んでいること。それももともと、工業用地や倉庫街だったところが、タワーマンションになっているからでしょう。
このエリアでおかめそばを提供するお店は、このまとめに登場する4軒のみとなっています。

月島 上むら

月島駅前のお蕎麦屋さんです。

お店は、ビルの1階に構えており、外観も店内も高級感があります。
しかし、メニューの記載を見ると以前は出前も行っていたようで、再開発により移転した町のお蕎麦屋さんと推察します。

高級感がある蕎麦店のおかめは、価格にふさわしい上品さのある味わい

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、ほうれん草、玉子焼き、椎茸、タケノコ、麩、海苔です。
盛り付けこそ、左右対称にならず、乱雑に盛っていてちょっと残念ですが、具が八目入る立派なおかめそばですね。

雰囲気同様にお値段も相応に張りますが、それにふさわしい具の種類と量、そして、上品な汁と蕎麦で美味しく仕上がっています。

亀印食堂

最寄駅は月島ですが、住所は『佃』、つまり、江戸時代からある『佃島』にあるお店です。
タワーマンションに囲まれつつも、下町風情を残す名店ですね。

看板に書かれているようにそば・うどんのお店ですが、中華そばも扱い、一品料理も豊富で食堂っぽさもあります。

下町の風情あるお店のおかめは、まさかのたぬき顔

具は、麩2個、なると、ほうれん草、椎茸、海苔、揚げ玉です。
具に揚げ玉が入り、しかもたっぷりという、たぬき顔のおかめでした。
おかめの主力の具であるかまぼこが入らず、脇役っぽい具が多いですが、意外に品目数も多く、安いながらもそれなりに美味しい、おかめそばでした。

相馬屋

こちらも亀印食堂と同様に佃にあるお店です。

ビル形式なれど、瓦屋根や立派な木製の看板が掲げられており、雰囲気があります。

店頭にはバイクがあり、出前をしていると推察します。
今でも現役の『町のお蕎麦屋さん』ですね。

下町にあって、この品格は驚きのおかめそば

下町の町のお蕎麦屋さんにして、この上品なつくりには驚きですね。
具は、かまぼこ2枚分、なると2枚、麩2個、ほうれん草、ゆで卵半分です。
盛り付けは、顔っぽさは低いものの、麩となるとが左右対称に配置され、顔を意識していなくもないでしょう。
また、飾り包丁を入れ凝ったかまぼこは見事です。
佃という、都内でも屈指の下町にありながら、醤油がマイルドで、出汁の効いた、上品で美味しい汁とそれに合わせる上品な蕎麦で美味しいです。

大むら

比較的新しい土地の勝どきにあって、明治42年創業の老舗です。
そして、勝どき界隈で唯一のおかめそば提供の蕎麦店ですね。

建物はビルですが、老舗としての風格があり、小さなお店なのですが、2階席もあって、見た目以上のキャパシティがありますね。

都内最高レベル!10種の具が入るおかめそば

具は、今まで私が食べたおかめそばの中で最も種類が多く、かまぼこ2枚、なると、鶏肉、玉子焼き、ほうれん草、しいたけ、えのき、魅、わかめ、海苔です。
かまぼこを2枚入れながらも、顔に見立てることができないのは残念です。
しかし、もはや、これだけの具が入れば、顔にするのは困難でしょう。
素直に五目そばの2倍、十目そばとして楽しむべきおかめそばですね。

※本記事は、2021/04/04に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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