【あべの・天王寺】肉うどんVs.にしんそば【3×3】

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】肉うどんVs.にしんそば【3×3】

独自の出汁文化の中で育った関西人は、昔ながらのお出汁の利いたうどんやおそばに出会うと、ほっこりとした気分になるものです。 あべの・天王寺周辺で、出汁が特徴の肉うどん・にしんそばのお店をピックアップ、ここに紹介します。

記事作成日:2022/02/19

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる527の口コミを参考にまとめました。

関西のうどん・そばは出汁が決め手

 関西のうどん・そばは、豊かな味わいのお出汁に、つるつるとした饂飩・蕎麦、出汁の滲みた具材の三位一体が特徴です。
特に大阪では肉うどんが、京都では鰊そばが人気で、それぞれ名物ともなっています。甘辛く炊き上げた肉や鰊の風味がうどんやそばのお出汁に滲み出し、その旨味やコクによってふくよかな味わいに仕上げているのが特徴です。
 独自のうどん文化の中で育った関西人は、昔ながらのお出汁の利いて、つるつる優しい風合いのうどん・そばに出会うと、ほっこりとした気分になるものです。

【肉】阿倍野庵

阿倍野庵

 近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅の東コンコース改札内にあるお店です。
 ここは近鉄の主要駅で駅ナカ事業を展開する近鉄リテーリングが運営する立ち食い業態のうどん店。近鉄では統一のブランドはなく、「阿倍野庵」「上六庵」のように、お店のある地名の後ろに「庵」を付けた店名にしています。

肉の脂が甘みを深める

阿倍野庵

 肉うどん(550円)は、黒い器の中に淡い色のお汁が満たされ、饂飩の上に肉が乗せられ、ネギと天かすが散らされています。天かすは市販のものを使っています。揚げ玉と言ったほうがいいのかな?
 お汁を啜ってみると、ベースの昆布出汁に甘辛く炊かれたお肉から滲み出てきた甘みが加わり濃厚なコクが現れます。

阿倍野庵

 饂飩は艶やかでもちもちとした口当たり。冷凍だけあって質は高いですね。肉うどんには讃岐ではなく、こういった冷凍饂飩のほうが合うと思います。
 お肉はバラ肉かな?脂身が多いが、この脂が出汁の甘みを深めています。小口切りの葱も良好な食感です。550円という、立ち食い饂飩にしてはやや高めな値段設定だが、その価値はありますね。ほっこり温まりました。

【鰊】松屋うどん

うどん 松屋

 天王寺駅・大阪阿部野橋駅のすぐ近く、あべのキューズモールの北側の一角、ヴィアあべのウォークの入口のところにあるお店です。
 このヴィアあべのウォークは、阿倍野筋や旭通りに昔から営業されていた地権者が出店しているゾーンで、このお店もそのひとつです。

うどん店でもそば

うどん 松屋

 「にしんそば」(400円)は、関西にしては濃い色のお出汁の中にそばが横たわり、やや小ぶりの身欠き鰊と葱がトッピングされています。
 先ずはお出汁を啜ってみる…鰹などの節と昆布から引いた出汁は、節の風味を感じさせつつバランスのいい味わい。このお出汁は饂飩より蕎麦の方が合ってるような気がします。

うどん 松屋

 蕎麦はやや柔めでモチっとした食感。歯切れがいいとは言えないが、立ち食いそばっぽい風合いです。
 身欠き鰊は甘く煮こまれ、しっかりとした歯ごたえがある。この値段にしては上質です。

【肉】加寿屋 四天王寺店

加寿屋 四天王寺店

 地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅駅より谷町筋を南のところ、四天王寺西門前の交差点北東角にある、その名前通り「カスうどん」をメインにしたうどん店です。
 店内はカウンター席とテーブル席、それに小上がりと、合わせて30人以上かな?

肉は肉でも油かす

加寿屋 四天王寺店

 「かすうどん」(600 円)に「ハリハリ」のトッピング(+100円)。「ハリハリ」とは水菜のこと、大阪では常識ですね。
 まずはお出汁を啜ってみる…予想に違わず濃厚なコクが広がってくる。鰹だし の旨みもさることながら、やはり牛脂から溶けだした甘みと旨みが濃厚。

加寿屋 四天王寺店

 油かすはカリっとしたようなムニュっとしたような複雑怪奇な食感だが、噛めば噛むほど風味の広がる不思議な味わい。
 かすうどんだけなら脂っこいが、水菜を入れるとさっぱりします。水菜のハリハリした食感も楽しいですね。

【鰊】深川

深川

 天王寺駅から谷町筋を北へ500メートルぐらい、四天王寺に向かう参道に入ってすぐのところにあるお店です。地下鉄四天王寺前夕陽ヶ丘駅の1番出口からなら、南へ500メートルぐらいです。
 店内はテーブル席のみ20席ぐらいの、四天王寺への参詣客がよく利用しているお蕎麦屋さんです。

四天王寺の参道でほっこり

深川

 「にしんそば」(560円)は、湯気が濛々と立っているお鉢の中に蕎麦が横たわり、その上に大ぶりのニシンが乗っかっています。
 早速お出汁を啜ってみると、身欠き鰊の甘みの移ったお出汁はまろやかかつ爽やか。この爽やかさは柚子の皮が浮かんでるからですね。

深川

 蕎麦は…それほどこだわりはなさそうな製麺所の蕎麦です。それでも、この鰊のボリウムでこの値段なら文句ありません。
 お店の方々の接客もフレンドリーで心温まる…たまにはこういった昭和の風情漂うお店でほっこり温かいお蕎麦を楽しむのもいいですね。

【肉】穂の香 天王寺Mio店

穂の香 天王寺Mio店

 JR・天王寺駅の直上の複合ビル、天王寺ミオ・本館10階にある、グルメ杵屋が運営するやや高級志向のうどん店です。
 店内はテーブル席とカウンター席からなる100席足らずかな?饂飩店らしい和風の明るい雰囲気です。

バランスのいい牛肉うどん

穂の香 天王寺Mio店

 「牛肉うどん」(1,070円)は、重そうな器の中にはたっぷりの牛肉と青ネギが浮かんでいて、真ん中に卵黄が沈んでいます。お出汁は肉の脂でキラキラ輝いています。
 出汁は旨みとともに独特の甘みが前面に押し出しているのが特徴的。この甘みは肉に砂糖で味付けられたものだけでなく、牛肉の脂の甘みも感じているんでしょう。

穂の香 天王寺Mio店

 饂飩はやや太めで、自家製麺だけあってしこしこかつモチモチしています。讃岐のようなコシがあるわけではないが、艶っぽいつるつるした食感。関西風のお出汁との相性は抜群です。
 牛肉はバラ肉なんでしょう。脂分がやや多めで脂のコクと甘味を感じさせています。そこに卵黄のまろやかさが加わり、全体のバランスを高めています。

【鰊】石臼挽蕎麦 弦

石臼挽蕎麦 弦

 近鉄・大阪阿部野橋駅に直結、各線・天王寺駅の直近。「あべのハルカス」の12階レストラン街「大坂通」にある、昨年(2021年)10月にオープンした蕎麦店です。
 店内中央にカウンター席代わりの大テーブル席、その右側が2人から4人のテーブル席。左側には個室にもなりそうな仕切られた空間があり、こちらにもテーブルが並んでいる全部で46席です。

鰊とお汁が徐々に馴染んでくる

石臼挽蕎麦 弦

 「にしんそば」(1,430円)は、褐色のおつゆが器に満たされ、中に蕎麦が横たわっています。その上に蒲鉾、海苔、葱が乗せられ、主役の鰊の甘露煮は蕎麦の下に隠れています。
 おつゆを啜ってみると、予想通り出汁の質感が上々。昆布と鰹から丁寧に引いたものと思われます。蕎麦は通し上げのようで、歯切れのいい上々の茹であがり。

石臼挽蕎麦 弦

 鰊は大ぶりで甘辛く煮含められているが、味付けはやや抑制的で鰊の持味を活かした炊き上り。
 お出汁が滲みて徐々に身が柔らかくなるのがにしんそばの真骨頂です。

※本記事は、2022/02/19に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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