【あべの・天王寺】日本生まれの西洋料理【和魂洋才】
文明開化とともに西洋の料理が日本でも受け入れられるようになるとともに、日本人向けにの嗜好に合うようアレンジが加えられ、「洋食」として日本で独自に発展しました。あべの・天王寺周辺で、日本生まれの西洋料理を集めてみました。和魂洋才の味覚を味わってみませんか。
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このまとめ記事は食べログレビュアーによる700件の口コミを参考にまとめました。
幕末から明治時代初期、日本在住の西洋人のため西洋料理店の店で下働きした日本の料理人たちは、のちに日本各地で自分の店を開きました。それによって日本人に西洋料理が広まることになりました。
日本の西洋料理の黎明期より、西洋料理の食材を日本の食材で代用するとともに、料理人の工夫により日本人の嗜好に合うようアレンジが加えられました。こうした日本で独自に発展した西洋風の料理を「洋食」と呼ばれるようになりました。
そうして生まれた日本的な洋食の代表が、ポークカツレツ、カレーライス、コロッケ、カキフライ、エビフライ、オムライスなどです。ポークカツレツは「とんかつ」と名を変え、今や日本料理のひとつとして数えられるようになりました。

出典: kurodaさん
近鉄・大阪阿部野橋駅の直結、各線・天王寺駅の直近。あべのハルカス近鉄本店・タワー館の12階から14階までを占めるハルカスダイニングの13Fにある「ドリア」をテーマにしたお店です。
店内はテーブル席ばかり40席ぐらいかな。ややダークな色調の落ち着いたインテリアで、テーブル間が広く取ってありゆったりしています。
ドリアは1930年頃、横浜ホテルニューグランドの総料理長が、体調を崩した欧州の銀行家のために即興で提供した料理だとされています。
「エビとモッツァレラのイセエビ風味のクリームドリア」(1,300円税別)は、火の点いたコンロに乗せられて出されます。
鉄鍋のドリアは、とろとろに溶けて少し焦げ目の付いたモッツァレラチーズの中に、小海老が6尾乗せられています。スプーンを入れて引き上げると、チーズが糸を引きます。海老はプリプリしていますね。
底にあるライスはアメリケーヌソースが絡められていて、したからさらに加熱されているので、少しお焦げができています。
イセエビの風味を纏ったライスととろりと蕩けるチーズの風合いが意外に美味い。



34人
691人
050-5593-9656
出典: kurodaさん
地下鉄谷町線・阿倍野駅の7号出口直結、あべのベルタの地下2階にある、朝は喫茶、昼は定食、夜は串焼きホルモンという、謎コンセプトのお店です。
店内はキッチンに面した少しだけのカウンター席と、大テーブル、小テーブル、そして奥の掘りごたつ席からなる30席足らずです。
ナポリタンの発祥は諸説あるが、こちらも終戦後にGHQに接収されていたホテルニューグランドの第2代総料理長が、進駐軍の兵士に提供したのが嚆矢だと言われています。
「ナポリタン」(並800円)は、大きめの丸皿に赤いナポリタンが盛られ、その上にサニーサイドアップが覆い被さっています。そしてたっぷりの千切りキャベツとポテトサラダが添えられています。
中太のパスタはもちろんアルデンテとは対照的なもちもちした風合い。味付けはやや甘めで酸味は控え目です。
具材はソーセージ・玉ねぎ・ピーマン・人参と、内容はオーソドックスながら具だくさんです。サニーサイドアップを潰して蕩ける黄身とともにいただくと、まろやかな風味になってさらに美味しい。



46人
1658人
050-5600-2132
出典: kurodaさん
「あべのハルカス」の地下2階、食品売り場の一角にある「あべの市場食堂」にある、オムライスの発祥として知られる「北極星」の支店です。
お店はテイクアウトのキャッシャーとともに6席のカウンター席と2人掛け・4人掛けのテーブルがある全12席です。
オムライス発祥の経緯は明治期の大阪でのこと。北極星の店主が、毎回オムレツとごはんを注文する胃弱のお客さんのために、ケチャップライスを薄焼き卵で包んで提供したのが嚆矢とされています。(東京の煉瓦亭という説もあります。)
「ビーフオムライス」(1,080円)は、鮮やかな黄色の玉子に包まれていて見るからにふっくら。やや浅い色のケチャップソースが、カリグラフィーの如く皿の上で主張しています。漂ってくるラードの香りが期待を高めてくれます。
スプーンを入れてみると、繊細な火加減で調理されたのであろう、絶妙の半熟状態が見て取れます。玉葱とビーフの持つ旨さを纏ったライスがツヤツヤ状態で顔を出しています。シンプルな味付けではあるが、存在感のある口当たりです。
酸味の少ないトマトケチャップは、オムライスの風味を引き立たせる程度で、それ自体に主張を持たせてはいない、奥ゆかしい風味となっています。
薄切りのビーフがたっぷり入っていて、肉の旨みを感じさせます。添えられているのは北極星伝統の甘酢生姜。ピクルスの代わりに、手に入れやすい甘酢生姜を選んだ明治人の知恵に感服します。



66人
1133人
06-6654-6808
出典: kurodaさん
地下鉄谷町線・天王寺駅の直上、各線天王寺駅、および近鉄大阪阿部野橋駅からもすぐのところ、「あべちか」KYKでも初期のお店で、開業以来ずっと人気を保ち続けている有名店です。
店内は6席ほどのカウンター席以外はすべてテーブル席の全60席ほどです。
今ではもう和食の一種と言っていい「とんかつ」の発祥は諸説あります。その原型はもちろんポークカツレツです。
「季節の手巻き野菜とんかつ膳」(1,410円)は、メインのお皿には金網が敷かれ、その上に2種の手巻き野菜とんかつと、エビフライが1本乗せられています。
海老フライは中ぐらいのサイズで、身もふっくらしていてプリプリに揚げ上がっています。レモンとタルタルソースでさっぱいりただけます。
とんかつはグリーンアスパラとパプリカとなっていて、それぞれ3等分にカットされています。その断面も鮮やかですね。オリジナルソースと甘口ソースの2種のソースでいただきます。
油っぽさを全然感じさせない実に軽い衣は、サクッとした口当たり。野菜の持ち味が封じ込まれていてそれぞれの特徴が現れます。肉質はかなり柔らかく、豚肉の旨味が口に広がります。中心が野菜なので胃に重くないのもいい。



84人
736人
06-6772-5385
出典: kurodaさん
「あべのハルカス」の南隣、岸本ビルの1階にあるとんかつの「KYK」とカレーの「サンマルコ」とをコラボさせた、トンカツとカレーをツートップに据えたお店です。
左側に大きなU字型のカウンター席、右側と入り口横にテーブル席・ボックス席が並ぶ、全44席の明るく広い造りとなっています。
日本生まれのカツカレーが、カレーライスの母国・イギリスで大ブームになっています。まさに里帰りを果たしています。
ラージカツカレー(980円)は、レギュラーのカツカレー(880円)より100円高いものの、カツがかなり大きくなるのが魅力です。とんかつ専門店ならではのカツはサクッとした揚げ上がりで、肉質も良好。
カレーソースはまさしく欧風カレーの風合いで、スパイシーながら辛すぎない。そして、酸味と甘みも押さえ目ながらしっかりコクを出している、サンマルコらしい安定した味わい。老若男女、誰からにも好かれる理由が判ります。
ここは薬味も特徴的で、名物のキャベツのピクルスに加え、ナッツ、レーズン、パイナップル、胡瓜の漬物が専用の容器に入ってやってきます。
さらにお替り可能のサラダもあり、カレーの口をリセットできるのもいいですね。



152人
3553人
06-6621-6639
出典: kurodaさん
JR・天王寺駅の直上の複合ビル、天王寺ミオ・プラザ館の4階にある、阿倍野の洋食の老舗、グリルマルヨシの支店です。
店内は横長で、テーブル席と8席程のカウンター席のある全20数席。ランチ時には常に満席になる人気店です。
ロールキャベツの原型はトルコ料理の「ドルマ」と言われています。
1946年の創業以来、グリルマルヨシで不動の人気を誇っているのが「ロールキャベツ」(1,500円税別)です。ソフトボール大のロールキャベツにはデミグラスとカレーの2種類のソースがかかっています。見事なコントラスト。
この大きさにもかかわらず、ナイフがスッと通る柔らかさ。そしてしっかりと火が通っているのに断面は見事なローズピンクを保っています。
口に入れると肉の旨味とキャベツの甘みが広がり、2種のソースによってそれぞれ異なった味わいに変化する。
最後はソースが混ざり合い、より深い味わいに昇華していきます。



285人
9366人
06-6773-2168
出典: kurodaさん
地下鉄・動物園前駅、およびJR新今宮駅から南方向。飛田本通商店街(動物園前一番街商店街)をまっすぐ進み、新開筋商店街と交差する手前にある食堂です。
昭和の面影が漂う店内は、テーブル席ばかりの30席ほど。マガジンラックには新聞や雑誌、テーブルに灰皿が置いてあるのも昭和です。
「ハヤシライス」の語源は「ハッシュドビーフ ウイズ ライス」を短縮したものであるという説が有力ですが、定かではありません。関西では「ハイシライス」と呼ばれることもあります。
「ハイシライス」(600円)は、楕円形のアルミ皿の片側にライスが盛られ、ハヤシソースが横掛けされています。ソースにグリーンピースが散らされているのがクラシカルですね。
ソースには形の残る玉葱がたっぷりで、薄切り牛肉も少し顔を出しています。ひと匙口に運ぶとデミグラスソースの濃厚な風味が広がってきます。
酸味は極めて抑制的で、コクを強調した風合い。お肉の量は少ないがそれは値段相応。玉葱は適度な食感を残し、グリーンピースは風味と食感のアクセントとなっています。
昭和の時代から味も姿もそのまま残しているこの「ハイシライス」、スプーンが紙ナプキンで巻かれているのも昭和のスタイルです。「ハヤシ」ではなく「ハイシ」と称しているのは関西らしいところです。



33人
900人
06-6641-0261
※本記事は、2023/05/08に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。