東京で食べられる世界の料理 西アジア(中東)編

出典:ランチ向上委員会さん

東京で食べられる世界の料理 西アジア(中東)編

国際都市たる東京では、世界中の料理が楽しめます。その中には日本人向けのアレンジがされておらず、現地の味そのものが食べられるお店も少なくありません。海外旅行に行かずとも本場の味が楽しめる東京のお店を紹介するまとめの第3弾、西アジア(中東)編です。

記事作成日:2024/01/28

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる1380の口コミを参考にまとめました。

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エキゾチックなイメージだが、スパイスはマイルド。野菜もあり、意外に食べやすい

『中東』に明確な定義はなく、「ヨーロッパからみて、やや、遠い東側」の意味。地理的に言うのであれば『西アジア』が正しいのですが、日本ではアメリカの表現が一般化しやすく『中東』と呼ぶほうがわかりやすいようです。
中東と言った場合は、エジプトをはじめとする北アフリカも含まれるのですが、食べログ上では、エジプト料理はアフリカ料理として分類されています。
このような点からも、日本からは少し縁遠い地域であることがわかります。
しかし、国際都市たる東京には、この地域の飲食店も少なからず存在します。
今回は、食べログ上のジャンルとしては『中東料理』、地理的には『西アジア』の料理の紹介です。

砂漠のイメージが強いですが、意外に農業国が多く、野菜を使った料理も豊富です。トマト、ナスなどを使うことが多いですね。
「スパイスを使った料理」と紹介されることが多いですが、実際のところは、クミンやコリアンダーシードなどをパウダーで使い、インドをはじめとする南アジアのようにしっかりと効かせることはありません。総じてちょっと薄味で素材の味を活かします。
ヨーグルトやレモンで軽い酸味を効かせるところも特徴でしょう。
主食は、ケバブサンドでお馴染みのピタは、小麦粉を発酵させて作るもの。南アジアの主食でもある不発酵で焼く、チャパティに近いものも見かけます。また、意外にも米を食べる国もあり、長粒米が主体です。
宗教的には、ムスリムが多いため、豚肉は禁忌となります。イスラエルはユダヤ教国家ですが、こちらも豚肉が禁忌ですね。
この地域を象徴する食材は、ひよこ豆でしょう。『フムス(フンムス、ホンモス)』と呼ばれるひよこ豆をペーストにした料理がポピュラーです。
お酒は、イスラム教では禁忌であるものの、厳格でない国もあり、イスラム教国であっても生産されており、お店に置いてあることもあります。
もちろん、ノンアルコール飲料は充実しており、定番の紅茶を始め、多様なお茶を見かけますね。

食文化とは、似ていても、個性があり、互いに影響しあっているものです。
食べ比べて、違いや共通性を見つけるとその国の個性が見えてきますね。
これぞ、国際都市である東京だからこそできる楽しみ方です。

トルコ料理:世界三大料理に入るというほど世界的にはメジャーです。 イスラム教国であるため豚肉は使わず、鶏肉と羊肉がメイン。 味付けにトマトとヨーグルトを用いることが多いです。

ウスキュダル

新宿駅南口、甲州街道沿いにあるトルコ料理店です。

店内は、 トルコ風の装飾がたっぷりで雰囲気がありますね。
ランチタイムは窓から自然光も入り、明るい店内です。

『イスケンデルケバブ』は、トルコ料理の定番中の定番です。
アレクサンドロス3世(アレクサンダー大王)のことです。
大王がこの料理を好んだという逸話からこの名前になっています。他にも料理を発案した料理人の名前という説もあります。
炒めた薄切りの牛肉にパンを加え、そこにトマトソースをかけてオーブンで焼き、ヨーグルトをかけてあります。

『フムス』は、ホンモス、フンムスなどと、国や文化の違いによって微妙に呼び方は異なりますが、中東で定番のひよこ豆のペーストです。
こちらのものは、あまり味付けをしておらず、ひよこ豆のストレートな味わいです。
塩味も控えめなのでまさに豆のペーストですね。

トルコレストラン チャンカヤ

西新宿の雑居ビルの3階にあるトルコ料理店です。

道路を歩いている限りはお店に気づきませんが、よく見ると3階の窓のあたりにトルコ国旗が出ています。
また、1階にはメニューの書いた看板がありますね。

『メルジメッキ・チョルバス』は、トルコ料理定番のスープ。
レンズ豆を潰したポタージュですが、非常に細かく刻まれた人参と玉ねぎが入り、青臭さは無いものの豆っぽさがあり、おかゆのような印象も受けなくもない味わいです。
豆が苦手な人にはあまり美味しくないでしょう。

『イズミールキョフテ』はイズミール(港町の地名)風ミートボールのトマト煮です。
短いシークケバブという感じで、脂は少なめのミートボール。クミンの香りがしますね。
それを人参とともにトマトソースで煮込んで、フライドポテトを盛り、イタリアンパセリを散らしてあります。

Yıldız Turkish Restaurant & Bar ユルディズ トルコレストラン

JR蒲田駅東口にあるトルコ料理店です。

お店は駅前の商店街にあり、ビルの2階ですが、2階部分にトルコ国旗を掲げているので目立ちますね。

店内もエキゾチックでなかなかお洒落です。

『ヤイラ・チョルバス』は、ヨーグルトをベースにしたスープ。
スープなので温かく、ヨーグルト由来の酸味とコクのあるところにドライハーブの香りが加わっています。ほんのり辛いオイルもたらしてあり、ヨーグルトが意外に食材となって、料理として成立しています。煮込まれた固形物がありますが、後でレシピを調べたところお米のようです。

『キミレットキョフテ』は、キョフテ(ミートボールのトマト煮)ですが、キミレット(鉄板)に盛り付けたもの。
お肉は、牛肉とのことですが、羊肉も入っているようで香りがします。
一般的なスパイスを使っているようですが、スパイシーさは無いですね。
同じキョフテでもお店によって味は結構、違います。

ムスリムの食後の飲み物といえば、紅茶です。
この器がエキゾチックですね。

ケバブ:トルコ移民によってドイツ等のヨーロッパで身近なファストフードとなり、日本にも入ってきました。 材料が鶏肉で他の肉類よりも低価格で、調理も簡単なので、近年、日本でも急激に店舗数が増えています。

レイスケバブ 新宿店

新宿歌舞伎町の端、西武新宿駅の駅前にあるケバブの売店です。

都内に数多くあるケバブ専門店の中で、ここをお勧めするには理由があります。
好立地でお客さんが多いため、常にお肉をスライスしていて、焼き立てで美味しいのです。
お客さんの少ないお店は余ったお肉を冷凍しておいて、店頭のドネルケバブは看板のような扱いで乾燥していて美味しくないですね。

ケバブの安さも魅力です。
写真のケバブサンドは、350円(2023年4月現在)
それでいて、ケバブもキャベツも量が多く、お得感がありますね。

ユルディズケバブ 梅屋敷駅前

京浜急行電鉄梅屋敷駅前にあるケバブ店です。

店頭ではドネルケバブがグルグル回る、定番の祖タイルです。
しかし、こちらのお店が他店と決定的に違う点は、そのメニューです。
経営母体が蒲田のトルコ料理店であるため、トルコ料理メニューが充実しています。

『アジルエズメ』はトルコ料理の定番メニューで、トマトをベースにしたペーストです。
トマト以外に野菜は、ニンジン、ピーマンが非常に細かく刻まれて入っていますね。
味ですが、トマトの旨み以外にも軽い辛さがあります。
メキシコを中心としたラテンアメリカでよく食べられるサルサに近い味わいですが、それよりも味は辛さがマイルドで、食感はソースからペースト状になったような料理です。
トルコのパンの『ピタ』が付くので、これに付けていただきます。

シリア・レバノン料理:日本では発展途上の料理で、各国の料理の違いがわかるほどの数の飲食店が東京にはありませんが、トルコ料理との共通点がありつつも、インドをはじめとする南アジア料理との共通点もあります。

アラビアレストラン ゼノビア

広尾にあるシリアを中心としたアラビア料理のお店です。

店内は、「アラジンと魔法のランプ」のランプ的な金属製のランプが並び、照明も同じくアラビア感のランタンになっており、雰囲気はバッチリですね。

『ヤレンジ』は、ぶどうの葉の中にパセリ、トマト、米などか入ったもの。ぶどうの葉が食用になるとは驚きです。
味は、クセの無い葉物野菜を酢漬けにした感じです。酸味は強すぎず、ピクルスが好きな人には美味しいでしょう。

『タッブーラ』も定番の前菜ですね。
細かく刻んだパセリのサラダです。横にトマトを細かく刻んだものも添えられています。
味付けは、ソフトな酸味と塩胡椒でしょう。この酸味ですが何かのビネガーかと思いましたが、レモン汁とのこと。
更に添えられているレモンで酸味をプラスして、酸っぱくして食べるのが本場流とのことです。

お店の名物は『ゼノビアホンモス』です。
ホンモス(フムス)は定番のひよこ豆のペーストですが、お店の屋号を冠するこちらはひと味違います。
豆の旨みにピリリと効く青唐辛子とパセリとオリーブオイルの風味は完成された味わいです。

レバノンは、紀元前からワインが作られ、地中海沿岸の都市に輸出されていたらしく、歴史はあります。
『レバノンワイン』の「シャトー・クサラ レゼルヴ・デュ・クヴァン」は、シラー40%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン30%。フレンチオークで12ヶ月間熟成。
ボルドーっぽい感じの重厚な美味しさです。

イスラム世界では、やはり、ノンアルコール飲料が充実しています。
『マッタ茶』は、アラビア特有のお茶です。
マテ茶ですが、葉っぱもグラスに入っていて、金属製のストローでいただきます。
ストローの下部には茶こしが付いているので茶葉は口には入らないという仕組みです。

イラン料理:古くはペルシャと呼ばれた土地。味付けはトマト、羊肉を好み、牛肉も食べます。主食はナン。西アジアの典型のような食文化ですが、ザクロやバーベリ―(セイヨウメギ)などの酸味のある果実を使います。

レストラン アラジン

広尾のあるイラン料理店です。

脇道に少し入り、加えて、私道を少し入った奥まった場所にあります。
もともとは、上品なフランス料理店だったところに居抜きで開業しているので雰囲気がいいですね。

『マヒチェ・グスファンド』は、子羊すね肉の煮込みです。
パキスタン料理のニハリに似ています。というか、使っている肉の部位はほぼ同じ。煮込みという調理法も同じですね。
味付けは決定的に異なり、トマトベースで煮込み、パセリを散らしてあります。対して、ニハリはスパイシーです。
味わいはシンプルで、トマトの味に支えられた肉の旨み、パセリで清涼感が出ています。

『ゼレシュク ポロ』は、鶏肉とご飯の盛合せです。
トマトベースの味わいでじっくりと骨付きの鶏肉を煮込んだものです。
名前の「ゼレシュク」=「バーベリーの実」「ポロ」=「ご飯」です。
「バーベリー」は赤い実で『セイヨウメギ』という植物の実です。生ではなく、干してあるものですね。
ポロ(ご飯)全体としては甘さを感じるのですが、実はこの甘さは細切りの人参を甘く煮こんだもの。
バーベリーは、甘くなく、酸っぱいですね。アクセントになります。

こちらにも定番の『フムス』があります。
縁にパプリカパウダーで模様を描いてあり、ちょっとお洒落ですね。
中央にはオリーブオイルがあります。
オリーブオイルと混ぜて食べると、オリーブオイルの香りを感じ豆特有の臭さはありません。
レモンを加えているようで、軽い酸味がありますね。

イスラエル料理:宗教はユダヤ教です。隣国と宗教が異なっても、食文化は土地にも大きく影響されるようで、周辺の国々で食べられているものと近い料理が多いです。

TA-IM

広尾と恵比寿の中間あたりにある小さなイスラエル料理のお店です。

カウンターのみの店内ですが、イスラエルの地図や装飾品が飾られ、なかなかにぎやかです。イスラエルワインの紹介も書いてあり、ゴラン高原のワインに興味がわきますね。

イスラエルも『フムス』を食べます。
ペーストはすり鉢状に盛られて、中央部にオリーブオイルが注がれています。

『ファラフェル』は、ひよこ豆のコロッケ。揚げたてでサクサク感があり、香ばしいです。

『マッブッハ』は、パプリカとトマトのペーストにスパイスを入れたもの。トマトは完熟を使っているのか、干して熟成させて使っているのか、酸味は弱いです。

『ババガヌシュ』は、なすの蒸し焼きペースト。皮を剥いで白いペーストとなると、ナスっぽさが無い見た目になりますね。

※本記事は、2024/01/28に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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