川崎発祥のB級ご当地グルメ!タンタンメン!!

川崎発祥のB級ご当地グルメ!タンタンメン!!

神奈川県は中華料理が盛んな県です。県庁所在地で中華街を擁する横浜市には、横浜名物のご当地麺料理の『サンマーメン』があります。県下の第二の都市である川崎市にも、実はご当地麺料理『タンタンメン』があるんです。しかも、提供するお店もたくさんあり、具材や味にも幅がある自由な麺料理なんです。

更新日:2015/06/10 (2015/05/07作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる3471の口コミを参考にまとめました。

担々麺ではない、勝浦でもない、これが川崎のタンタンメンだ!

四川料理の担担麺をモデルに街の中華料理店が、アレンジしたのが始まりです。最も有名な元祖ニュータンタンメン本舗は、東京都内にも支店を持ち有名になりました。ここのタンタンメンは、塩味スープに太麺、たっぷりのニンニク・唐辛子を入れて溶き玉子で仕上げるパンチの効いた麺料理です。最近はラーメンマニアに注目されてメジャーになりました。
しかし、始まりは街の中華料理での提供であったため、これ以外のタンタンメンも多数存在しているのです。
ニンニクと唐辛子の刺激的なタンタンメンから、野菜たっぷりのマイルドなタンタンメンまで、自由なタンタンメンワールドに川崎タンタンメン研究の第一人者で中華料理マニアの私がご案内いたします。

元祖ニュータンタンメン本舗 京町店

元祖ニュータンタンメン本舗は、川崎のタンタンメンの代名詞。その本店にあたるお店です。
川崎市川崎区、幸区、横浜市鶴見区を中心にフランチャイズでチェーン展開しています。
もともとは、近年はラーメン店として認知されていますが、「中華焼肉レストラン」という何でもありのお店です。一部テーブルには焼肉用ロースターもありますし、タンタンメン以外にもオリジナリティ溢れた中華料理メニューがあります。
このチェーンを模倣したお店も多いので、創業者の名前の愛称から「イソゲン」と呼ぶ人もいます。

元祖ニュータンタンメン本舗の総本店!!!

■タンタンメン(750円)
スープは、澄んだ塩味です。鶏がらと思われていますが、牛骨と思われる大きな骨を割ってスープに入れてダシをとっています。
麺は太麺でモチモチ。
ひき肉とニンニクと卵と唐辛子を使った、食べた人にしかわからない、イメージしがたい料理です。
翌日までニンニクの香りが残るので、大事な予定の無い日にいただきましょう。
辛さは、控えめ~めちゃ辛まで5段階で指定できます。

元祖ニュータンタンメン本舗 蒲田店

JR蒲田駅と京急蒲田駅との間にあり、アクセスがいいお店です。
テーブル席もあり、ファミリーや団体でのご利用もOKです。

このお店の何よりの魅力は、このオリジナルメニューです。
■ジャンボタンタン(1,100円)
麺・スープ・具のすべてが、並盛の2倍というビッグサイズ!写真の脇に見える半炒飯との差を比較してください。

こちらも蒲田店限定のおすすめ!
■タンタン飯(650円)
「タンタンハン」と読みます。タンタンメンのスープに片栗粉でとろみをつけて、ご飯にかけていただきます。

都内にある利便性とオリジナルメニューの豊富さが魅力

元祖ニュータンタンメン本舗 六会店

元祖ニュータンタンメン本舗の中で、最も西にあるお店です。
ローカルな駅の駅前にある、カウンターのみの小さな中華料理店といった雰囲気のお店です。

■トロミタンタン(780円)
このお店だけのオリジナルメニューです。
ニンニクと唐辛子の効いたパンチがあるのが一般的なタンタンメンが、つくり手の穏やかで優しいご主人の人格があらわれているのか、マイルドな仕上がりになっています。

元祖ニュータンタンメン本舗 品川店

品川駅前、京浜急行の高架下にある『品達どんぶり五人衆』にあります。
元祖ニュータンタンメン本舗のタンタンメンが山手線の駅から徒歩圏内で食べられる唯一のお店でしょう。

メニューが絞り込まれていますが、定番のタンタンメン以外にも食べていただきたい料理があります。
■みそ餃子(400円)
茹でた餃子に特製酢味噌をかけたものです。この酢味噌ですが、酢の酸味が強いわけではなく、甘みやケミカルな旨みもあって、なかなかのB級間ですね。全店にあるサイドメニューなので、初心者にはタンタンメンと共に食べていただきたいです。

北京

こちらも、元祖ニュータンタンメン本舗に匹敵する有名店です。
そして、『北京』の屋号のお店にはオリジナリティ溢れるタンタンメンが多数存在します。
東急田園都市線宮崎台駅から少し歩いたところにある集合住宅の1階にテナントとして入る中華料理店ですが、時間によっては行列のできる超人気店なのです。

一度は味わいたい、あんかけ系タンタンメンの最高峰

■タンタンメン(850円)
材料のうち、ニンニク・挽肉・唐辛子は、元祖ニュータンタンメン本舗のものと共通ですが、ザーサイが入り、とろみもしっかりしています。
スープも醤油系でダシもしっかり、薬味のネギが載る点などは、中華料理っぽさが強いですね。

川崎市内でも、溝の口周辺のエリアでは、このようなスタイルのザーサイ入りであんかけのタンタンメンを見かけます。

北京

南武線の鹿島田駅近くの中華料理店です。やはり北京の屋号ですが、上記のお店との経営的な関係はありません。

■タンタンメン(700円)
何と、ニンニクは使わず、ショウガなのです。
ザーサイが入る点は、宮崎台の北京に似ていますが、とろみはありません。
玉子が入る点は、元祖ニュータンタンメン本舗に似ていますが、ニンニクが入らないのです。

この多様性こそ、タンタンメンの本質でしょう。
元祖ニュータンタンメン本舗を味わった次は、こういうオリジナリティのあるタンタンメンを楽しみましょう。

北京中華料理

■タンタンメン(750円)
豚ばら肉の細切り・もやし・玉ねぎ・ニラを軽く炒めてから、煮ています。
具となる野菜などの下に玉子がありますが、加熱の加減が少し弱めで、完全に固まりきってません。上手に親子丼を作った際の玉子とじより少し固めぐらいで、白身は加熱により白濁していますが、箸で持つと崩れるぐらいの感じです。
辛さもラー油と四川豆板醤のようなもので構成され、ゴマも振られ、ニンニクは摩り下ろした上に残りを塊のまま入れてあります。
とにかく手が込んだ調理で到底真似できるものではありません。

味の散歩 中華村

このお店のご主人は、川崎の中華料理界を牽引する人で、腕前も人格も素晴しいです。川崎餃子舗の会の会員であり、神奈川サンマーメンの会の会員でもある有名ご当地中華料理店です。

■タンタンメン(750円)
見た目は、元祖ニュータンタンメン本舗のものと大きく変わりませんが、肉はひき肉ではなく細切り肉、野菜もイロイロ入り、ニンニクも乱切りでごろごろしています。
強い味わいであるものの、全体を上手にまとめる技術力は素晴しいですね。

強さと優しさを共存させたタンタンメンの名品です。

天龍 銀座街店

川崎で創業50年以上の老舗中華料理店で、駅周辺に4店舗を構えます。「天下一・い・ず・ま」のキャッチフレーズが有名なお店ですね。

■タンタンメン(590円)
具は、ひき肉・玉子・ねぎ・ニラ・きくらげで、ここまでであれば川崎らしいタンタンメンですが、スープにはすりごまが浮かびます。ゴマが入ると急に四川料理の担々麺っぽくなりますが、玉子に存在感があり、一般的な担々麺のイメージして食べると驚きますね。

金華園

南武線矢向駅近くの中華料理店です。
こちらの魅力は2種類のタンタンメンを楽しめることです。もちろん両方とも川崎のタンタンメンですね。

■玉子タンタンメン(650円)
玉子とひき肉が具で、元祖ニュータンタンメン本舗に近い感じの最も基本的なスタイルのタンタンメンです。
すりおろしニンニクを使っていて、マイルドな感じです。

■ニラタンタンメン(650円)
たくさんのニラが存在感を示していて、他に挽肉・唐辛子が使われています。玉子タンタンメンと同様にニンニクはすりおろしですね。
これで、あんかけになっていれば、宮崎台の北京などとの類似点が見いだせるのですが、サラサラのスープであるのがこのお店の特徴ですね。

川崎で有名な2つの系統のタンタンメンを1つの店舗で提供している珍しいお店です。

2つのタンタンメンを持つお店!

テンコウ 居食屋

「天仰」という屋号で中華料理店が業態変更し「Tenkoh」と居酒屋になっています。その居酒屋でいただける異色のタンタンメンです。

■タンタンメン(570円+税)
具にザーサイ・玉子・ネギが使われたものです。麺は、標準的なちぢれた中華麺ですね。辛さの主体は、唐辛子も見えますが、実は胡椒です。
スープが特徴的で、見た目は澄んだ飲んだ後に繊細な旨みが残ります。強い味のスープに慣れていると、感じることが難しい味わいですが、これはあさりかしじみなどの2枚貝の出汁でしょう。おそらくはあさりかと思います。

徳福 川崎店

徳島ラーメンを提供するチェーン店です。

が、何と!川崎のタンタンメンを提供するお店でもあるのです。こういうお店がメニューに取り入れてくれれば、タンタンメンの全国進出につながるのではと思って私は好意的に受け止めています。

■豚骨タンタンメン(900円)
元祖ニュータンタンメン本舗スタイルの挽肉・玉子・ニンニク・唐辛子で、上にネギが載ります。
スープのベースが豚骨なので濁っているのが、こちらの最大の特徴です。豚骨鶏ガラの合わせなので、独特のにおいはしませんね。

ニュー・イロハ

京急鶴見駅前の中華料理店です。昭和のノスタルジーを感じるお店です。

■タンタンメン(670円)
「いろは」と屋号の入ったどんぶりにも歴史を感じます。
具は、キャベツ・ニラ・挽肉・玉子です。キャベツが入るのは珍しく、また、具の中での比率としてもキャベツの量が多いのが特徴ですね。
ゴマ油を使って作られた自家製ラー油による辛さがこのタンタンメンの特徴です。
古いお店のタンタンメンではラー油を使う傾向にあります。

末廣亭

川崎区内でも古参の中華料理店です。

■タンタンメン(750円)
醤油スープに麺は平麺、具は、炒めたひき肉・ザーサイ・ニラ・ネギです。
真っ赤なスープですが、ラー油から色が出ているようで、唐辛子自体は入っておらず、さほど辛くありません。マイルドな辛さです。
また、元祖ニュータンタンメン本舗のような玉子とじでもありません。
ザーサイ入りであることから、最も古いタイプのアレンジされたことがわかるタンタンメンです。

古典的な川崎タンタンメンの典型

タンタンメンをより詳しく知りたい方は、私の日記に記載した論文を読んでいただきたいと思います。

このまとめに掲載しきれないほど、タンタンメンを出すお店はあります。また、この不思議な麺料理の誕生から発展までの歴史や元祖ニュータンタンメン本舗の裏話など、タンタンメンに関する内容をまとめた論文を日記にて執筆しました。
興味を持った方には読んでいただきたいと思います。

※本記事は、2015/06/10に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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