アディオス・2025年・仙台編

出典:Avignon_mats1984さん

アディオス・2025年・仙台編

2025年のいわゆるベスト編。 例によって仙台(というか、宮城県内)限定で、今年初めて行った店、昨年から引き続きお世話になってお店、印象深いお店をまとめました。

記事作成日:2025/12/30

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる1607の口コミを参考にまとめました。

仙台暮らし2年目。
±2℃を行き来する日がずっと続く冬、なんていう未体験にバキバキに心を折られつつ、仕事も地獄のような状況からスタートした今年。
さすがに2年目にもなると、マニアックなお店にも目が向くようになり、あれやこれやとトライしてみるもの。情報の取り方も工夫できるようになるしね。
ということで、通り一遍のお店を舐めることに終始した1年目(昨年)よりも大分ディープなところにタッチすることができるようになったという自負もあり。「この店、いいな! また来たいな!」ってなお店をテーマごとにまとめておこう、というものです。
例によって牛たんは除く。牛たんは好きだけど、他に沢山、牛たんについて取り上げている人、いらっしゃるし。敢えてやんなくていいかな、と。

日常を支えてくれたお店たち

そばの神田東一屋 本店

仙台の厳しい冬の朝におけるルーティン。
もちろん、時間が限られている時の昼めし、予算を絞りたい晩めし、酒席明けの一杯、等々、用途は多岐に及ぶのだが、断然登板機会が多いのは「冬の朝」。
こちらの〈朝そば〉に何度救われたことか。
ちなみにイロイロ試してみたのだが、朝の混み具合がほどほどで、ふっくらしたおばちゃんの宮城弁まじりの雑談/そば出来上がりのコールの風情が味わい深い本店が、何だかんだ一番、朝に足が向く。

大衆中華 ちんまや

平日ランチでとりあえず真っ先に思い出すお店という立ち位置は変わらず。
新規開拓が落ち着いた今年は、ほぼ毎月のペースで使うことになった。
何を頼んでも「大体ウマイ」のと、基本、盛り方の気前が大変よろしい。お値段は相応かな。
今のままだとメニューを端から端まで行くような勢いだが、敢えて1品選ぶなら、鉄板でグツグツ煮立った状態で出て来る〈麻婆焼きそば〉。仙台名物の1つなれど当たり外れのあるメニューだが、ここのはちょっと個性的で旨い。
時々、不規則に休むことがあるのだけがネック。

小さな街の食堂 cafe MISTY

焦点が定まらない時にとっても重宝しているお店。
スパゲッティあり、洋風オカズの定食あり、チャーハンも麻婆豆腐もあるわけのわからなさ。基本、盛りがすばらしいうえにお値段が懐にとってもやさしい。(最近、値上げしたけど)
何食べても大体ウマイって言えるお店って、ほんとに貴重なんですよ。

中華料理北京餃子

安くてボリュームがあって、そこそこウマイ。独創的で迷物メニューのオンパレード。そんな気さくな町の名店(迷店)。
聞くところによればサンドウィッチマンのお二人にとっても思い出のお店らしく、確かに基本、ドカ盛りだもんなぁ…と目を細めてしまう。
とりあえず目に付いた迷物料理はほとんど制覇したから、普通の料理風を装って実は独創的、みたいなものを来年は探したいところ。
どれをいただいてもそれなりにおいしいのだが、敢えて1つを選ぶなら、〈黒チャーハン〉、かなぁ。

kitchen酒場 オーシャン

ふだん、肉を好んで食べているけれど、時に身体が「今日はサカナメシだ!」と魚を求めている時もあるわけで、カジュアルに使えるお店でようやく見つけたランチに魚をいただけるお店。
といっても、ちょっといいお値段なんだけどね。昼時は並び待ちが出るくらい大人気のお店でもあるが……。
なお、とにかくマグロが秀逸。初めてならマグロ行っとけ、と言いたくなるくらい秀逸。

自分に「刺さった」お店

二代目たまき庵

秋保に構えていたお店を引き払い、エスパル仙台地下へ引っ越してきた蕎麦屋さん。
仙台の蕎麦屋にしては珍しくつゆが辛い(しょっからい)仕立てで、個人的嗜好もあいまってひいきにしている。
とにかく生活圏に好みの蕎麦屋ができたことで精神的安定を得たのが今年、大きかった。(もちろん、そばの神田 東一屋もいいんだけどさ、腰を落ち着けてそばを手繰りたい時があるのですよ)

自家製麵 風夏

東北で今のところNo.1のラーメン屋は、福島に店を構えている〈うろた〉。
そこで修行したご主人が、仙台市は岩切という、中心地から少し離れたところに構えたお店。
ここの油そばが、今のところ東北の地で出逢ったNo.1油そば。
エッジの立ったカエシがガツンと来るし、背脂も混ざってジャンキーな味わいが何ともたまらん。
今一度行きたいのだが、何しろ立地がなぁ…。バスで行き帰りをする感じで、ちょっと億劫。

ヒヒヒ

今年、一番の掘り出し物(?)。
こんなにしっかりビストロしているお店があるんだ、、、と。ワインはナチュール中心だが、料理を選べば適当に合わせてくれる。(マリアージュっていうより、ほんとに「適当に」合わせてくれる。このゆるさがビストロライクでまたいい)
ここはリピートしたいと思っているのだが、機会に恵まれていない。一度行った時は〈カスレ〉がボリューミーで濃厚で優秀だった。

カシュ カシュ

宮城県のフレンチでNo.1はどこですか、と言われると、料理だけを切り取れば、ここ〈カシュカシュ〉が今のところ最右翼。塩竈の〈シェヌー〉、仙台の〈ナクレ〉もよかったのだが、こちらの料理の完成度は頭一つ抜けている。
その日の仕入れに合わせ即興性のある仕立て。宮城・山形の優れた素材を組み上げている。
よく言えば天才肌なところがあるのだが、それゆえに、ペアリングを頼むと「…なぜこれを合わせた?」となることが多かったので、試しにワインを持ち込んでみたところ、こうして楽しむのが正解だな、と感得した。
肉料理はその日の仕入れによって変わるけれど、魚料理は安定して何かしらの白身魚を入れていることが多く、数も多いので、お高めの白ワインか、シャンパーニュを持ち込むが吉。(最も、そこまでする人は私のようなワインフリークくらいだろうけど…)

restaurant varm

県外の人が旅のデスティネーションにするお店になるにはもう少しブレイクスルーが要るような気がするが、それはさておいて十分に魅力的なお店だ。
バスク料理の手法と、東北の食材、山形・宮城の郷土料理の装いがクロスした、バスク風東北料理店、そんな感じ。
芋煮やはらこめしなどを再構築しつつ、味わってみれば「これは芋煮だ/はらこめしだ」と感じる、しかもそれでいてスペイン料理だとも感じる絶妙なバランス感。
こちら、青森県の養殖猪を卸している珍しいお店でもあり、実はそれを目当てに次、改めて訪れようと思っている。

REnatre

仙台市内のフレンチは選択肢があまりなく、ソースがしっかりしたクラシカルなお店がそもそもあまりない。洗練された料理とワインのバランスという意味では、〈ナクレ〉が秀逸だったのだが、名古屋の星付きで修行し、全く異なる源流を持つこちらのお店は、今後という意味でとても期待を抱くお店だった。
洗練もされつつクラシカルな仕立ての料理が並ぶだけでもうれしいのに、ペアリングにおいてはフランスのグランヴァンを惜しげも無く使ってくれる。ようやく自分の好みの店が見つかった、って感じ。

日本料理うすだ

街中にひっそりと佇む〈うすだ〉さん。
ご主人のワンオペで静かに商いをなさっていて、接待とかよりも、気の知れた仲間、あるいは、ひとりとか少人数で向かうのにイイお店。
料理は繊細で、味もそこまでガツンと来ないけれど、わかりやすくて優しい。万人向けを意識したものではないけれど、食べる人の経験値を問うようなものもなく、素直にいただける感じ。
個人的な好みとしては、今年行った〈e.〉や〈おかざき〉よりもこっちに軍配(あの2つも、もちろんよかったんだけどね)。

県外からの客人をお迎えできる傑出したお店

阿古

私が訪れたことのある範囲で、宮城県、あるいは東北の食の豊かさを最も端的に味わえる/体感できるお店はどこか、という問いに答えるなら、今のところ、ここ〈阿古〉が最有力候補だ。
東北の赤提灯の暖かさ、日本酒の種類、三陸の旬の海産物を炭火で焼いて出してくれたり、煮付けや刺し身も当然に供される。
料理/酒の美味さという以上に、仙台という地の豊かさを象徴するような居酒屋だと思う。

鮨 いわ貴

〈三谷〉で修行したというだけでスゴイわけだけど、こちらのお店、〈三谷〉の赤シャリを棄てて白シャリで勝負。それも、近時ハヤリの濃厚な味のシャリではなく、ネタを活かし前面に押し出すニュートラルなシャリを志向。
通うほどによさがわかるという意味では、今の段階では他県からのお客さんを迎えるにはやや弱いのか、という気もしなくはないが、それでも今後という意味では大いに期待してしまうし、今でも十分、ハイレベルなんだよね。

鮨德

今年は都合3回、お世話になった。
10月に訪れた時には何だか壁を一つ越えたような感じがした。
〈いわ貴〉と優劣をつけるのは無粋。どちらも江戸前の流儀で地元の魚を使うバランスのよい鮨屋だけれど、向いている方向がだいぶ違う。こっちのほうがやや開放的な感じはあり、シャリの味は濃厚。
そしてこちらは、物静かで物腰の柔らかなご主人のキャラがいい。愛されキャラだと思う。

宮城県内のピッツァ

PIZZERIA DB

2025年のテーマ・宮城県内のピッツァ漁りの釣果その1。
北仙台の名店・Il Pizzaioroの姉妹店。
というだけで間違いないお店、なのだが、全国レベルの有名店と化したあちらに対して、大分、地味な扱いをされている。
ただ、流石に全国屈指の店の姉妹店だけあって、クオリティは折り紙付き。あちらと較べて敢えてこっちを使う意義性には乏しいのかもだが、こちらはこちらでおいしいから、相応に評価されてほしいな……。

ピッツァリア ブエノス

2025年のテーマ、宮城県内のピッツァ漁り釣果その2。
近所の人が結構テイクアウトで使っている感はあるのだが、ここ、場所がちょっと不便なのよな。
でも、ピッツァをウリにするお店としては珍しいスモールサイズのピッツァがオーダーできるので、私のような一人客でも複数枚のオーダーができるのがいい。
バジルの香りもフレッシュに立てていて、濃厚なものは濃厚に作る。職人の腕は確かだな、と思う。

ピッツェリア エ オステリア パドリーノ

こちらは2025年のピッツァ漁りの釣果というよりもむしろ、ピッツェリアを巡ろうと思うきっかけのお店の1つなわけだが、今年も何かにつけてお世話になったので、改めて。
ピッツァが抜群においしいけど、それだけでなくパスタやなんかもおいしい。何より気楽で使いやすい雰囲気なのが重宝。
普段使いでルーティンを務めているお店以外では仙台で最も頻度高く使っているお店であり、東京からお越しの客人を迎え撃つ際にも無双してくれた。連れて来た人たちが口を揃えて、「なぜ仙台で真に食べるべきはピッツァだ、と言っていたかわかった」と言われました。

※本記事は、2025/12/30に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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