【巣鴨・駒込・白山】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

出典:ランチ向上委員会さん

【巣鴨・駒込・白山】江戸の洒落の集大成『おかめそば』

みなさんは、おかめそばをご存知でしょうか?首都圏にある老舗の蕎麦店なら多くのお店のメニューに載っているので見かけたことはあるかと思いますが、食べたことがある人は少ないかと思います。「いったいどんな蕎麦が出てくるんだろう」といった、みなさんの好奇心に応えるまとめです。

記事作成日:2017/05/09

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる773の口コミを参考にまとめました。

そもそも、『おかめそば』とは??

おかめそばの発祥は、幕末までさかのぽります。
下谷七軒町(上野の不忍池に面する、現在の台東区池之端付近)にあった『太田庵』の発案とのこと。
蝶型に結んだ湯葉、マツタケ、三ツ葉、かまぼこなどを使い、おかめの顔に見立てて盛り付けるという、種もの(具の入るかけスタイルの汁そば)です。
また、「岡目(傍目)八目(当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるという意味の四字熟語)」からの酒落で、「五目より、三目多い、岡目八目」ということで、「岡目=おかめ」としたという説もあります。
福を呼び込む『おかめ』にちなんだ、何とも縁起のいいメニューですね。
現代においては、「具のバラエティが豊富で自由度の高い種もの」というぐらいのメニューですが、その分、お店の個性が出ますね。
江戸の酒落が効いたメニューは、お店の個性があふれる楽しい蕎麦です。巣鴨・駒込・白山エリアは、住宅街ですが歴史ある街です。歴史ある街の個性あるおかめそばをご覧ください。

総本家 小松庵 駒込本店

大正11年に駒込で創業、丸の内オアゾ・新宿高島屋・渋谷東急東横店・二子玉川ライズ・東京スカイツリーのソラマチと都内の一等地にしか支店がないという高級蕎麦店、その本店が、こちらです。

外観は石造りで高級フレンチのよう、店内はすっきりとした印象で木目が目立ちます。また、ガラスの向こうに坪庭が見える素敵な空間です。

完成度ピカイチのおかめそば

具は、かまぼこ2枚・玉子焼き・海苔・小松菜・しいたけ・鶏肉・海老です。かまぼこの上には、柚子の皮があります。
まったくもって、顔の形は意識しない盛り付けです。
鶏肉と海老が入る点が特徴で、選ぶ素材もさすが高級店という感じです。
麺の質も汁の質もよく、美味しさだけなら最上級ですね。


価格:1,450円+税(2017年2月 )

種ものには欠かせない薬味の七味唐辛子ですが、こちらのお店は唐辛子に特徴があります。
江戸野菜のひとつ『内藤唐辛子』を使用しています。香り高く、強すぎない辛さが特徴です。
おかめそばには必須の薬味です。

駕籠町 藪そば

蕎麦の名店『藪』の系譜を受け継ぐお店です。

『駕籠町』とは、この地の旧町名で、その昔、将軍の駕籠担ぎ達がこの土地を与えられたことに由来します。

大正時代の創業という歴史あるお店で、外観もその風格がありますね。

名店のおかめそばは、雰囲気も味のうち

具は、かまぼこ・なると・たけのこ・しいたけ・麩・ほうれん草・海苔です。

名店ですが、まったくもって顔に見えない盛り付けですね。

麺の実力は随一です。繊細ですが蕎麦の風味を感じる立派なものです。


価格:1,000円(2017年3月 )

店内には、藪睦会のお店の一覧を掲げた額があります。
こういう小さなものにお店の歴史を感じますね。

戸隠そば満寿美屋

本駒込駅と白山駅の間、屋号の前に『信州 戸隠そば』と冠する実力派の風格のあるお店です。

ビルの1階にあり、座席数は少ない小さなお店ですが、落ち着いた雰囲気で利用しやすいお店でしょう。

完全なる顔のおかめそば

このエリアではナンバーワンのおかめ顔のおかめそばです。都内でも屈指の顔っぽいおかめそばかと思います。
海苔の三角がほうれい線に見えなくもないですが、そういうあたりも魅力なおかめそばです。

味もなかなかで、非常にバランスのいいおかめそばかと思います。


価格:850円(2017年1月 )

瀧乃家

駒込駅近くのお店です。
JR東日本が発行する無料のパンフレットでもJR駒込駅長のおすすめのお店として取り上げられたことがあるとのこと。ちなみに駅長のおすすめはカレー南蛮だそうです。

JR駒込駅長が推すリーズナブルなお店

具は、かまぼこ2枚・なると・玉子焼き・しいたけ・たけのこ・麩・わかめです。
まったく顔には見えませんが、こちらの最大の魅力は、その安さにあります。これだけたくさんの種類の具が入り、530円というのは、都内でもなかなかないでしょう。


価格:530円(2017年1月)

松月庵

駒込駅から六義園を通り越し、更に不忍通りを渡ったところにある街のお蕎麦屋さんです。

立派な看板は風格があり、店内もテーブル席だけでなく、小上がりもあって、雰囲気があるお店ですね。

飾り切りに蕎麦屋の粋を感じる

具は、かまぼこ2枚分・なると・麩・たけのこ・しいたけと種類は少ないものの、飾り切りで仕上げてあるかまぼこから蕎麦屋の遊び心を感じられますね。これぞ、「粋」ってもんです。

かけ汁が美味しいお店なので、味わいはなかなかです。

価格:700円(2016年4月 )

長寿庵

都内でよく見かける屋号のうちのひとつ『長寿庵』です。長寿庵は、リーズナブルな価格で多くの人に支持される庶民派蕎麦店であることが多いですね。
ここもその典型で、1品1品のボリュームがあるのが魅力です。

ボリューム満点・コストパフォーマンス最高のおかめそば

具は、かまぼこ2切れ・なると・しいたけ・えのき・麩・青菜・ゆで玉子です。
えのきが入るのが特徴で、かつ、量も多いので存在感がありますね。
頑張れば顔にも見えなくもないでしょうか?


価格:600円(2015年4月)

おそば和泉屋

お店の前には南天や千両、それにもみじなどの植栽が見事な、ちょっと上品で風格のあるお店です。

外観は敷居が高そうですが、価格的にはこの界隈の標準ぐらいで、実は、客層は大衆的です。

お店もおかめも、ちょっと上品で洗練された仕上がり

具は、かまぼこ2切れ、なると、麩、しいたけ、ほうれん草ですね。ほうれん草の上にはゆずの皮が盛られ、風味を添えています。

顔にはなっていませんし、具もスタンダードなものばかりですが、お店の風格どおりの外さない仕上がりです。

価格:680円(2016年2月 )

徳乃家

動坂下交差点近くの人気蕎麦店で、いつも年配のお客さんで賑わっています。

高級店ではありませんが、ちょっと上品な印象を受けるあたりがいかにも文京区のお蕎麦屋さんといった感じがします。

海苔の下はいかに??かいわれ大根が入るおかめそば

具は、かまぼこ・なると・麩・しいたけ・かいわれ大根・刻み海苔です。

海苔の下に隠れているかいわれ大根が特徴的ですね。他のお店では見たことがありません。
また、こちらのお店もかまぼこを飾り切りで仕上げているのですが、それも残念ながら海苔で隠れて写真では伝えられませんね。
海苔の下の真の魅力は、皆さんにも食べていただき感じていただきたいですね。

価格:750円(2016年1月)

大むら そば店

『大むら』の屋号も首都圏の蕎麦店には多い屋号です。そのため、「白山下 大むら」と名乗っています。
地名を接頭語としてつけることがありますが、「白山下」の響きがいいですね。白山は、あじさい祭りで有名な白山神社がある場所です。坂道なので、坂の上は「白山上」、こちらのお店は「白山下」です。
屋号からも江戸の情緒を感じますね。

立派な器も鑑賞に値するおかめそば

足が高く立派な丼を使っていて、歴史と趣きを感じます。

具は、かまぼこ2枚・麩2個・なると・しいたけ・ほうれん草・ゆで卵です。その上に刻み海苔が散らしてあります。

2個並んだ麩を目とすると、ちょうど鼻のあたりに刻み海苔があります。おかめにまさかの髭ですね。
自由な発想で、盛り付けから想像を膨らませるのもおかめそばの魅力です。

価格:700円(2017年3月 )

浅野屋 ソバ店

田端駅近くにある街の蕎麦店ですが、実は大正2年創業、芥川龍之介も通ったという歴史あるお店です。

店内には、蒸気機関車のD51のナンバープレートや前照灯があり、『鉄』な方にも魅力のあるお店です。

おかめに鉄道グッズにジオラマと見どころたっぷりのお店

具は、かまぼこ2枚、なると2枚、麩、伊達巻、しいたけ、たけのこ、ほうれん草です。

左右に配されたなるととかまぼこが顔を意識しているのかもしれません。

価格:750円(2017年3月)

写真に撮れば実物と見間違えそうなリアルな鉄道模型が店頭に飾られています。
しかも、この鉄道模型のジオラマは、季節ごとに変えられるというこだわりです。

蕎麦処 小松庵

田端銀座商店街の入り口にある蕎麦店です。

現代的な建物ですが、立派な看板とその前に植えられた南天が雰囲気を出しています。

蕎麦・うどんだけでなく、きしめんもあり、定食類も充実。また、一品料理も豊富で飲めるという万能蕎麦店です。

左右に並んだなるとは頬とするなら、その上の眼は麩です。鼻筋にはたけのこと鶏肉、その下にはかまぼこがあります。かまぼこの下には海苔がありますね。ほうれん草が口ですね。

ちょっと扁平な顔ですが、なかなかの盛り付けでしょう。


価格:730円(2016年9月 )

お店が提供する薬味の『ひっつぶ』は、へれつぶ、へっつぶ、ひっつぶ、へれっつぶと呼ばれ、新潟あたりで蕎麦を食べる際の薬味で夏の風物詩とのこと。

ひと粒いただくと、「刺激を凝縮したネギの弾丸」といった感じのクセになる強い刺激がありますね。

大和屋

駒込の商店街『アザレア通り』の先、不忍通りの手前の住宅街にひっそりとあるお蕎麦屋さんです。

大きな信楽焼のたぬきが迎えてくれる、風情あるお店です。

裏通りの昭和な雰囲気の蕎麦店

具は、かまぼこ2枚・なると・小松菜・たけのこ・しいたけ・麩です。

定番の具が並びますが、かまぼこ2枚を目と見立てれば、顔に見えなくもない。盛り付けはなかなかのレベルですね。

価格:700円(2016年2月 )

※本記事は、2017/05/09に作成されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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