ワイン好きのための赤坂フレンチ　6選

この店にはフランスのあちこちのエッセンスが溢れ出している。グラスワインはシャンパーニュが1種類、白、赤がそれぞれ2種類づつ開いている。ボルドーから南仏、ニューワールドまで、コストパフォーマンス重視のセレクト。料理以上にビストロらしい構成。

シャンパーニュはペリエジュエのグランブリュットを始め数種類。白、赤のワインはメニューとは別に、ブルゴーニュがグラスでも用意されている。用意してなくても開けてくれたのかもしれない。広々としたダイニングとオープンキッチン、素晴らしい皇居を一望する景観、クラシックを極め、モダンを取り入れたある意味日本的フレンチ。使い勝手の良いワインのセレクトと、プロらしい接客のサービス。

ワインはワイン会を定期的に開くシェフの好みが現れている。シャンパーニュはドラピエ。初夏の暑さに濃い目の酸味が合っている。ホロホロ鶏のガランティーヌとも相性が良い。シャルドネはシャブリの老舗とルイラトゥールが用意されていた。赤はボルドー、ブルゴーニュと料理に合わせるというよりは、ワインを多少かじった客の目線に合わせたセレクトと思われる。料理同様にオーソドックス。開けたての若いブルゴーニュを、自らデキャンタに替わってワイングラスを使ったデキャンタージュで注ぐシェフ。渋い見た目とは異なる、なかなかの役者振りが楽しい。

グラスの泡はオレゴンのブランドノワール。あたかもロゼのようなブランドノワール。グラスワインは月ごとに見直しているとのこと。フォアグラハンバーグに合わせるピノノワールはカリフォルニアの2011年。料理同様、ワインのセレクションも究極の洋食店。ワインは白赤とも4千円から1万円くらいのボトルが充実している。コストパフォーマンスのかなり良いものが並んでいて嬉しい。

グラスワインもコストパフォーマンスの良いところを押さえている。昼からクレマンドブルゴーニュがグラスで飲めるのがありがたい。しかもクレマンはドメーヌパンショ。シャンパーニュに全く引けを取らないセレクション。白、赤も昼のグラスから、ブルゴーニュが用意されている。こんな素敵なビストロ風フレンチは早々ない。

料理のコストパフォーマンスも驚異的なら、ワインの価格も良心的。乾杯のグラスシャンパーニュはパニエ。白、赤ともグラスワインはブルゴーニュでも600円から。ボトルがルイジャドが1本4900円。こんなに気軽にシャンパーニュからブルゴーニュまで堪能できるレストランは早々見当たらない。赤坂で人気を誇る理由が分かる。