【兵庫・尼崎】庶民の街のお宝!古いけど味わいのあるお店10選

出典:ama-Gさん

【兵庫・尼崎】庶民の街のお宝!古いけど味わいのあるお店10選

なんでも新しけりゃええゆうもんではありません。古いものにも良さがあります。熟練の技を持つ店主やお店そのものが醸し出す歴史と風情など、文化財に指定したいようなお店を集めました。行くなら今のうちですよ! ※閉店する店が増えてますが、思い出のためにそのまま掲載します。

更新日:2019/06/30 (2018/03/12作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる309の口コミを参考にまとめました。

2019.6.30
「竹生」に閉店についての記述を加筆。

2019.6.25
「こだま」に閉店についての記述を加筆。

2019.3.29
「小椋商店」に閉店についての記述を加筆。

2018.4.1
「一福」に映画『ニワトリスター』についての記述を加筆。

おお矢(阪急塚口)… 旬の魚と熟練の技にこだわる

おお矢 - 河豚、鱧、おこぜの芸術的薄造り

冬は河豚、春はおこぜ、夏は鱧!!天然物とプロの技にこだわる名店です。

冬のてっちりコースは、八寸から始まり、てっさ、てっちり、雑炊、フルーツと続くてっちりコースは、13800円(別)と尼崎にしては、お高いです。でも、質、量ともに大満足できる内容です。安いふぐ料理を何回か食べるよりは、こちらのふぐコースを1回食べた方が絶対満足度は高いと思います。

春~初夏は、おこぜコースで、おこぜの薄造りやおこぜの唐揚げがのったおこぜ素麺が美味でした。

夏の鱧づくしコースも、八寸、はもの子の玉子とじ、ボタンはも(お吸い物)、鱧の薄造り、肝、タタキ、南蛮漬け、はもしゃぶと続き、白子を投入した雑炊、デザートの果物まで全ての品が手抜きなしの素晴らしいものが出てきて、8800円ですから内容を考えると抜群のCPです。

ふぐ、おこぜ、鱧、それぞれの薄造りはヴィジュアル的にも味的にも感動もんですわ。

おお矢

夏は「鱧」、春は「活魚」、冬は「ふぐ」と暖簾が変わります。1年中食べられるというより、旬の季節だけというのも、待つ楽しみが加わってますます美味しく食べられそうです。暖簾の字や、焼き物の器は、大将の作と聞いたことがあります。そんな熟練の技を持ちながらも、大将はとてもフレンドリーな方です。奥さんもフレンドリーすぎて尼のおかんみたいですから、高級な雰囲気を求める方には、不向きなお店ですね(笑)。後、お酒にこだわる方にも向いてないと思います。

かどや食堂(武庫之荘)…薪の釜でうどん茹でて50年!

かどや食堂 - 鍋焼きうどん410円

尼崎の北のはずれで50年続く、近所では有名な関西風手打ちうどんが売りの老舗食堂です。

定番の鍋焼きうどん(410円込)とおでん(70円込)をいただきました。うどんも出汁もお肉も玉子もみんな美味しいです。おでんも出汁がよく染みて絶品です。鍋もお皿もアルミってのが懐かしくていいですね。お値段は長年にわたり据え置きで、うどんと丼とおでんを食べても1000円でお釣りがきます。かけうどんなんて220円です。

かどや食堂 - 薪の竈が現役です。

お店は外観も店内も50年前で時間が止まっているかのようです。

中に入ると、うどんも、お出汁も、店の雰囲気も、お店の人も、みんなやさしくほっこりしていて癒されます。

うどんを茹でる釜は今も薪の竈の上だし、おでんのでっかいアルミ鍋を温める四角い七輪も現役です。もちろん、おばあちゃんも。奥から薪の束を持って登場されましたが、お元気です。

もうお店ごと尼崎の文化財に指定&保存してほしいぐらいですわ。

大手橋食堂(出屋敷)…何もかも懐かしい昭和の大衆食堂

大手橋食堂 - 定番中の定番ランチ\800

三和本通り商店街の国道2号線入り口寄りにある昔ながらの大衆食堂です。メニューは和・洋・中幅広く対応していますが、特に洋食メニューが充実しているのが特長だと思います。

ランチ800円を注文すると、おばちゃんの張りのある美声がキッチンに届きます。そして、お冷やとアジシオ、ソース、紙ナプキンにしっかりとくるまれたナイフとフォークがセッティングされます。

ランチの内容は、ハンバーグに海老フライ2尾、ケチャップスパ、ゆで玉子とハムがのったサラダという定番です。ハンバーグも海老フライも懐かしいアノ味です。ライスには福神漬けが添えられています。懐かしいお約束通りの品揃えに嬉しくなってしまいます。

大手橋食堂 - 外観

ここに入ると昭和3~40年代にタイムスリップしたかの気分になります。テーブルやイスは吉本新喜劇に登場する食堂のイメージそのままですが、古ぼけているわけではなく、清潔感が保たれていて、ゆったりとした配置になっているのも、この店の良いところです。

味もお店の雰囲気も若い人には古いだけでしょうが、私ら年配の者にとっては、懐かしくてなぜか心を落ち着かせてくれる魔法の空間です。できることなら、このまま永久保存してほしいとまで思ってしまいますね~。

小門(阪神尼崎)…尼の老舗割烹の実力を見よ!

割烹 小門 - 鳥の甲州煮

中央商店街の1本北側の通りにある小さな老舗割烹です。外観も店内も、ぱっと見はしょぼいのですが、それに反して出てくる料理の凄さに驚かされます。大将はかなりご高齢ですが凄腕は健在です。
ある日のランチは、まずぐつぐつ煮えたデミグラスソースに薄切りバケットが載せられて出てきます。和食の店なのにソースが美味しくて、バケットに染み込ませて食べると最高です。メインは鳥の甲州煮。時間をかけてワインで煮込まれた鶏肉はほろほろで、ソースごとご飯にかけて食べると何杯でもいけそうです。生湯葉と生わかめの味噌汁まで手抜きなしの味でした。

割烹 小門 - 人には教えたくない店のひとつ。以前はランチが800円でした

夜は一品もあるし、おまかせコースは予約なしでもいけます。2階には座敷もあり、貸し切りで小宴会もできます。

ただ、このお店、カウンター内から店内に行くのにはいっぺん外に出ないといけないぐらい狭く、お世辞にも綺麗とは言えません。カウンター席からは舞台裏も丸見えです。割烹に高級感や非日常感をお求めの方や、こだわりのお酒を置いてない店はダメだという方には全く向いてないのでオススメはしません。

こんな場所でこんな素敵な料理が食べられるという驚きと、お店の庶民的な雰囲気とのギャップもまた楽しめる、尼崎らしいお店ではないかと思います。

中田屋(立花)…手焼きにこだわり60余年!尼崎が誇る瓦煎餅と匠の技がここに。

中田屋 - カステラ焼き1袋330円、紙袋には国鉄立花駅の表記が。

立花駅から北に延びる立花商店街の中でも老舗中の老舗の手焼き煎餅屋さんです。

煎餅というと、普通は草加煎餅のように米を原料とするものとお思いでしょうが、神戸発祥の瓦煎餅は、小麦粉、卵、砂糖を原料とする甘いお菓子です。大将が丁寧に手焼きで瓦状に焼き、表面にいろいろなデザインの焼き印を押します。

もうひとつの名物がカステラ焼きです。原料は小麦粉、砂糖、卵、蜂蜜などで変な混ぜ物は入ってないので、子どものおやつに最適です。
一度、店の奥の作業場で焼いているところを見せてもらったことがありますが、そのときはびっくりしました。縁日の屋台でやっているような鉄板でひっくり返して一度にたくさん焼くのではなく、手持ちの器具を使って本当に手焼きで焼いているのです。これでは、午前中に売り切れるぐらいの量しか作れなくても仕方ないなあと納得しました。

中田屋 - 1袋300円~400円がほとんど

カステラ焼きと瓦煎餅が2枚看板ですが、おかき類もとてもたくさんの種類があり、どれも1袋300円~400円のリーズナブルなお値段です。
作業場で手焼きをしているところを見てしまうと、こんな手がかかる焼き方で作っているものをこんなお値段で買えるのが申し訳ないぐらいです。

ホントに町の人間国宝といえるぐらい貴重な存在です。無理をしない範囲でずっと続けてほしいなと思います。

中華・洋食 マルヤ 尼崎西難波店…CP抜群!昭和情緒あふれる食堂

中華・洋食 マルヤ 尼崎西難波店 - 最高価格チキンランチ950円

洋食・中華両方行けますという昔の食堂によくあったパターンを今も続けている店です。でも、洋食の方が得意だと思います。
なかでも人気メニューはとんかつ入りランチ¥700でしょう。同じランチでも海老入り、チキン入りは¥900です。違いはとんかつランチが目玉焼き付なのに対し、他はオムレツ付というぐらいかな?雰囲気だけでなく、お値段も昭和レベルでCP抜群なのでテイクアウトが多いのもわかります。

中華・洋食 マルヤ 尼崎西難波店 - 外観

営業しているかどうかは赤い暖簾だけが頼りです。それ以外に営業中を示すサインはありません。

相当高齢のご夫婦でされてますから、お店に入ると自分で水を取りにいって厨房に向かって大きな声で注文 → 食べ終わったら自分でお皿をカウンターまで下げる → 台布巾でテーブルを拭いてお支払い という一連の流れが、お客さんにはすっかり定着しています。
少しでも長くお店を続けてほしいという思いからの自発的な行動なので、「客が店に気を遣うのはおかしいやろ」と思う人は間違っても訪れないようお願いします。もう開けてくれてるだけで有難いんです。

竹生 そば処(大物)…地元民に大人気の下町食堂が閉店…長年お疲れさまでした。

竹生 そば処 - 焼き豚定食850円

残念ながら2019年6月に閉店です。
地元民に愛され続けた下町情緒と昭和の雰囲気いっぱいの食堂でした。
この店の売り物は焼き豚定食で、分厚い焼き豚が8枚で850円。味噌汁は、追加料金なしで、ミニのうどん、そば、中華そばに変更可能だったんです。焼き豚も美味しいのですが、たれをご飯にかけてもご飯がすすみました。
この焼き豚とたれを使った焼き飯も絶品でした。

竹生 そば処 - 外観

阪神尼崎駅から空中回廊を東へ進み、階段を下りてそのまま東へ行くと、突然町並みが昭和の路地に変わります。その大物路地裏B級グルメを代表する存在でした。

カウンターの向こうの調理場には年季が入ったコンロが5~6個並び、全てに火がついています。それらをフルに使って、揚げたり、煮たり、茹でたりを一人で手早くこなす大将の仕事ぶりが凄いです。まさしく、プロの職人技でしたね~。

昔は二十人分のそばを肩に担いで自転車で出前をしていたとのことです。

こういった昔ながらのプロの技が見られなくなって、寂しいです。

こだま(立花)…絶品パフェと焼き飯の店が閉店…長年お疲れさまでした。

こだま - プリンパフェ別角度。底まで詰まってます。

残念ながら2019年6月に閉店です。
焼き飯とパフェが(地元民の間だけですけど)超有名なお店で、この店があることが立花(駅の南側ですけど)の誇りでもありました。

こちらのパフェ類の特長は、まず芸術的なほど美しい盛り付け、そしてフルーツが新鮮で美味しいことです。さらに、見栄えだけでなく容器の底までみっしりとアイスクリームやフルーツが詰まっているところも素晴らしいですね。

パフェ類以外でも、夏季限定のかき氷、焼き飯、オムライス、ナポリタン、サンドイッチ、そしてコーヒーと、どのメニューも美味しい上に盛り付けが美しく、まさに熟練の職人技が光る逸品ぞろいでありました。

こだま - 至高の焼き飯\680

住宅街の中にさりげなくある目立たないお店でした。
年配のご夫婦がお二人でやっておられ、調理はおっちゃん一人なので、満員になったり、注文がばらばらだとかなり時間がかかります。
でも、出てきたものを目の前にすると、時間がかかるのも納得です。さすが、長年培ったプロの熟練の技です。

知る人ぞ知る、立花が誇る名店だっただけに地元民としては閉店がほんまに残念です。

小椋商店(出屋敷)…一丁焼の天然もの鯛焼きが閉店です。長年お疲れさまでした。

小椋商店 - 天然物たい焼き1匹100円

残念ながら、閉店です。
三和本通商店街名物の一丁焼たい焼は、メイドインアマガサキでグランプリを獲得した尼崎の名物でもありました。
あんこはただ甘いだけでなく軽く塩味がきいており、量も控えめ、そして天然もの特有の焼きたての皮のパリッとした食感は、他のたい焼きにない特長です。
1尾100円、5尾買えば1尾おまけもずっと変わりません。

小椋商店 - おっちゃん、おばちゃんの二人三脚で頑張ってます。おばちゃんが持っているのがポスターに載ってる写真です。

ここの鯛焼きは、おっちゃんが一生懸命1本ずつ鋳型をひっくり返しながら焼く一丁焼き。誰が呼んだか天然もんの鯛焼きです。一丁焼きは高温で短時間に焼き上げるので薄くて皮がパリッとしています。このパリッと感は時間が経つと損なわれるので、焼きたてすぐを食べるに限ります。
おっちゃんもおばちゃんも相当お年を召しておられますが、夫婦の名コンビネーションはい健在です。いつまでも続けてほしいな~と願っております。

一福(立花)…焼きそばの名店が閉店!50年間お疲れ様でした

一福

焼きそばの名店「一福」が、昨年の暮れにとうとう閉店です。店に貼りだされた「寄る年波に勝てず・・・」という文言がなんともせつないです。本当に50年もの間、お疲れ様でした。それにしても、あの絶品の焼きそばが食べられなくなったのが悲しい・・・。

おばちゃんなんか、ついこの前まで、お店が映画「ニワトリ★スター」のロケに使われたことを嬉しそうに話してはったのにね。
井浦新の父親である奥田瑛二が営むお好み焼き屋という設定なんでしょう。映画の封切は3月24日だそうです。梅田のシネ・リーブルに是非見に行かなあきませんね。

一福 - 店の奥の鉄板で焼いてからテーブルへ

店構えはもうじゃりん子チエみたいな昔懐かしい木造です。入ると、それぞれのテーブルに鉄板がある昔ながらのお好み焼き屋さんスタイル。でも、焼くのは、奥の屋台みたいな鉄板でおっちゃんが焼いてくれます。
そして焼けたものを、テーブルの鉄板に持ってきてくれ、熱した鉄板から熱々を食べることになります。
何より美味しいのが焼きそばです。店の看板も暖簾も、焼きそばが大きく書かれていることからも焼きそば推しなんでしょう。お値段も400円、大盛り500円です。太目の麺にソースがからんでメチャクチャ美味しいです。そしてメチャクチャ安いです。

一福 - 見つけにくいところにあります

2018年3月、シネリーブル梅田に映画「ニワトリスター」を見に行ってきました。
この一福が舞台の場面、かなり長い時間を占めてましたよ。

井浦新の実家である大阪のお好み焼き屋という設定で、外観は自動販売機を撤去して、店名を書き換え、店内は、ほぼそのまんま使っていました。
奥田瑛二が父親、山田スミ子が母親で、東京から戻ってきた井浦新が後を継いでキャベツを切ったり、お好みを焼いたりしていました。

閉店して見られなくなった店内を映画館の中で久しぶりに見ることができて懐かしかったです。

※本記事は、2019/06/30に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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