【あべの・天王寺】関西人だけの秘密の丼「木の葉丼」「きつね丼」が美味いお店【風流】

【あべの・天王寺】関西人だけの秘密の丼「木の葉丼」「きつね丼」が美味いお店【風流】

その安さが魅力故、レビュアー・kurodaがいつも何気なく注文していた「木の葉丼」。この当たり前のような存在の「木の葉丼」が、関西圏以外の方に馴染みが無いことを知って衝撃を受けたのは最近のこと。あべの・天王寺界隈で、この「木の葉丼」や「きつね丼」を提供しているお店をここに紹介します。

更新日:2025/05/13 (2018/05/06作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる539の口コミを参考にまとめました。

「木の葉丼」と「きつね丼」

・大阪でポピュラーな「木の葉丼」
 木の葉丼は 薄く切った蒲鉾と青ネギを玉子で綴じた関西発祥の丼物。お店によっては、さらに椎茸や三つ葉、筍が入ってることもあります。
 安価な食材ながら腹持ちがいいので、庶民的な食堂の定番メニューです。名前の由来は、具材を舞い散る木の葉に見立てたとのこと…風流ですね。

・関西人に愛される「きつね丼」
 木の葉丼と同様、関西圏に特有の丼として「きつね丼」があります。こちらは蒲鉾ではなく油揚げを卵とじにしていて、見た目は木の葉丼とよく似ているが、こちらも関西人に好まれる丼です。
 お店によっては「信田丼(しのだどん・信太丼とも書くが…)」と称するところもあり、これは信太の狐が織り成す男女の情・親子の情の物語から引用してこう呼ばれるようになったんですね。
「恋しくば尋ね来て見よ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」
粋ななぁ…

信州庵

信州庵

 各線・天王寺駅および近鉄大阪阿部野橋駅のすぐ近く。この界隈では老舗の域に達している複合商業施設・あべのアポロの地下にあるおそば屋です。
 店内は真ん中に対面式のカウンター席とテーブル席から構成され、全部で40席ぐらいです。

風流なルックスの「木の葉丼」

信州庵

 木の葉丼は蒲鉾と筍、椎茸、三つ葉がしっかり火入れされた卵でとじられています。紅色の蒲鉾が紅葉の木の葉を思わせ、風流なルックスです。味付けは割と濃いめながら、ミツバの風味がそれに負けじと主張しています。

信州庵

 お蕎麦を啜ってみると、鰹の利いた実に味わい深いお出汁。ここに歯切れのいい蕎麦が沈み、蕎麦の風味が出汁に滲み出ていて上品な風合いに仕上がっています。浮かんだきざみ揚げがコクを深めています。

力餅 アベノ店

力餅 阿倍野区役所前店

 大阪メトロ谷町線・文の里駅の2号出入口からあびこ筋を北に少し進んだところ。阿倍野区役所の真向かいにあるうどん・丼物を主にした大衆食堂です。
 店内はテーブル席の並ぶ全30席ぐらいかな?力餅食堂でありがちな古びた感はなく、リニューアルされているものと思います。老齢のご夫妻で営業されている様子です。

力餅食堂の「木の葉丼」

力餅 阿倍野区役所前店

 ここの「木の葉丼」(590円)は、ご飯の上に玉子で綴じた蒲鉾とミツバが被せられ、天には海苔が散らされています。椎茸を使っていないのですね。

力餅 阿倍野区役所前店

 蒲鉾から出る塩気と合わさった出汁を吸ったご飯が優しい風合い。蒲鉾は数種類を合わしているようで、それぞれの味と食感も楽しめます。

力餅 阿倍野区役所前店

 「力餅食堂」は暖簾分けによって各地に広がった、関西の商店街でよく見かけるお馴染みの食堂ながら、商店街の衰退や店主の高齢化などにより、現在急速に姿を消しています。
 こういった昭和の香りを残すお店こそ、今後も残してほしいものです。

かどや

かどや

 近鉄・大阪阿部野橋駅の南側、庚申街道をまっすぐ南に進み、美章園街道に出る手前にある小さい食堂です。この近くには多くの料理人を輩出した辻調理師専門学校があります。
 かなり年期を経たような、昭和の趣が感じられる店内は、テーブル席と小さいお座敷からなる全25席。老齢のご夫妻で営業されています。

街に潜む食堂の「木の葉丼」

かどや

 ここの「木の葉丼」(600円)は、蓋のない浅い器に入った木の葉丼に、お香々が付いてきます。ご飯の上に玉子で綴じた蒲鉾とネギが被せられ、煮含められた椎茸と筍が散らされています。筍入りの木の葉丼は珍しいですね。

かどや

 玉子はちょうどいい半熟具合。やや濃いめの出汁を吸ったご飯が旨いな。椎茸と筍のそれぞれの味と食感の対比も楽しい。木の葉丼はやっぱり椎茸が味の決め手かと。

かどや

 場所柄、辻調の学生や職員たちにも利用されてるんでしょうね。大阪では街に潜む小さな食堂でも木の葉丼は人気メニュー。ほっこりいただけるお丼は関西の宝です。

今井 あべの近鉄店

今井 あべの近鉄店

 近鉄大阪あべの橋駅直結、各線天王寺駅直近。あべのハルカス近鉄本店のウイング館B2F、近鉄線からは東コンコースの改札からハルカスに入ってまっすぐ進んだ左側奥にある、いわゆるデパ地下のいわゆるデパ地下にあるうどん・惣菜のお店です。
 ここはその名の通り大阪の老舗うどん店「道頓堀今井」が運営するテイクアウト専門のショップです。

テイクアウトの「木の葉丼」

今井 あべの近鉄店

 木の葉丼(648円)をを購入して家に持ち帰っていただきます。
 紙製容器にご飯が詰められ、上部はプラスティック製で丼のアタマが納められています。蒸気抜きのシールをはがして電子レンジで1分半温め、アタマをご飯に乗っけて出来上がり。実に簡単です。

今井 あべの近鉄店

 食べてみると 、さすがに今井。お出汁の美味さが光ります。蒲鉾はぷりぷりしているし、甘い椎茸も美味しい。後掛けの海苔が香ばしいのもいいですね。
 アタマの玉子とじはふわふわに仕上がっていて、さすがにお店での半熟具合の再現は不可能ではあるが、それに迫る口当たりです。このあたり、商品開発の苦労がしのばれます。

すゑひろ

すゑひろ

 JR天王寺駅の北口出て右、玉造筋を1分ほど歩いたところの、吉野家の隣にある大衆食堂…っちゅうか、いわゆるめし屋です。
 店内はテーブル席が並ぶ30席足らず。昭和から時代が止まったままの佇まいで、今にも岡八郎や花紀京が扉をガラッと開けて入ってきそうな雰囲気です…

甘辛な味付けの「きつね丼」

すゑひろ

 きつね丼(410円)は、中盛りのご飯の上に甘辛の出汁で煮込まれた薄揚げの刻みと青葱、蒲鉾が乗せられています。味付けは濃いめでどこか懐かしい風合いです。

すゑひろ

 玉吸い(210円)を一緒にいただくのもいいですね。お汁はやや濃い味で、昔ながらの定食屋風。お店の雰囲気とともに、ノスタルジーに浸れます。

大阪釆なりうどん きらく 阿倍野店

大阪釆なりうどん きらく 阿倍野店

 あべのハルカス近鉄本店のデパ地下には、上層階のレストラン街とは別に「あべの市場食堂」と称する軽食堂街があり、気軽に食事することができます。
 このうどん店の店内は、中央に大テーブルと、その周りのテーブル席で40席余り。テーブル面はLEDのスポットライトで料理が映えるように設えられています。

上質・上品な「木の葉丼」

大阪釆なりうどん きらく 阿倍野店

 木の葉丼をセット(950円)でお願いすると、ミニうどんが付いてきます。
 木の葉丼は刻んだ蒲鉾と玉ねぎのシンプルなタイプで、てっぺんに三つ葉が乗せられています。たっぷりの玉子は半熟の具合が絶妙の状態で、プルプルとろとろ。

大阪釆なりうどん きらく 阿倍野店

 うどんのお出汁を啜ってみと、メジカかサバか… 最初に節系の風味が立ってきます。深みのあるまったりとした美味しいお出汁です。饂飩はやや細め。コシは弱いがツルツルしこしこした典型的な大阪饂飩です。
 木の葉丼との相性は抜群です。

萬盛庵

萬盛庵

 大阪メトロ谷町線・田辺駅から阪神高速の高架に沿って平野方向へ少し歩いたところにある食堂です。
 昭和な雰囲気を醸す店内はテーブル席の並ぶ20席足らず。メニューは洋食、中華、各種うどん・丼物、各種定食という何でもあり。まさしく昭和の食堂です。

癒し系の「木の葉丼」

萬盛庵

 「木の葉丼」(700円)はお味噌汁とお香香付き。ご飯の上に蒲鉾やネギ、椎茸の玉子とじが乗せられ、海苔が散らされています。

萬盛庵

 玉子はやや硬め。出汁を吸ったご飯に味が滲みています。椎茸は甘辛に煮含められてプルプルの食感、色鮮やかな蒲鉾との味と食感の対比も楽しい。
 木の葉丼はやっぱり椎茸が味の決め手かと。

更科

更科

 近鉄南大阪線・針中野駅からすぐ近く、地下鉄谷町線・駒川中野駅から徒歩5分ほど。駒川商店街から少し西に入ったところにある蕎麦店です。
 昭和の香りを残す店内は、テーブル席ばかりの20席程度です。

更科

 「木の葉丼」(680円)は、トレイの上に蓋のない丼に盛られた木の葉丼とお味噌汁、お漬物が並びます。

更科

 ご飯の上に玉子で綴じた蒲鉾や煮含められた椎茸、ミツバが被さり、刻み海苔が散らされています。玉子はちょうどいい半熟具合。やや濃いめの出汁を吸ったご飯が旨いな。
 椎茸と蒲鉾のそれぞれの味と食感の対比も楽しいですね。

庶民の味方の「木の葉丼」

今川屋

今川屋

 近鉄南大阪線・今川駅の出口から南東方向、東住吉区西今川3丁目の住宅街にポツンと潜んでいる食堂です。
 店内は4人掛けのテーブル5卓と2人掛け1卓の全22席。昭和30年頃にこの近くで先代が創業したというかなりの老舗で、およそ30年ほど前にこちらに移転されたとのことだが、その割には古びた感はありません。

木の葉丼は椎茸が味の決め手

今川屋

「木の葉丼」(600円)は、丼と小鉢、お漬物が並びます。小鉢はだし巻き玉子半切れとレタス、キュウリに和風ドレッシングをかけたもの。お漬物はこうこと刻んだ白菜です。

今川屋

丼はご飯の上に玉子で綴じた蒲鉾が被せられ、煮含められた椎茸と海苔が散らされています。玉子はしっかり火が入っていて、やや濃いめ味付け。玉子から染み出た出汁を吸ったご飯がじんわり旨い。

しっかり味の滲ゅんだ椎茸のぷりぷりした食感もこれまた良好。木の葉丼はやっぱり椎茸で味が決まりますね。

※本記事は、2025/05/13に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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