酔狂老人卍さんが投稿した小笹寿し(東京/下北沢)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

メッセージを送る

酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

この口コミは、酔狂老人卍さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

小笹寿し下北沢、池ノ上、世田谷代田/寿司

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 3.8
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク -
1回目

2015/11 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味3.8
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

ありがたや 噂(うはさ)の『小笹』を 薀(たづ)ぬれば なぜ先代親方(そのひと)を 忘(わす)れやはする

"お好(この)"耳(のみ)。
豫約(よやく)を受(う)けず、商賣(あきなひ)は夜(よる)のみ
店舖内(なか)に坊主天窗(ばうずあたま)一人(ひとり)見當(みあ)たらぬ、
今時(いまどき)稀有(まれ)なる鮓店(すしや)。

暖簾(のれん)がかゝると同時(ひとし)く、店内(なか)に、、。
節(ふし)のある櫃臺(かうんた)は僞漆塗(にすぬり)
玻璃(がらす)の鮨種容(すしだねい)れが設(しつら)へられ、
さながら、巷(ちまた)の街場鮨店(まちばすしや)の風情(おもむき)。

今宵(こよひ)は、恣(ほしいまゝ)に鮓(すし)を啖(くら)ふ。
鮃(ひらめ)、眞鯛(たひ)、縞鰺(しまあぢ)、墨烏賊(すみいか)、眞鰺(あぢ)、
眞鯖(さば)、赤貝(あかゞひ)、煮烏賊(にいか)、鰒(あはび)、穴子(あなご)、
鮪(しび)、小鰭(こはだ)、小柱(こばしら)、車蝦(くるまえび)、鶏卵(かひご)。

"握(にぎ)り"十五(とあまりいつゝ)に掃愁帚(さけ)一合(いちがふ)、
都合(あはせ)て、一萬一千五百圓也(いちまんいちせんごひやくゑんなり)。
一貫(ひとつ)大約(およそ)七百圓(なゝひやくゑん)。
寺島親方(てらしまおやかた)の『小笹壽し』より廉價(やすめ)。

陸(ろく)な技藝(わざ)もなく、稚拙(つたな)き技倆(うで)にもかゝはらず、
漫(みだり)に"お任(まか)"を強(し)ひ、
驚天動地(おどろくべ)き價格(ね)を請求(もと)むるは、
寔(まこと)、淺猿(あさま)しき限(かぎ)り。

己(おのれ)の舌(した)に頼(たよ)らで
他人(あだしひと)の戲言(たはごと)に誑(たぶら)かされ
根據(ねもはも)なき噂(うはさ)に踊(をど)らさて食(く)い散(ち)らかす
これを"耳餐(じさん)"と云ふ。

當家(こちら)、
かゝる愚者(しれもの)が"耳餐(じさん)"とは無縁(ゆかりなし)。
促(うなが)さるゝ儘(まゝ)、
次(つぎ)から次(つぎ)へと好(この)みの品(しな)を注文(たのむ)。

當家(こちら)で産地(さんち)を問(と)ふは野暮(やぼ)
仕入(しい)れ手當(てあて)熟成(うらしかた)、、、、
その悉(ことごと)くが、爰(こゝ)では些細(とるにたら)ぬこと
(あぢ)、只顧(ひたすら)に、(あぢ)。

己(おの)が味覺(した)に適合(あ)ふや適合(あ)はざるや
それを置(お)きて餘(ほか)になし。
全知全能(すべてのちからをあはせも)つ天主(でうす)曰(のたまは)く、
口味(あぢ)はα(あるぱ)なり、Ω(おめが)なり。」

倩(つらつら)、親方(おやかた)の所作(ふるまひ)を瞻(み)るに、
弓手(ゆんで)の拇(おやゆび)を利(き)かせ
少(すく)なき手數(てかず)にて鮓(すし)と成形(な)す
その姿(すがた)は、俗(よ)に云ふ"(あふぎ)の地紙形(ぢがみがた)"。

即坐(すぐさ)ま指(ゆび)に摘(つま)まみて口中(くち)へと運(はこ)ぶに、
忽地(たちまち)解(ほど)けて、口中(くちのなか)へと四散(ちらばる)。
臼齒(おくば)に殘存(のこ)るは米粒(こめつぶ)が二三(ふたつみつ)。
これを噛締(かみし)むるや、瞬時(またゝうち)に溶(と)けて胃袋(いぶくろ)に、、。

おほ、これ、これ! これぞ眞(まこと)の鮨店(すしや)
多(おほ)くの食通(たべて)手放(てばな)しに襃(ほ)むるも諾(うべ)なるかな。
冷笑(ちやんちやら)可笑(をか)しきは、
小賢(こざか)しき若手親方(わかて)に、似非食通(えせぐるめ)

眞正(まこと)の鮓(すし)を知(し)らずに鮓(すし)を語(かた)るは、
宛然(あたかも)、
海(うみ)を見(み)ずに波飛沫(なみしぶき)を描(ゑが)き、
山(やま)も見(み)ずに雲海(くものうみ)を冩(うつ)すがごとし。

押竝(おしな)めて美味(よきあぢ)
就中(わきても)、酢〆(すじめ)、煮物(にもの)は面目躍如(めんもくやくじよ)。
眞鯖(さば)、小鰭(こはだ)の優(やさ)しき締(し)め工合(ぐあひ)
烏賊(いか)、(はまぐり)の火入(ひい)れには魂(たましひ)を失(うしな)ふ。

一見(みため)、
ぶ厚(あつ)し!」と訝(いぶか)らるゝ"眞鯛(たひ)"、"縞鰺(しまあぢ)すら、
噛締(かみし)むるほどに溢(あふ)で出(いづ)る風味(あぢとかをり)に、
霎時(しばし)辭(ことば)を失(うしな)ふ

音(おと)に聞(き)く"潮汁(うしほじる)":
うを徳』には及(およ)ばされど、かの『喜久好』のそれに肉薄(せま)る。
鮓店(すしや)なるに『Q一門(いちもん)のごとく未醤汁(みそしる)供(いだ)すは、
恰(あたか)も、八百屋(あをものや)の鯖・鰯(さばいはし)を售(う)るがごとし。

惜(を)しむらくは、
温度(あたゝかさ)に配慮(きくばり)なきこと
大多數(おほ)くの鮨種(すしだね)は冷(つめ)たき儘(まゝ)
冷氣(れいき)に觸(ふ)れ易(やす)き"小柱(こばしら)"は勿論(いふもさらなり) 。

煮切(にき)りのごとく萬遍(むら)なく引(ひ)く煮詰(につ)め
老舖(しにせ)にありがちなる、
(あめ)の若(ごと)き煮詰(につ)めとは半點(いさゝか)異(こと)なるも、
煮切(にき)りよりは濃(こ)く甜(あま)く、舌上(した)に殘留(とゞま)る

とは云へ、
これは好(す)き好(ず)き
當家(こちら)で"穴子(あなご)の雉燒(きぢや)き"と喚做(よびな)すものも、
小人(それがし)、嗜(この)むところにあらず。

東道(あるじ)の仕事(しごと)ぶりは、
寺島親方(てらしまおやかた)『小笹壽し』に瓜兩個(うりふたつ)。
蓋(けだ)し、良(よ)くも惡(あ)しくも、
岡田周藏親方(おかだしゆうざうおやかた)が技藝(わざ)なるべし。

----------------------------------
【照相機】:旭光學賓得士K-三數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】 :蔡司(Carl Zeiss) 微距(Makro)Planar T* 2.0/50 ZK @F2.0

  • 鮃(ひらめ)

  • 眞鯛(たひ)

  • 潮汁(うしほじる)

  • 縞鰺(しまあぢ)

  • 墨烏賊(すみいか)

  • 眞鰺(あぢ)

  • 眞鯖(さば)

  • 赤貝(あかゞひ)

  • 煮烏賊(にいか)

  • 蒸鰒(むしあはび)

  • 蛤(はまぐり)

  • 穴子(あなご)

  • 穴子(あなご)雉焼(きじやき)

  • 鮪(しび)醤油漬(しやうゆづけ)

  • 小鰭(こはだ)

  • 小柱(こばしら)

  • 車蝦(くるまえび)

  • 鶏卵焼(かひごやき)

  • 車蝦兜(くるまえびかぶと)

  • 海苔巻(のりまき)

2015/11/26 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ