酔狂老人卍さんが投稿した天冨良 いわ井(東京/銀座)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

メッセージを送る

酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

この口コミは、酔狂老人卍さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

移転天冨良 いわ井銀座、日比谷、有楽町/天ぷら

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:-

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2014/05 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人
  • 昼の点数:-

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

背をば折(を)り 『いはゐ』揚げたる 鞘巻(さやまき)は われの口にも 合ふとぞ思ふ

【2014-05-24追記】:
久方(ひさかた)ぶりの『いは井』。
掃愁帚(さけ)を酌(く)み交(か)はし、友們(ともら)と談話(かたら)ひあふ宴(うたげ)。
この宵(よゐ)の内容(うちわけ)は粗方(あらかた)冩眞(しやしん)のごとし。
支拂(しはら)ひは大約(およそ)一萬三千圓(いちまんさんぜんゑん)ほど。

一(ひと)つとして不味(あぢあし)きものなしと云ふも、
最(もつと)も舌(した)を悦(よろこ)ばしめたは未(いま)だ幼(いとけな)き"唐黍(たうきび)"。
"阿蘭陀獨活(あすぱら)"揚(あ)ぐる凄技(すごわざ)は尋常(つね)のごとく、
東都(えど)でも屈指(ゆびをり)の手練(てだれ)なるは勿論(いふもさらなり)。

銀杏(いちやう)の俎(まないた)に蔬菜(あをもの)を載(の)せ、
目(め)にも止(と)まらぬ早技(はやわざ)にて疱丁(はうちやう)を用(つか)ふ。
魚(うを)なれば時(とき)に粉(こな)を打(う)ち、衣(ころも)を纏(まと)はせ、
揚上(あげあ)がり端(ばな)を供(いだ)すさま、隼(はやぶさ)の鳩(はと)を襲(おそ)ふに似たり。

----------------------------------
【照相機】:日本光學 尼康(Nikon) Df 數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】:.....蔡司(Carl Zeiss) Makro Planar T* 2.0/50 ZF.2 @F2.0

【2008-9-30追記】:
數寄屋橋で用を濟ますと午(むま)の刻も間近(まぢか)。勇み立ち久々にいわ井の暖簾を潛(くゞ)る。主(あるじ)の他は誰もをらず、中ほどに腰を下ろす。女將(おかみ)現れ出(いで)品書きとお絞りを手渡す。つぶさに品書き檢(あらた)むるに、「天丼」がなくなり、天麩羅も四點二みなほんからと零點七みなほんの値上げ。

穴子と併(あは)せて、五點二五みなほん。前は同じ内容で四點二みなほんなれば、およそ一みなほんの値上げ。内譯は、蝦脚、蝦、鱚、茄子、女鯒(めごち)、緑色西洋獨活(アスパラガス)、蓮根、穴子、掻き揚げ。この日の突き出しは原木なめこ。茄子と緑色西洋獨活(アスパラガス)に隱し庖丁が入り、揚げ工合絶妙。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
素材      揚げ時間(1) 揚げ時間(2) 揚げ時間(3)    注
===================================================
蝦(卷き)脚    35″              55″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蝦         40″    45″~55″  40″,36″, 53″  一人の場合、36″~ 40″
                          大人數で混在の場合、45″~55″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
墨烏賊              30″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
鱚               1'20″      1'30″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アスパラガス          1'20″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
穴子              4'10″       2'30″    あるいは測定誤りか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
掻き揚げ                     1'30″
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【2006-10-14追記】:
野暮を承知の時間測定。鞘卷きは今囘四十五乃至五十五秒。最短の墨烏賊が三十秒。鱚は一分二十秒で穴子四分十秒。驚かされた綠色西洋獨活(アスパラ)の祕密が分かつた。隱し疱丁を細かく入れ、百八十度反對側にも輕く疱丁を入れる。揚げ時間およそ一分二十秒ばかり。墨烏賊にも周圍を中心に隱し疱丁が入る。

穴子を揚げて貰(もら)つた時、「前囘に比べて幾分脂が拔けてをりまする」と斷られた。驚く勿(なか)れ、一度お邪魔したゞけの自分を憶えてゐる。手捌(さば)きを眺(なが)むるに一分の隙もなし。滿席であるにも拘(かゝ)はらず、客毎に前菜を用意し、魚を捌(さば)き、揚げて天紙に盛り附ける作業を手際よく一人でこなす。

【2006-05-27記、一部略】:
週末、「片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず」銀座を彷徨(さまよ)ふ。普段は外濠通りの海側。この日は意を決して山側に歩を進める。鮨水谷寿司幸本店、に數度、奈可久銀座店きよ田は一度も伺(うかゞ)つた例(ためし)なし。實のところ、figeac氏とcrossbiker氏の遣り取りを見てゐて矢も盾も堪らなくなつたのだ。

店の佇(たゝづ)まひは頗(すこぶ)る近代的でカウンタはメラミン板と至つて素つ氣無し。だが厨房内は淸潔であり、道具の類(たぐひ)も磨き込まれてゐる。天丼を含め總て「活けの卷き」であることを確認。天丼好きとは云へ客は自分一人ゆゑ天麩羅でなければ主(あるじ)の技は堪能出來ぬと判斷し、品書きより「梅」を選擇。

 ・「梅」、卷き二本、鱚、椎茸、綠色西洋獨活(アスパラガス)、蓮根、穉鮎(ちあゆ)、蒟蒻(こんにやく)、穴子、掻揚げ天丼、値四千二百圓也。(値三千五百圓+穴子)

熟々(つらつら)主(あるじ)の所作を眺(なが)むるに、活けの卷きを取り出して捌(さば)き、油の温度を何度も確かめ、少しづゝ衣を溶き、やをら、脚を揚げ始める。所要時間およそ三十五秒。淡雪の如く美(うるは)しき結晶鹽?にて戴く。旨い。次いで卷きの胴體部分が一尾づつ供される。揚げ時間およそ四十秒。

これまたほどよき鹽(しほ)で戴く。芯部分は見事な生で甘み充分。二本目は僅(わづ)かに強目に火が通つてゐる。卷きは天麩羅種として中庸の五乃至六匁か。個人的にはみかわ茅場町店の如く八匁ばかりの車蝦が最善だと思ふ。楽亭等で用ゐる「鞘卷き」は、江戸の昔からの傳統とは云へ、聊(いさゝ)か小さきに過ぎる。

鱚はこれまた並の大きさにて揚げ方も月並ながら、味は文句なし。椎茸は立派なものを揚げた後、二つに切つて供す。天汁(てんつゆ)で戴いてみる。この天汁、出汁(だし)が確りしてゐる上、甘過ぎず好み。甘過ぎる天汁、丼汁(どんつゆ)は素材の持ち味を臺無しにして仕舞ふ。これだけの出來なれば天汁も惡くない。

綠色西洋獨活(アスパラ)は白眉。煮ても揚げても、柔らかき穗先と硬い根本でほどよき齒應(ごた)へを兩立させるのは無理。根本の部分の皮を剥(む)くか、二つか三つに切り時間差を設ける他(ほか)はなし。今迄どれだけ穗先の蕩(とろ)けてしまつた綠色西洋獨活(アスパラ)天麩羅や串揚げに泣かされて來たことか。

交叉するやうに天紙に置かれた西洋獨活の根本側を取り出し一口。うむ、絶妙なる齒應(ごた)へで筋一つない。天汁(てんつゆ)では勿體ないので鹽(しほ)で戴く。穗先も齒應(ごた)へ良好。野暮を承知で一つ假説を立てるなら根本部分を捨てるのが鍵か。根本を使はず全體的に適度な齒應へを保つてゐるやうに思ふ。

蓮根は厚味のあるものをこれまたほどよき齒應(ごた)へを殘して揚げてゐる。穉鮎は苦味が心地良い。相當時間を掛けて揚げてあり頭から尻尾迄その儘(まゝ)戴ける。「銀寶あらばお願ひ申す」と註文せしに「江戸前ならざれば用ゐる能はず」との由。で、旬を迎へる穴子に。穉鮎同樣、相當長時間掛けて狐色になる迄揚げる。

金箸で二つに切つて見せるところは他の名のある店と同じ。これまた上身が上になるやうに交叉して天紙に置かれたものを敢(あ)へて尾の方から戴いてみる。みかわ茅場町店の遣り方では、穴子に充分な時間を掛ける代償として、尾の尖端(さき)が過脱水されて仕舞ふ。尚、鍋に入れる際、皮側の餘分な衣を落としてゐる。

およそ一分半を掛けて揚げる芝蝦掻揚げには天一風に柚子が載る。丼汁(どんつゆ)は鹹口(からくち)ながら先週伺(うかゞ)つた一宝のやうに「汁だく」ではないので美味しく戴ける。香の物と蜆の赤出汁付き。香の物は、胡瓜、大根、茄子、白菜で、大根は糠漬け、胡瓜は芥子風味。蜆は小さいながらも肥えてをり、量も充分。

ナプキンは布製、楊枝は穗先長き黑文字で實用性に富む。物靜かな主(あるじ)に氣の利く女將による客あしらひは必要にして充分。小僧さんすら居ない店の中は隅々迄神經が行き屆いてゐる。「梅」に穴子がないと云ふのは寂しいものゝこれだけの丁寧さでこの値段と云ふのはあり得ない。行くなら荒らされてゐない今の内。

  • 水雲(もづく)に赤貝(あかがひ)

  • 麥酒(びいる)

  • 檸檬(れもん)

  • 鞘巻(さやまき)-1

  • 鞘巻(さやまき)-2

  • 白鱚(しろぎす)

  • 椎茸(しいたけ)

  • 帆立貝(ほたてがひ)

  • 阿蘭陀獨活(あすぱらがす)

  • 稚鮎(ちあゆ)

  • 唐黍(たうきび)

  • 女鯒(めごち)

  • 茄子(なす)

  • 穴子(あなご)

  • 障泥烏賊(あふりいか)

  • 香(かう)の物(もの)

  • 天丼(てんどん)

  • 赤出汁(あかだし)

2014/12/23 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ